this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
悪徳は小粋な調べに乗せて
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
【巡廻】
こつ、こつと。ガレージへ、靴音が響く。ただひとり残された中沢ははっとして顔を上げ、その主を見るなり目を見開いた。
「……なっ、な、な、何故ここに……!? あなたが!」
「全部、僕が仕掛けたからさ。ゲームは楽しんでくれたかな? リッカルド君」
「くッ……葛木、様……!」
彼は、情報屋の『クズ』と呼ばれていた……少なくとも、表向きには。
裏社会に生きる一部の者が知る彼の本当の名を、『
葛木 明日斗
』といった。もっとも主として彼を呼び表すのは、『破軍』の二つ名であったろう。
「やれやれ、ひどい有様だね。君が貯めに貯め込んでいた財は全て奪われ、手がけた事業、もちろん大っぴらにはできないヤツさ。それも全部、程なく露呈するだろうね……おまけに僕が直々に頼んでいた仕事まで、外事警察の犬ッコロに台無しにされたようじゃないか?」
「あ……あなたが! 襲撃を……手引きしたのか?」
怯えながらに問う中沢へ、今夜の侵入を知らせたのは他ならぬ、葛木だった。そして邸宅の内部情報や地下金庫室の存在まで、必要な情報を軒並み侵入者へと流したのもまた、彼だ。
葛木はにんまりと笑み、
「いいかい、リッカルド君? かつての君は、『弱者』だった……そこから這い上がらんとする強固な意志を持つ君を後押ししてやったのは、ひとえに旨味があったからさ。でもある程度の財を成したところで、君は勘違いをしてしまった……自分が『強者』の仲間入りを果たしたのだとね。とんでもない!」
ごとり。葛木が後ろ手に隠していたそれに、中沢はようやくにして気付く。両手で無ければ支えられないほどの重量を誇るハンマーと、その用途に。
「っ、ヒ……」
「君を上手く操って楽しむのも飽きたしね、せっかくだから裏社会の皆々様が楽しんで頂けるような、ゲーム仕立てにしてみたわけだ。今の君は弱者ではなく、強者でもなく、単なる『敗者』さ。ゲームのね……さーて! そんなみっともない君の口から、余計なセリフがぺらぺらと漏れるのは都合がよろしくないからね。ちゃあんと処分しておかないと……うん?」
凄まじい速度でガレージへと滑り込み、中沢へ向けて扉を開いた小型車。
運転席に見えるのは、
八咫 鏡
だった。
「言ったでしょう? 頂いた前金分の仕事はこなすと……逃走のための資金は十分に確保してあります。車ごと近くの森に隠しておいたんですよ、事前にね。後はどこへ高飛びするなりご自由に、で、乗るんですか? 乗らないんですか?」
「の、乗ります……!」
慌ただしく助手席へ飛び込んだ中沢を挟み、八咫は不敵に笑みながら葛木を見据え、
「警備のご依頼ならいつでも。ありとあらゆる襲撃から、大切な私財をお守りいたしますよ。どこかの誰かと違って私に全てを委ねていただけるなら、それはもう完璧にね」
「あはは! 無能な雇い主に部下、お互い苦労したもんだ。君の手腕は良く知ってる、考えとくよ」
走り去っていく車のナンバープレートを見送り、振り下ろす先を失ったハンマーを床へ放り出すと、葛木は、誰ともなくほくそ笑む。
「ま……逃げても無駄だけどね。『七星』の手の者は、どこへだって潜んでる……再会が楽しみだよ、リッカルド君♪ その時はきっちりと、手足を折って逃げられなくして。舌を引っこ抜いて喋れなくして。それからそれから……」
葛木という男、あるいは『七星』なる巨大犯罪組織が中沢を仲介に画策していたビジネスとはすなわち、国防機密の他国への漏洩であったようだ。しかし純国産かつ最新鋭の戦闘機を記した図面は回収、データは残らず処分した。事は未然に防がれたと言っていいだろう。
ほんの数時間も前まで八神と呼ばれていた男は、黒髪のウィッグと顔を脱ぎ去ると、通信機へ報告した。
「……こちら『
狼
』。任務完了。報告のため、一時帰還する」
彼が立ち止まることは無い。名を変え、顔を変え、この国に蠢く闇をどこまでも追い詰め……牙を突き立てるだろう。
「何だこりゃ? おい、見てみろよ!」
廃ビルへと戻り、札束の山を前に祝杯をあおった
夜海霧 楓
が、掲げたスマートフォンを仲間たちへと見せた。銀行口座の残高照会らしき画面には、数えるのにも苦労するような途方もない金額が映し出されている。彼には身に覚えがないという。
「それは……恐らくは、あの方の計らいでは無いでしょうか?」
「はは、粋なことをしてくれるじゃないか」
ガラスの無い窓から
桧垣 万里
と
鴻上 彰尋
が外を覗き、ばたばたとにわかに騒がしく、今まさに飛び立った一台のヘリを見上げれば、通信機へと届く
レイ
の声。
「八神に、ある物を託していてな。ヤツは目的の傍ら、上手く利用してくれたようだ……それはオレとヤツからの駄賃のようなものだ。じゃあな」
レイに託され、八神が中沢のPCへと差し込んだ小さなデバイスは、侵入したPCに紐付けされた預金口座における残高を操作し、自動的に仲間たちそれぞれの口座へと振り分ける操作プログラムを擁していた。奪った金額は元より、中沢への決定的な打撃の一助ともなるだろう。
「これで……あいつも終わりだね」
「おまけにあたしは潤沢な研究資金を手にして、あんたの妹だって学校へ行ける。いやあ、良いことをしたなあ♪」
ヤーガ
と
ドク
は成功の余韻と、これからの明るい道行きを想像しながらに、グラスを合わせた。
凛と鳴る小気味良い音を背中に聞きながら、沈みかけの月を眺めた
城山 水樹
は、何を思うのだろう。その表情は複雑な色を表してはいたが、それでも彼女は仲間と乾杯する代わりに、ただ薄闇の空へと盃を掲げた。
彼らは、仕事を成し遂げた。それはこの場に姿の見えない面々もまた同様で、
「……こいつを返す時が楽しみだ。ああ……またすぐにも、君とヤリたいよ……」
人気のないビルの屋上へ佇む
サキリ・デイジーカッター
は、艶めかしく輝く日本刀の波紋へ掌を這わせ、ほうと恍惚の息をつく。
御剣 刀
は、差し出された小さな手のひらの上へと指輪を乗せてやると、
「そら。今度は失くすんじゃないぜ」
そっけなく言って、くしゃくしゃの紙幣や小銭には目もくれず、ミルクキャラメルだけを取って歩き去る。手を振る少女に見送られながら、包み紙を開いてキャラメルを口へと放り込むと、程よい甘さに彼は笑った。
「依頼しゅうりょー! さっ、焼肉ヤキニク♪」
屋敷野 梢
も、隣を歩く
如月 庚
とて、それが束の間の安らぎであることは十分に身に染みている。彼らもまた、歩みを止めたままではいられないタチなのだ。
「じゃ、腹ごしらえといくか。食って食って、食いまくったら、また」
「お仕事ですねー、この世に悪いヤツは絶えませんからね、全く!」
「そういうこった」
やがて、夜が開ける。
それからちょうど、一週間の後。
何気ない日の午後、晴天のカフェにて新聞を広げた
ユーリ・ロッソ・ネーモ
は驚き、大仰な声を上げた。
「へぇ、凄いね! 郊外にある中沢って人のお屋敷に泥棒が押し入って、金庫の中身をごっそり盗まれちゃったんだってさ~。すっごい警備が厳重だったのに、まんまとやられちゃったんだって」
「良く言うぜ……」
宇崎 宙太郎
はネーモを呆れたように眺めながら、
「ったく、のんきなヤツだなぁ。あの日は大変だったってのによー」
「えっ何なに? 何が?」
「何でもねーよ、言ってもどーせ忘れちまう。はー、次の仕事探さねーとなぁ」
「えーっ、ちょっと、教えてくれよ~!」
……そんなやり取りを、背中に聞きながら。
鉄 衛守
は、
「ええ……社長。中沢は潰しました、命令通りに。次は……そうですか。分かりました。何かあればいつでもご連絡を、では」
電話の向こう、雇い主へと報告がてら、サングラス越しに
五十士 柊斗
の苦笑いを見つけ、自身も少しばかりの笑みを浮かべる。
「五十士、お前の目的は果たされた。今後も無理に付き合う必要は無いが……どうする」
「いえ、やります。俺だってもう、チームの一員ですから。あいつのためにも、俺はもう躊躇わない……」
ふと彼の言葉を手で制した鉄のスマートフォンへ、入れ替わりに入った連絡は、楽しそうな
トゥエルヴ
からの催促だった。いわく、
「さ! 次はどんな仕事、する?」
大金をせしめたとて、彼女が満たされることは無い。そして破滅と隣り合わせのスリルという名の危険な麻薬は、仲間たちにもまた、蔓延し始めていたのかもしれない。
彼らは笑いながら、次の計画を立て始めた。分厚い困難を華麗に出し抜く、スマートなプランを。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『悪徳は小粋な調べに乗せて』のリアクションをお届けいたします~。
クライムアクション! 映画好きなもので、墨谷もその手の作品は良く見たりします。
軽快なBGMに乗せて飄々と、ウィットなジョークなんて飛ばしつつ、警察やら何やら煙に巻いて、颯爽とお宝を手にして去っていく……祝杯上げながらも、次の標的はどうする? なんて、そんなイメージを抱きつつ執筆させていただきました。
いろいろモチーフはありますけれど、やっぱり某『11~13人』の影響が大きいでしょうか。あのいつ何時もどっしり構えてうろたえない感じが好きです。
今回は泥棒チームのみならず、潜入者や警備員の敵対者といった立場でもご参加いただきまして、敵味方入り乱れての派手なアクションとなりましたー。
あんまりバリエーション豊かなもので、整合性を取るのに一部ガイドから変更させていただいた状況設定等もあったりしますけれど、そちらはご容赦いただければと……。
何にしろ、楽しんでいただけましたら嬉しいです!
それでは、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました。
またの機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
悪徳は小粋な調べに乗せて
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月11日
参加申し込みの期限
2015年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!