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悪徳は小粋な調べに乗せて
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【翻弄】
「うわあっ!?」
ひときわの巨大な爆発が邸宅を揺らし、中沢は身をすくませる。
「わ、私の家でよくもこんな好き放題を……」
「リッカルドさん、あれを! 金庫室への扉が!」
随伴する数名の警備員らの一人が指差し叫んだ先の様相を目にして、彼はいよいよもってあんぐりと口を開く。
「あ、開いている……!? なぜ……!!」
泡を食って駆け寄り、カードロックによって封じられていたはずの第一の扉が開かれているのを目の当たりにし、その先を確かめるべく第二の扉、虹彩認証システムの液晶パネルを半ば剥いた瞳で覗き込む。すぐにも電子音が鳴り響き、第二の扉も開かれた。
続く第三の扉、認証パネルへパスワードをタップしかけ……しかし。彼はそれでもこの邸宅の主であり、多くの事業、ほぼ全てが悪徳に塗れたそれらによって財を成してきた男だ。ふと目を向けた、第二の扉の裏側にあるものを見つけるなり、すぐさま中沢は冷静さを取り戻した。
「……リッカルドさん?」
「ああ……なるほど、ふふふ。分かりましたよ」
それは、黄色いテープだった。襲撃の報が知らされるなり、警備を請け負う
八咫 鏡
と共に金庫室の安全を確かめた後、彼が万全を期しろっこんを用いて貼り付けていった、あのテープだ。
「こういうことです。侵入者はカードロックをどうやってか解除したものの、この第二の扉を開く方策は見つからず、引き返したということでしょう。とはいえ安全が保証されたわけではない……全く、カードキーなど何の役にも立ちませんね。今しばらくは、地下の警備を強固にするべきでしょう。これまでの二倍、いいえ三倍に増員しなければ……」
「それは困るな」
……ライフルが照準を合わせる反応速度とて、並では無かったはずだ。しかし
鉄 衛守
はその銃口を無造作に掴み上げると、身体ごとぶつかるようにして肘鉄を顎へ喰わせ、一人目を叩き伏せる。放たれた銃撃の射線からは半身を逸らすと同時に懐へ潜り込み地を這う水月蹴り、転がった二人目の胴へと拳を打ち下ろす。踏み込み、遅れた発砲音を後ろに聞きながら足刀を鋭く三人目の首筋へ、すぐさま跳躍し回転の遠心力を乗せた一撃を、中空にて四人目の胸元へ蹴り入れた。
この間に、幾度、中沢が瞬きすることを許されただろうか? 彼の雇い入れた警備員は決して張り子の虎では無いはずで、彼らがこれほどあっさりと地に伏すことなど、想像してはいなかったろう。
「な……なっ」
「虹彩認証、解除してくれてありがと!」
トゥエルヴ
の微笑みはあたかも、親しい友人へ投げかける感謝に、祝福すら表しているかのようだ。
「最後まで開けてくれたら、もっと助かっちゃったけど……ま、それも面白くないわね。じゃ、ごゆっくり♪」
ぷしゅ、と噴霧された気体が何なのかを悟るまでも無く、中沢は意識を手放し手足を弛緩させ、扉の前へと転がった。鉄はその身体を持ち上げ脇に寄せると、
「仕上げだな。頼んだぞ、
ヤーガ
」
「……うん。分かってるよ」
いびきをかいて眠りを貪り始めた中沢を眺めて、彼女には思うところもあったろう。家族を奪い、妹を孤独へと堕とした男……この場でごく私的な罰を加えることも出来た。
しかし彼女が選択した行動は、ついと男から視線を外し、既にトゥエルヴが取り去っていた扉脇のパネルの半ばへとPCから伸ばしたケーブルを挿し込み、キーを叩く。それだけだ。
程なく、ゆっくりと。金庫室へと連なる、第三の扉が開いていく。
「……いつも思うのよね」
トゥエルヴはつぶやく。間もなく再会する、愛おしい恋人へと囁きかけるように。
「銃を持ったタフガイたちに取り囲まれてる時に。頭の上で警報がわんわん泣き喚いてる時に。ウソみたいに甘い儲け話をもっともらしく聞かされてる時に。いつだって思うの、ああ、これで足を洗おうって」
金属同士が擦れ合ういささかに軋んだ音は、それでも聞く者に福音の鐘か、あるいは荘厳なクラシックの調べを思わせた。
「でも……気付けばまた、こうしてる。何度だってこの瞬間を味わうために、ね!」
桧垣 万里
の柔和な笑みは誰しも和ませる穏やかなものだが、それでもチームの一員として属する以上、彼女もまたただのメイドでは無い。
「桧垣さん、気を付けて……!」
「大丈夫、彼女なら心配はいらないよ」
城山 水樹
の心配顔にも、
鴻上 彰尋
の信頼にも、等しく応えるのがメイドの務めだ。それはこの広い地下ガレージを警備する者たちへも同様……当然、親しい彼らに対するやり方とは真逆のもてなしではあったが。
警備員が銃を突きつけ発砲するなら、他の方策を講じたところだ……彼女の足先まで届かんばかりのスカートの中には、そのための備えが仕込まれている。しかし相手はただの使用人と見て油断したか、下卑た顔を浮かべ徒手空拳のまま掴みかかろうと突進してくる。桧垣にとっては、慣れた手合いだ。
「失礼いたします」
ふわり。ロングスカートが翻る様は優美そのもので、取った腕を捻り上げ、相手の力と勢いを利用して放り投げた彼女の護身術は、淑女がダンスホールで舞い踊る光景を想起させた。
同様に、瞬く間に残る警備員らを床へと失墜させると、桧垣は両手を揃えて、彼らへ向けて深々と頭を垂れた。
「……やっぱりすごいのね、桧垣さん」
「いいえ、はしたないところをお見せいたしました」
変わらないメイドの笑顔に、城山は苦笑いを浮かべつつも、今や全幅の信頼を寄せているようだ。
「さて、それでは、お車を用意しておかなくてはいけませんね……あら?」
「どうしたんだい、万里」
怪訝そうな声を上げた桧垣の見つめる先を、鴻上と城山が覗き込む。
ガレージに並ぶ高級車はいずれも中沢の所有であり、有事には追手の乗り込む追跡車となり、そして仲間たちには逃走の足ともなるはずであったが、
「これは……刀傷かい?」
「全部、パンクしているみたいね……」
桧垣はメイドとして侵入する傍ら、事前にガレージへも忍び込み、目ぼしを付けた数台を除いて、真っ当な走行を阻害するよう細工を施していた。逃走の際には間もなく突入してくるはずのトラックへ地下金庫の上がりを積み込み、無事な車へと仲間たちで分乗し屋敷を出る……そんな手筈になっていた。
どうやら、それを見越していた人物がいたらしい。
「なるほど、これは、あの方ですね」
桧垣の脳裏に思い浮かぶのはあの、
矢萩 咲
だ。タイヤの損傷痕には、彼女の剣筋がありありと見て取れた。
「どうも、少しハードなことになりそうだね」
とはいえ、頭をかいた鴻上も、くすりと微笑む桧垣からも、かけらの危機感すら読み取れはしない。プロとはかくあるべきかと、城山は苦笑いを浮かべつつ嘆息した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月11日
参加申し込みの期限
2015年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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