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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
クリスマスを飾ろう！
「そうか、もうすぐクリスマスかぁ」
旧市街の商店街へ買い物に訪れていた典町 託志は、往来を見て、残りわずかな今年のイベントの訪れを感じ笑顔を浮かべていた。
往来を飾り付けしているのは、大体が中学生や高校生の子供達だ。
ワイワイ賑やかな彼らからこぼれるのは楽しげな笑顔は勿論のこと、「そうじゃないでしょ！」と怒る声や、「ちょっと男子ィ！」とお馴染みのセリフも聞こえてくる。
懐かしさに胸を満たして、長いこと忘れていたような何とも言えないあの甘酸っぱい気持ちを思い出した託志は、ふと思いつく。
——たまには童心にかえってみるのも良いかもしれない。
そうと決まれば善は急げ。
「よし、人手がご入用なら俺も手伝わせてもらうぜ！」
と、輪の中へ入っていった。
数分後に託志は、高い脚立に足をかけていた。
ＬＥＤライトが連なったイルミネーション用の飾りを手に、一歩ずつ段を登っていく。こういう少々の危険を伴う仕事は、大人がやった方がいいだろう。
目的の場所に手が届くくらいになると、持って来たライトを下から聞こえてくる指示の声に従って巻きつける作業に入った。点灯前だと分かりづらいが、赤色と緑色だろうか。
「やっぱクリスマスカラーつったらコレか。派手にやった方がいいなー」
街路樹の枝に這わせて、コードがたるまないように慎重につけていくと、下から一旦ストップが掛かった。
「ちょっと確認させてー！」
「はいよー」
先に返事をして手を止め、手持ち無沙汰にくるりと周囲を見回した。飾りを運ぶ人々で忙しそうな道に、中学生のグループが数人、協力し合いながらイルミネーションを運んでいるのが見えた。
何をしているのだろうと様子を見ていると、ある店の店先にある垣根に、そのイルミネーションを設置する。
大方自作なのだろう。分かりやすいくらいに緊張でドキドキしている彼らの顔に、思わず固唾を飲んで見守っていると、店主によってスイッチが入れられた。
ピカピカ輝きだしたのは、雪の結晶の形の大型イルミネーションだ。
「お、カッコイイな！」
託志の言った感想は道を隔てて聞こえていたようで、中学生たちは振り返って嬉しそうにこちらを振り返った。
「ありがとー！」
ブンブン一所懸命に振ってくる手へ振り返して、託志は微笑む。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
毎日の様に商店街で夕食の買いものをしている屋敷野 梢は、日頃世話になっている恩返しも兼ねて、クリスマスの飾り付けに参加していた。もともと彼女はこの辺りに住んでおり、商店街で悪戯もしていたクチだ。
「あら、もしかして梢ちゃん？」
子供の頃によく買い物に行っていた店のおばさんから声をかけられて、梢は笑いながら返す。
「おとなになったでしょー、ふふん！」
「ほんとほんと、すっかり綺麗になっちゃって。どうしたの？ クリスマスの飾り付け？」
「そうですよー。お礼は普段の買い物のおまけに期待してまーす！」
「ありゃまあ、それじゃお姉さんじゃなくておばちゃんじゃないの」
「ひっどあはは！」
そんな彼女が手伝っていたのは、飾り付けではなく、主にシッターの役割だった。
商店街は家族で営業している店も多く、父親や母親が子連れで往来の飾り付けに出ている者もいる。始めは物珍しく両親や周囲の人々の様子を見ていても、小さな子供は直ぐに飽きがきてしまう。
そして道に出たり、親や兄姉の邪魔をしたりと大変なことになるのだ。
丁度今も、店先の飾り付けをしていた中年女性が、声を上げていた。
「あ、こら！ 何してるの！！」
幼稚園生くらいの女の子が、星の飾りが入った段ボールに豪快に腕を突っ込み、ガランガランとかき回しまくっている。角張った飾りはあまり安全とは言えないし、乱暴に扱えば付いている小さなライトが割れてしまう。母親が腕をひったくる様にして段ボールから出すと、娘は母親の気を引きたいのかまたもズボッと箱へ腕を突っ込でしまう。
「ああっもう！」
反抗期の小さな子供に、母親がうんざりしているところへ、梢がさっと入った。
「お手伝いしてるんですかー？」
「うんっ！」
女の子は嬉しそうに答えたが、実際はといえば先程の通りだ。
「そっかー。でもちょっと休憩にしませんか？ あっちでおねーちゃんとお友達とお菓子食べて遊びましょう？」
梢が一緒に連れている子供たちの中には、女の子と同じ幼稚園の子供も居たようで、女の子は返事をするよりも早く友達の輪の中へ入っていく。
「すみません、有難うございます」
いかにも申し訳なさそうに頭を下げた母親の女性へ、梢は「いえいえー」と手を振って笑う。
「子どもってかわいいですよねー、ふふー」
梢がこうして子供たちを預かってくれるお陰で、飾り付けの方は滞りなく行われていた——。
旧市街の商店街へ買い物に訪れていた典町 託志は、往来を見て、残りわずかな今年のイベントの訪れを感じ笑顔を浮かべていた。
往来を飾り付けしているのは、大体が中学生や高校生の子供達だ。
ワイワイ賑やかな彼らからこぼれるのは楽しげな笑顔は勿論のこと、「そうじゃないでしょ！」と怒る声や、「ちょっと男子ィ！」とお馴染みのセリフも聞こえてくる。
懐かしさに胸を満たして、長いこと忘れていたような何とも言えないあの甘酸っぱい気持ちを思い出した託志は、ふと思いつく。
——たまには童心にかえってみるのも良いかもしれない。
そうと決まれば善は急げ。
「よし、人手がご入用なら俺も手伝わせてもらうぜ！」
と、輪の中へ入っていった。
数分後に託志は、高い脚立に足をかけていた。
ＬＥＤライトが連なったイルミネーション用の飾りを手に、一歩ずつ段を登っていく。こういう少々の危険を伴う仕事は、大人がやった方がいいだろう。
目的の場所に手が届くくらいになると、持って来たライトを下から聞こえてくる指示の声に従って巻きつける作業に入った。点灯前だと分かりづらいが、赤色と緑色だろうか。
「やっぱクリスマスカラーつったらコレか。派手にやった方がいいなー」
街路樹の枝に這わせて、コードがたるまないように慎重につけていくと、下から一旦ストップが掛かった。
「ちょっと確認させてー！」
「はいよー」
先に返事をして手を止め、手持ち無沙汰にくるりと周囲を見回した。飾りを運ぶ人々で忙しそうな道に、中学生のグループが数人、協力し合いながらイルミネーションを運んでいるのが見えた。
何をしているのだろうと様子を見ていると、ある店の店先にある垣根に、そのイルミネーションを設置する。
大方自作なのだろう。分かりやすいくらいに緊張でドキドキしている彼らの顔に、思わず固唾を飲んで見守っていると、店主によってスイッチが入れられた。
ピカピカ輝きだしたのは、雪の結晶の形の大型イルミネーションだ。
「お、カッコイイな！」
託志の言った感想は道を隔てて聞こえていたようで、中学生たちは振り返って嬉しそうにこちらを振り返った。
「ありがとー！」
ブンブン一所懸命に振ってくる手へ振り返して、託志は微笑む。
毎日の様に商店街で夕食の買いものをしている屋敷野 梢は、日頃世話になっている恩返しも兼ねて、クリスマスの飾り付けに参加していた。もともと彼女はこの辺りに住んでおり、商店街で悪戯もしていたクチだ。
「あら、もしかして梢ちゃん？」
子供の頃によく買い物に行っていた店のおばさんから声をかけられて、梢は笑いながら返す。
「おとなになったでしょー、ふふん！」
「ほんとほんと、すっかり綺麗になっちゃって。どうしたの？ クリスマスの飾り付け？」
「そうですよー。お礼は普段の買い物のおまけに期待してまーす！」
「ありゃまあ、それじゃお姉さんじゃなくておばちゃんじゃないの」
「ひっどあはは！」
そんな彼女が手伝っていたのは、飾り付けではなく、主にシッターの役割だった。
商店街は家族で営業している店も多く、父親や母親が子連れで往来の飾り付けに出ている者もいる。始めは物珍しく両親や周囲の人々の様子を見ていても、小さな子供は直ぐに飽きがきてしまう。
そして道に出たり、親や兄姉の邪魔をしたりと大変なことになるのだ。
丁度今も、店先の飾り付けをしていた中年女性が、声を上げていた。
「あ、こら！ 何してるの！！」
幼稚園生くらいの女の子が、星の飾りが入った段ボールに豪快に腕を突っ込み、ガランガランとかき回しまくっている。角張った飾りはあまり安全とは言えないし、乱暴に扱えば付いている小さなライトが割れてしまう。母親が腕をひったくる様にして段ボールから出すと、娘は母親の気を引きたいのかまたもズボッと箱へ腕を突っ込でしまう。
「ああっもう！」
反抗期の小さな子供に、母親がうんざりしているところへ、梢がさっと入った。
「お手伝いしてるんですかー？」
「うんっ！」
女の子は嬉しそうに答えたが、実際はといえば先程の通りだ。
「そっかー。でもちょっと休憩にしませんか？ あっちでおねーちゃんとお友達とお菓子食べて遊びましょう？」
梢が一緒に連れている子供たちの中には、女の子と同じ幼稚園の子供も居たようで、女の子は返事をするよりも早く友達の輪の中へ入っていく。
「すみません、有難うございます」
いかにも申し訳なさそうに頭を下げた母親の女性へ、梢は「いえいえー」と手を振って笑う。
「子どもってかわいいですよねー、ふふー」
梢がこうして子供たちを預かってくれるお陰で、飾り付けの方は滞りなく行われていた——。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年11月17日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年11月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年11月24日 11時00分
