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【まだ見ぬわが家】
午後の喫茶店に漂うぬくもりある叙情や、窓から差し込むぽかぽかとした陽気が、あるいは読み耽っていた恋愛小説に並ぶ文字たちから離れてのひと休みを勧め、まどろみへと誘ったのかもしれません。
木鈴 寧々子
は、夢を見ました。嬉しくて、切なくて、寂しくてあたたかい、夢を。
寧々子はその家を知りません。訪れたことは無いはずです。にも関わらず、彼女にはそれが自分の暮らす家なのだと分かりました。
木製の簡素な手漕ぎボートが揺れる湖のほとり。白いペンキで塗られた、清潔そうな石造りの家。石とは言っても冷たい印象ではなく、屋根の上に半ばほど覆いかぶさった樹々の葉の間から差し込む木漏れ日と、リビングで揺れる暖炉の火が家中を隅々まで暖め、巡る暖気がゆるい空気の流れとなって、天井から銀色の細いチェーンで吊るされた木組みの飛行機を揺らしています。
模型の飛行機を何とはなしに眺めていると、スカートの裾を何かが引っ張って、寧々子はついと視線を下ろします。
見上げた小さな女の子を、寧々子は知りません。口元から上が何だかぼやけてはっきりとしなくて、顔立ちは良く分かりません……にも関わらず、彼女にはその子が、はにかむ女の子が自分の娘であるということが、はっきりと分かりました。
この家は寧々子と、愛する家族が暮らす家。自然な仕草で娘を抱き上げ、自分と同じ栗色の髪をそっと撫でつけながら、寧々子は家の中をゆっくりと見て回ります。夢とは不思議で、恋をした経験すら乏しい彼女にさえ、家は心からの愛情と安らぎを感じさせてくれました。
子を産み育てるという行いは当然のこと、単なる遺伝子の羅列などではなく、そこにはすべからく心が介在し、だからこそ時として親と子は、様々な局面に翻弄されることもあります。
ランプシェードに灯る明かりが子供部屋をぼんやりと照らしても、外から聞こえる雨の音は冷たくて、雫が窓へぶつかる何気ない音のリズムはまるで、不吉な音楽のよう。
下がらない熱が娘の額や頬に触れた手のひらから伝わると、逆に寧々子の背筋や足元からはぞわり、ぞわりと熱が奪われ、冷えていくかのようです。苦しそうなうめきが漏れ聞こえるたび、せき込むたび、寧々子は自身の在りようを芯から脅かされているように思えて、必死に娘を撫でさすり、そっと小さく声をかけ、汗を拭き氷のうを変えてやり……自分の中にこれほどの母性が眠っていたことを、寧々子は初めて知りました。
熱い頬を撫でれば込み上げる感情は、抑えが利かないほどに多様で複雑で、寧々子自身にも整理が追い付かないほどです。こんな時には、どうすれば良いのだろう。娘が救われる方法があるのなら、何だってする。自分が代われるものなら、すぐにも代わってあげたい。そう、苦しめるなら、私を苦しめればいいのに。ああ。どうして。
それがたとえ重たい病であろうと、一夜ですっかり治ってしまうようなちょっとした風邪だろうと、翌日のけろりとして笑う娘の顔を見たなら、深い、深い安堵のため息とともに、きつく抱き締めてやることに変わりはありません。
それがたとえ何気ない一日の始まりだろうと、かたかたと窓が鳴る風の強い日だろうと、日差しのきつい日だろうと……どんなに特別な日であろうとも、寧々子が想うことは変わりません。元気に出かけていく娘へ手を振り、いってらっしゃい、と満面の笑みで見送りながらも、胸の内はいつだってはらはらとして、心配で心配で。
ただ彼女が、無事に帰って来ますように。ただ彼女が、何事もなく無事に大きくなって、どこかで素敵な男性とでも出会い、恋をして青春を謳歌して、やがて結婚をして子供を産んで……そんな特別で何でもない、ありふれて幸せな一生を送れますように。
願いはいつだって、変わらないものなのです。
喫茶店のテーブルで目を覚ますと、寧々子は自分が泣き濡れていることに気付きました。少しばかり戸惑いながらも、ふと、天井で揺れていた、あの模型飛行機を思い出します。
娘がいるなら、夫もどこかにいたのでしょう。あれはきっと、まだ見ぬ彼の趣味によるものだったのでしょう。夢に登場しなかったのは、仕事で出かけていたのか、あるいはもしかして、まだ娘が小さな時分、早くに……。
手の甲で雫の跡を拭うと、読みかけの恋愛小説の表紙が目に入りました。切ない悲恋の物語。寧々子が知らない、恋の物語。きっと、その影響だったのでしょう。
お勘定を済ませて喫茶店を出ると、目の前へ広がる夕焼け空。オレンジと白の絵具にちょっぴりのすみれ色を混ぜ込んだような、胸の奥をきゅっと掴まれるような、切ない空。
寧々子はそれを見上げて、ふと、ぽつり。告げました。
……愛してる。
いつか出会う娘へ。いつか出会う旦那様へ。
まだ見ぬ家族へ、ありったけの愛を込めて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月28日
参加申し込みの期限
2015年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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