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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~モノクローム・ラブ
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【愛の劇場】
自身の持つろっこんの汎用性に、
八神 修
は、今日ほど感謝したことはありません。道を塞ぐ障害物を分解して突破したり、外壁や重たげな看板の基点を崩して落下させ追手を阻んだり……足を止め、息を吸い込み留め、集中する時間に伴うリスクは小さくないにしろ、能力は修と愛する人を大いに助けました。
愛する人。
七夜 あおい
。ツインテールは震える睫毛と同じく揺れて、見上げた青い瞳に湛える不安に、修の表情とて知らずの内に陰ります。それでも、彼女が少しばかりの無理をしながら笑みを浮かべてくれさえすれば、修の心は安堵に解かれ、勇気と力が湧いてきました。
死者が甦るなどB級映画の中だけのことであると、もちろん修は知っています。そうだとしても、あおいをあの腐臭漂わせながら追いすがる群れの中へと手放す理由となるはずもなく、修は障害を分解して逃走路を確保し、あおいもまたろっこんを用いて動かなくなった軽自動車を持ち上げ死人たちの真っ只中へと投げ入れ、噴き上がった爆炎の明かりを背に、ふたりは手を取り合って走ります。
緊迫したシーンも、彼女と一緒なら、どこまでだって駆けていける気がしました。
逃げ込んだ海浜公園の真ん中に転がった金属バットの持ち主がどのような末路をたどったのか、思いを巡らせている余裕はありません。修はそれでも、冷たい感触を手に取り、剣道よろしく正眼に構えて、あおいへおどけてみせました。くすりと笑った彼女の安心こそが、修の求めるものです。
心配させたくない。こんな状況であっても、彼女の不安を出来得る限りに取り除き、そうして笑っていて欲しい。
いくつものくぐもったうめき声が近くで聞こえ、修は咄嗟に手近な茂みの中へとあおいを引っ張り込み、身を隠します。飛び出しそうな声を必死に抑えるあおい、潤んで揺らめく瞳へ、ぱちり。修はいたずらっぽく片目をつぶってみせました。
決意。修の胸には、決意がありました。彼女の、あおいの笑顔を失わないため、彼に出来ること……それがいかなることであろうとも、自分はためらわずそれを行うだろうと。固い決意は修の四肢へといつにない力を与え、彼女を守る絶対の意志として、彼を支えてくれます。
彼女が、笑ってくれるなら。それが修の生きる理由、その全てでした。
港で見つけたボートは頼りなげで、海峡を渡り切るには到底持ちそうになく、それでも本土へと続くあの大橋のたもとへとたどり着くのには、十分な希望と呼べるでしょう。橋を指差し手短にその意図を伝えれば、あおいは今もなお、修へと微笑んでくれました。
自身こそが彼女の希望としてあり続けることができるなら、それは当然のこと、修もそれを望んだでしょう。けれど……腐肉から廃液のような淀んだ奔流を止めどなく流出させながら、うろめく死人たちは、ふたりへとどこまでも追いすがります。
修は厳しい瞳であおいを見つめ、指差しました。ボートを。すぐにも伝わったでしょう、それに乗って先に行き、海上で待て。全てを片付けたら、必ず追いつくから。心配するな、と。返事を待つ余裕すらなく、少し乱暴に彼女の身体を押しやり、うめきや咆哮まじりにずるずると港を埋め尽くしていく死人たちめがけ、修はバットを構えて飛び出します。
彼のろっこんやそれを活かすための方策はもはやなく、彼はこと原始的なものを除けば、頼るべき手段を持ちませんでした。バットの柄を力強く握り込み、腐り落ちそうな頭部へと叩き込み、振り抜き、吹き飛ばします。迫る別の一体の腕を辛うじて避けてから、黄ばんだ骨の覗く脚を叩き折って動きを鈍らせ、頭へ蹴りを加えて無力化しました。半ば崩れ落ちた顔面へ真っ直ぐにバットを突き込み、廃液まみれになった武器を振り回して円周上の数体をまとめて薙ぎ倒し、肩を砕き、手首を弾き飛ばし、地へ崩れ落ちた胴を断ち割り……修は、必死に戦います。それは目覚ましく、勇ましく、獅子奮迅という言葉にふさわしい奮闘ではありながらも、聡明な彼が強要された肉体の酷使は、徐々に彼を疲弊させていきました。
それでもなお、彼はバットを振るい続けます。
脳裏にまばゆくフラッシュバックする在りし日の光景を、再び取り戻すまで。
群がる影がひとつとて動かなくなるまで、修が意識を留め立っていることができたのは、あおいを想うことで湧き上がる力のおかげでもあり、そして奇跡のたまものでもあったでしょう。
とうに限界を越え、バットは手から滑り落ちてからんと乾いた音を上げ、よろめき膝をつきかけた、彼の身体へと差し伸べられた手は他でもない、彼女のものでした。
修は目を見開き……泣きそうな顔を見て、ひとつバツの悪そうな苦笑いを浮かべます。
つぶやきました。俺、カッコ悪いな。もっとスマートにやれたら良かったのに。そうしたら、彼女は心配せずに済んだのに。
男なんて、バカな生き物でさ。
好きな人の前じゃ、いつだって強くて、頼れる存在でいたいのさ。あおい。
当然のこと、修の心配は杞憂に過ぎません。ぽろりと雫を目元から伝わせながらも、修が笑えば、彼女も微笑んでくれました。
傷だらけでも、カッコ良いよ。
ありがとう、修君。
手のひらと指を絡ませて、ふたりは互いにうなずきます。
駆け出した先、未来に待つものが希望だろうと絶望だろうと、乗り越えていこう。一緒に……修のそんな決意は、より強靭な礎として、彼の胸へと息づいていきました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月28日
参加申し込みの期限
2015年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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