恐怖！　○○しないと出られない部屋！｜リアクション

恐怖！　○○しないと出られない部屋！

「えっと、まじサーセン。でも一度呼んだらお題に答えてくれないと出れないっス……」
　テレビを破壊され、ボッコボコにされたビリーは土下座をしながら萎縮していた。
「あとそこォ！　勝手に壁壊すなァ！　かーちゃんに怒られるだろうが！！」
「あ、ああ、でも夢ならすぐに元通りになるだろう？」
「そうだけど、そうじゃねーんだよ分かれやコラ！！」
　八神はろっこん【分解】で容赦なく部屋の壁を分解していたのだ。
　ビリーは頭を抱えて今にも泣きそうな素振りだ。
「ふむ、夢とはいえ物理法則が働くのか。単なる視覚効果や錯覚ではない……、おや？」
　壁を掘削するように分解していくと、突然、壁の向こうに人影が現れた。
「……失礼。あなたは？」
　八神の質問に、壁越しに現れたふくよかな女性は答えた。

「ヒロシの母です」

　今度は八神が困惑してしまった。
「……ヒロシって誰だ？」
「そこでうずくまっているのがウチの息子です。あの～、ヒロシのお友達の方？　夢の中で壁を壊すのは困るんですけど……」
「……ごめんなさい」
　八神はすぐに謝罪の意を込めて頭を下げた。
「元に戻しておいてくださいね？　あ、ヒロシ？　お友達がきてるなら、いい加減に部屋に引きこもってないで出てきてらっしゃい！」
　そういうと、ヒロシの母は掃除機を担いで隣の部屋を出ていってしまった。
　八神はえも言えぬ顔のまま振り返ると、ビリーに微笑みかけた。
「なにか相談できることはないか、ヒロシ？」
「うるせぇッ！！　早くキスしてお前ら帰ってくれ！！」
　床の上でゴロゴロと悶えるヒロシ（ハンドルネーム：ビリーTHEインキュバス）であった。

　さて、いよいよ覚悟を決めなくてはならない。
　乾物も、そして読者諸君も、次のページから飛ばすぜ☆