――君たちは目を覚ますと、一面が真っ白な部屋の中に閉じ込められていた。
「よう、ようやくお目覚めか」
灰毛と白毛の混じった猫の姿のらっかみ、
テオドロス・バルツァは溜息混じりに告げた。
何があったのか、と君たちが質問すると、テオは「どうもこうも……」と、部屋に唯一あるテレビモニタへ顔を向けた。
モニタの中に、キリンのラバーマスクを被った人物がいた。
「ハッロ~、エブリワンッ? Wtat's up?」
ふざけた態度でメロイックサイン(人差し指と小指を立てるハンドサイン)を見せびらかしてきた。
「ミーはいわゆる夢魔って奴さ! 名前はビリー! 好きな音楽はデスメタル! 特技は1秒間に10回のヘッドバンキング! ロッコンとかいうゴキゲンなエナジーに誘われて、オマエたちのマインドに土足で上がり込んでやったゼッ!!」
「……不覚だ、俺もこんな下等な怪異にやられちまうとはな」
テオが思いっきり悔しがっていた。
君たちは注意深くモニタの中のビリーの声に耳を傾けた。
「ああ、安心してくれ! ミーはオマエらが寝ている間、ほんの少しだけ生気を吸い取らせてもらうだけだ! なにも殺しはしねぇよ、ヒッヒ!」
早くここから出せ、と君たちが苦情の声を上げると、ビリーは肩をすくめた。
「まっ、それがフツウの反応だよなぁ?」
ビリーはキリンマスクにストローをくわえさせると、チューチューとグリーンスムージーを飲み始めた。
「んん~? どうしようっかなぁ? ミーはこう見えて夢魔界のジェントルマンといわれてるくらい優しいから、ここから脱出させてやってもいいぜぇ??」
ビリーの仮面の奥の眼光が鋭くなった。
「脱出方法は簡単だァ! ミーの出したお題をクリアすれば簡単に出られるぜぇ! Wow! ベリーイージー!」
ケラケラ笑うビリーに、何をすればいいか尋ねる君たち。
するとビリーは画面からフレームアウトした後、何かを小脇に抱えて戻ってきた。
「では発表するぜ! 本日のお題はこれだ! じゃ~じゃんっ!」
小脇に抱えていた色紙に書かれた文字を見た君たちは唖然とした。
『恐怖♪ ここにいる誰かとキスしないと出られない部屋☆』
ガイド概要♪
・大変☆ 夢魔のビリーのイタズラで、部屋の中の誰かとキスしないと部屋から出られないゾ!
・キスできないと、ビリーに生気を吸われちゃうんだって! コワイね☆
・キスできないと、自分の苦手なモノが部屋の中に突然現れて襲ってくるよ、ホラーだよぉ、マジ無理……。
・キスする体の箇所はどこでもOK☆ ん、手の甲希望? 何を言っているのかな?
・大丈夫? 焼きスルメのカオスシナリオだよ?(つまり色々と覚悟してね☆)
・ビックリ! キスする相手はGA以外では選択できないよ☆
・GA以外でのキスの承諾は必要ないから、攻めのアクションができるよ!!
・アドリブ度Cでも誰かにキスされるし、しちゃうんだよ、仕方がないね?
・えっ、「あいつとは絶対キスしたくない!」って? 前フリかな??
・でもこのシナリオは健★全だから行き過ぎた表現はメッだからね? ぷんすこっ!
・カップル以外でもGAはオッケーだよ~! 同性同士も◎! むしろ望むところだね!!
・勿論、非リア、ぼっちも歓迎! 出会いの場として有効利用してね♪
・ん? 『葉っぱ1枚あればいい』? なんのことかな? かな?
・言い忘れてたけど、キスされてもすぐに脱出できない(タイムラグ発生)からね?
・キスする相手がどうしてもいない? テオがいるじゃん♪(引っ掻くけど)
・夢オチだから怖くない ←合言葉
マスターより♪
……もういいっすよね、このキャラ?(鼻くそホジりながら)
ということで改めて。
ドーモ、らっかみPL=サン。焼きスルメです。
久々のシナリオガイドのリリースがこのザマである!
乾物がいない5ヶ月の間、カップルが何組も誕生したと耳にした。
だったらこのシナリオでイチャついてみろよぉ~!
恋人未満の友人関係でも許可するゥー!
けどストーカーや一方的な想いの押し付けは許可しないィィィーッ!
乾物の口から上白糖を吐かせるくらいの甘々アクションを待っているぜ!