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悪徳は小粋な調べに乗せて
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【仕掛】
「遅くなった。すまない」
八神 修
がコントロールルームへ入ると、まだまだ相当数がうろめいている警備員らを
五十士 柊斗
が誘導、翻弄しているところだ。彼は顔を上げ通信機の口を塞ぐと、
「八神君。こっちは今のところ、どうにか上手くいっているよ」
「そのようだ。こちらは、鬱陶しくまとわりつく子犬を撒くのに手間取ってな」
ちらと見せた笑顔などは、例えるなら自宅におびただしい猫や犬を飼っている動物好き、といった風情ではあったが、八神の内面にはそんな風に表現するべき優しさと、切れるほどの冷徹が共存している。闇のような黒髪、黒い瞳に黒いサングラス。おろしたてのように清潔な黒のスーツを着こなす彼の正体を、仲間たちは知らない。
もっとも、彼をこの仕事へと引き入れるきっかけとなった五十士だけは、薄っすらと想像するところもあるようだ。
「よし、取り掛かろう。監視カメラの映像を差し替え、今夜の襲撃と俺たちの足跡を無かったものとする」
「頼むよ。八神君……ひとつ、聞いてもいいかい?」
スマートフォンに起ち上げた改竄プログラムを監視システムへ直結したところで、五十士の今このタイミングでの問いは、恐らく仕事をつつがなく終えた後、互いに二度と出会うことは無いだろうと直感しているからかもしれない。そして、その予感は正しいものだ。
「君は、俺たちの助けになってくれると言った。だから俺は鉄さんに、君を引き入れることを提案した……でも、君の目的は金じゃない。そうだろう? 君の本当の目的は何なんだ? この邸宅へ、何のために潜入したんだ?」
この青年の鋭い洞察は、穏やかな気質や純朴さがいささか足を引くのを差し引いたとしても、彼が裏社会で生きるための大きな武器となるだろう。この仕事の分け前で、彼とその妹が現状を脱するきっかけが生まれるのなら八神にも喜ぶべきことだが、人の心の奥底に蠢く闇が支配する世界はそう甘いものではないことを、誰よりも身を持って知っているのが八神という男だった。
「……確かにな。俺の目的は、金じゃない」
「なら、何を……」
「それは……ああ。彼らと似たようなものさ」
示した監視カメラの映像へ紛れ込むのは、警備員を輝く拳で打ち倒す
如月 庚
。頭上のカメラへ向かって手を振る、
屋敷野 梢
。それに、
「あれは……御剣君か?」
「彼もな。俺と、利害が一致しているのさ」
飄々としたあの剣士の探し物こそ八神の常識から外れてはいるものの、進むべき道程は重なっている……少なくとも、その途上までは。
御剣 刀
の理由は至ってシンプルだ。あの少女が奪われたものを取り戻す、それ以上でも以下でもない。
さらに言うなら彼の生き様こそことさらに純粋で、ただひたすらに強くなること。そのために、強い者へと挑むこと。自らを磨き上げる鍛錬と、叩き上げる実戦の繰り返しによって、御剣の剣技と精神は強かに形作られてきた。
彼は自身の成長の糧となってきた多くの達人には感謝こそすれ恨みなど毛頭無いが、相手にとっては必ずしもそうでは無いらしい。あの夜もまた、一段高みへと臨んだ剣技で報復を手も無く退けた……少女はそんな御剣を、陰から覗いていたようだった。
小刻みに震える小さな手のひらの上には、くしゃくしゃに丸まった僅かばかりの紙幣と小銭、ミルクキャラメルがひとつきり。それが彼女に差し出せる最大限の対価であることは明白だったが、御剣は少女の痛んだ髪を少々乱暴な手つきで撫で、
「成功報酬でいい。まぁ、待ってろ」
それが今、御剣が刀身を隙なく振るっている理由の全てだ。一振り、翻せば警備員は一人倒れ……ライフルの掃射は彼の十八番、『加速』を用いていとも容易くかいくぐり、死角からの峰打ちでさらに一人。即座に返す刀でもう一人を沈め、鞘へと収めた刃引き刀は鯉口で凛と鳴る。
「へぇ。やるじゃねぇか」
言った如月もまた、凄まじい破壊力を誇る蒼い拳を防弾ベストの上から叩き付け、一人を壁へと吹き飛ばす。細身に見える屋敷野とて、
「あーあ、殴られちゃってかわいそー。暴力反対でーす!」
口ぶりは軽いが、蝶へと姿を変えて身をかわし、また頭上から落とせば大の大人も意識を刈り取られるであろう重量を持つ品々を蝶へと変えては爆撃のごとくに降らせる手並みは、御剣の目をして頼もしく映る。
御剣は、偶然にこの場へ居合わせた二人の同道者に、どこか近しいものを感じていた。少女が街のチンピラに難癖をつけられ巻き上げられ、いわくつきの品を扱う後ろ暗い宝石店を経て、巡り巡ってこの屋敷の持ち主の手に渡った、母親の形見の指輪を取り戻す……彼らの目的、その本質は似通っている。
とかく豪奢な作りの邸宅にあって、地下金庫と並び厳重なセキュリティを施された扉。この場を守る警備員は先に黙らせた。この向こうに、彼らと、それに御剣の探す物があるという。
「ここだな。中沢の書斎だ」
「俺たちに必要な情報はそう多くねぇ、依頼人の金を取り返せる分がありゃあいい。後はあんたらが好きにすればいいさ」
今夜に忍び込んだのが如月と屋敷野だけであったなら、二人はついでに中沢の地位を危うくする可能性を秘めた一切合切を根こそぎさらっていったろうが、彼らにしては都合の良いことに、御剣やそのチームの仲間たちがいる。始めに五十士と邂逅した際に、彼らとの間には不干渉と役割分担が暗黙のままに出来上がっていた。
「てゆーことでリッカルドさんへのオシオキと、警察とかの対処はお任せしまーす。まー警察に追いかけられたところで、私たちを捕まえられるくらい有能でマジメなら、そもそも私たちは必要ないんですけどねー」
「だろうな……
ヤーガ
、ここを開けてくれ」
コントロールルームは既に制圧下にあり、セキュリティネットワークはかのハッカーの自由になる傀儡と成り下がっていた。今の彼女は金庫破りに忙しいはずだが、御剣が促せばすぐにも書斎の電子ロックはひとつ音を発し、開いた。
少女のように軽やかな響きではあったが、少なくとも五十士にとっては、ぞっとする声だった。
「コントロールルーム。聞こえますか? 宇崎さん、返事をしなさい」
警備員用の通信機から届く
八咫 鏡
の口調に、まだ疑いの色は無い。五十士は慎重に、
「宇崎は、席を外しています。その、用を足しに……今は俺がこの場を代行しています」
「……ああ。まったく、肝心な時に役立たずなんですから……まあいいでしょう。状況に変化は?」
「今のところ、特には。侵入者は一階の西側にて警備員と交戦中の模様、間もなく片が付くでしょう」
「よろしい。では、あなたはそのままそこで仕事を続けてください…………ふふ」
ぷつり、通信は一方的に切れた。
「……?」
違和感。最後に、言葉の端に、八咫は笑った。何故? 何故奴は笑った? 既にバレているのか?
「よし、これでいい。監視カメラは今夜いっぱい、何の変哲もない生垣や壁の染みを映すのみだ……どうした、五十士?」
いや。逆の視点で考えるべきだ。奴はプロだ、八咫がこの部屋の陥落を想定へ含まずにいるはずが無い。五十士の演技如何に関わらず、今のやり取りで、奴は事態を察したはずだ。
では、奴は何をしてくる? 何を仕掛けてくる?
「…………いや。違う! 既に、この部屋に仕掛けを……八神君、危ない!!」
「!」
咄嗟に八神を椅子から引き剥がし、部屋から飛び出した直後。システムは火を吹き、轟音と共に爆裂した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月11日
参加申し込みの期限
2015年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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