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【4】罠
一方。
恵御納 夏朝
は、鎌倉の麻衣のアパートの傍にいた。
いや、正確には彼女の別人格『夏夜』と言うべきか。
「尚子ちゃんが加害者に会う前に、説得したいのだ……。間に合ってほしいのだ……」
猫鳴館で里美の話を聞いて、そう呟いたのは
後木 真央
だった。
誰も助けてくれなかった場所で傷ついて、誰も本当の意味で助けてくれなかったから、とうとう自分のために立ち上がった尚子に、真央は『あなたを助けたい人はいるよ』と伝えたかった。
けれど。
(真央ちゃんは、尚子ちゃんを止める言葉を持っていないのだ……)
そう、いったいどう言えば、そこまで思い詰めた尚子の心に響くのかが、真央にはわからなかった。
「修ちゃん……」
真央は、隣に立つ友人、
八神 修
を思わず見やった。
自分一人であれば、間に合わないかもしれない。止められないかもしれない。だが、彼ならば。
「更なる悲劇は生ませない。この俺が、させないよ」
彼女の視線を受け止め、修がうなずく。
「……僕も、手伝う」
その二人に、夏夜は夏朝のふりをして、申し出た。
中学の時のいじめ――それは、夏夜にとって他人事ではなく、だが、夏朝をいじめた者たちは最終的に自滅した。
麻衣についても、尚子が手を汚すほどの価値はないと、彼女は考えていた。そう、自滅がふさわしいと。
どうやれば自滅するだろうと考えた結果、彼女は麻衣に接触し、そのスマホを奪ってそこからいじめの物証を見つけ、ネットにばらまこうと計画した。
近年、いじめの加害者たちは、いじめの様子を動画や写真に収める傾向がある。また、仲間内でのいじめに関するやりとりのメールなどがあれば、それも充分証拠になるだろう。
そのためにまず、彼女は尚子と麻衣の外見を里美から聞いた。更に、麻衣のアパートや学校の住所、付近の地図など必要なものをそろえる。
麻衣のアパートや学校の住所については、里美が非公認オカルト研究会で依頼する前に尚子の家に行った際に、尚子の部屋から手に入れていたのでそれを教えてもらい、地図はネットで手に入れた。
そうして麻衣のアパートにやって来た彼女は、すっかり別人の姿だった。
頭には長い茶色の髪のウィッグをかぶり、その前髪で尚子と同じように半面を隠している。しかも、隠した側の半面には、暗がりで火傷の痕に見えるよう、メイクまで施してあった。
手には白い手袋をはめ、可愛い服装に身を包んでいる。おそらく、友人が見たとしても、夏朝だとわからないだろう恰好だ。
その姿で、アパートの近くの物陰に身を潜めている。
麻衣が帰って来たのは、予定より少し早く、七時半ごろだった。
乗っていた自転車から降りると、駐輪場に止めた。アパートの前と駐輪場には常夜灯があるので、その姿がよく見える。
夏夜は物陰から出ると、いかにも慌てた様子でそちらに駆け出した。
「あ、あの……助けて下さい!」
声をかけると、麻衣は驚いたようにふり返る。
「どうかしたんですか?」
尋ねる彼女に、夏夜は言う。
「このアパートに住んでいる友人に、旅行のお土産を渡そうと来る途中、男の人に声をかけられて、路地にひきずり込まれそうになって、逃げて来たんです」
「え? それって、ヤバイじゃないですか。……怪我とか、ないですか?」
声を上げ、駆け寄って来た麻衣に問われて、夏夜はかぶりをふる。
「怪我はありません。でも……怖くて……」
言いながら、彼女は背後を気にするそぶりを見せた。それに気づいてか、麻衣は軽く眉をひそめる。
「そいつ、追って来ているんですか?」
「途中までは、そんな気配があったんですが……」
問われて夏夜は、なおも暗闇の中を透かし見るそぶりをした。
遠目にその姿を見て、
風雲児 轟
は歯噛みした。
「くそっ……! 灯と赤羽は、失敗したのか……!」
低く呟き、立ち上がるとそちらに駆け出す。
彼も里美からの依頼を受けた者たちの一人だ。
尚子も麻衣も傷つかずに終わるように尽力したいと考えた彼は、人形を破壊しようと決めた。
同じ考えの斗南と勇樹に尚子の追跡を任せ、彼自身は二人が人形の破壊に失敗した時のために、麻衣のアパート近くに潜んでいたのだった。
斗南たちからはなんの連絡もないが、尚子がここにいるとなれば、二人は人形の破壊に失敗したのだろうと推測できる。
ちなみに、今の轟はろっこん『戦衣装着』で自作のヒーロー、ザ・ストレイトに変身していた。
だがその姿は、人気のない夜のアパートの傍で、常夜灯の光の中見れば、不審者と間違われてもしかたのないものだった。
そんなわけで。
「夏目さんから、離れろ!」
叫んで駆け寄り、夏夜との間に立ちはだかろうとする轟に、麻衣は悲鳴を上げた。
ちょうど、夏夜が彼女に近づく口実に不審者の話をしていたところでもある。
「あなた何よ?! この人を追って来たの? 変なことすると、警察呼ぶわよ!」
拳をふり上げつつ叫ぶ麻衣に、轟は慌てた。
「ち、ちょっと……ま、待て! 待ってくれ。俺は怪しいもんじゃねえ。ザ・ストレイトっていうヒーロー……いや、正義の味方だ。お前を守るために、来たんだ」
「私を……守るため?」
軽く両手を挙げて説明する彼に、麻衣はようやく話を聞く気になったようだ。
そこで彼は麻衣に、尚子が『黒い人形』を手に入れて復讐しようとしていること、自分はその人形を奪って破壊するために来たのだということを告げる。そして続けた。
「……お前は今、危ないとこだったんだぜ。そこにいるのが、森山さんだ」
「……まさか!」
驚いて麻衣は夏夜の方をふり返る。だが、夏夜は否定も肯定もしなかった。ただ黙って、そこに立っているだけだ。
その彼女に、轟が声をかける。
「森山さん、俺もできればお前とは戦いたくねえ。人形を渡して、復讐についても考え直しちゃくれないか」
夏夜は、突然出て来た轟に驚いたものの、彼が自分を尚子と勘違いしているのだと知って、彼を利用することにした。
「人形は捨てたわ。……自分だけの力で復讐したかったから。でも、それも今、あなたに邪魔されてしまった。だから……もういい」
尚子のふりをして、そう告げる。
「それは本当なのか? 人形は手元になくて、復讐もやめるんだな?」
「ええ」
念を押すように尋ねる轟に、夏夜はうなずいた。
それを見やって轟は、マスクの下で安堵の笑みを浮かべる。そして、麻衣をふり返った。
「夏目さん、今夜のことは、そもそもはお前のやった非道が原因だ。せめて森山さんに謝っちゃくれねえか」
「……なんで私が謝らなきゃいけないのよ。そもそもあれは、『事故』よ。私のものを盗んだ尚子に、ちょっとばっかりお灸を据えてたら、手がすべってあんなことになったのよ。だいたい、火傷だって、尚子が暴れなきゃ、ちっとばっかし髪が焼ける程度で済んだのに。ぜ~んぶ悪いのは尚子よ。私は悪くないわ」
轟の言葉に、しばしむっつりと黙りこくったあと、麻衣の口から飛び出したのは、そんな言葉だった。
(……やっぱり、本性はこんなものだね)
胸に呟き、だがそれが命取りだと夏夜は内心にほくそ笑む。
轟が麻衣に謝罪を求めた直後、彼女はスマホの録音ボタンをONにしていた。
そんなことなど思いもしない麻衣は、更に嘲笑と共に叫び続ける。
「そもそもの初めから、尚子は泥棒だったのよ! 私のカレを盗って、涼しい顔して。だから、仲のいい子たちと一緒にシカトしてやったわ。そしたらみんなも面白がって、靴とか教科書を隠したり、カバンに泥を詰めたり……。いろいろやったわね。その最後の総仕上げが、あの『事故』よ。まあでも、いいじゃない? あれであの子、整形する理由ができたんだもの」
「お前、本気で言ってんのか? 森山さんはそれで、すっかり引きこもりになって、お前に復讐しようって考えるほど恨んでるんだぜ」
轟が、信じられないとばかりに言った。
麻衣はそれも、鼻で笑い飛ばす。
「復讐ねぇ? そんなお人形さん一つで、何ができるっていうの? 私に、呪いでもかけるって? バッカじゃないの? 呪いとか不思議な力とか、そんなのあるわけないじゃない。あの子、とうとう頭までおかしくなったんだ」
ケラケラと侮蔑の意志も明らかに笑いころげたあと。彼女はふいに笑い止んで、鋭い目で轟を見返した。
「そんな下らない話は、うんざりよ。あなたも、もう帰ってちょうだい。帰らないなら、警察呼ぶわよ」
「なっ……!」
二の句の告げない轟を尻目に、麻衣はそのまま踵を返す。
それを見やって、夏夜もこれが潮時だと察した。そのまま、音もなく後退すると建物の影に身を潜めた。そして、たった今録音したものを、ネット上へと拡散すると静かにそこから立ち去った。
一方、轟の方はアパートの中に入って行く麻衣を呼び止めるすべもないままに、ただ見送るばかりだった。
そのころ。
エレノア・エインズワース
は、自宅にやって来た里美を笑顔で出迎えていた。
彼女が里美の依頼を知ったのは、
御剣 刀
からの電話でだった。
刀は刀で、里美の依頼を聞いてエレノアの好きそうな話だと考え、何か知っているかもしれないと連絡をよこしたのだ。
だが、エレノアが知っているのは、あくまで噂で言われていることだけだったので、刀にはそう返し、そのあとあることを思いついて里美に会うべく猫鳴館に向かった。
「私は、貴女の依頼を受けた御剣さんの知人で、寝子高一年の
エレノア・エインズワース
です。これまで、『黒い人形』について独自に調べて来ました」
彼女は里美に会うと言って、つと折りたたんだメモをその手に押し込む。
そこには、こんなことが書かれていた。
『私の調査では、前の人形の持ち主が復讐を教唆した黒幕の可能性があります。前の持ち主は寝子高生なので「私が貴女に教えた」ことは貴女以外には知られたくなく、誰かに聞かれては困るので、紙に書きました。調査資料を渡したいので、私の家に一人で来てくれませんか? 森山さんの説得に使えるかもしれませんし、近くですからこのあとすぐにでも』
そして、エレノアの自宅の住所と簡単な地図が余白に書き込まれている。
里美はそれを読んで、エレノアの家へとやって来たのだった。
「ここへ来ることを、誰かに話しましたか?」
中へと案内しながら、エレノアは問う。
「いいえ。……メモの内容から、人には話さない方がいいと思ったので、誰にも言っていないわ」
かぶりをふって返す里美に、「そうですか。よかった」とうなずき、エレノアは入口に背を向ける形で据えられたソファを示す。
「座っていて下さい。今、資料を持って来ます」
「ええ」
里美はうなずくと、ソファに腰を下ろす。
それを見届け、エレノアは一度は部屋の外に出た。そして、ドアの影に隠してあったバットと丸めたビニール紐を手にして、忍び足で室内へと戻る。
ソファの真後ろに歩み寄ると、彼女はバットをふり上げ、里美を殴りつけた。
「……!」
里美はそのまま、声も立てずに昏倒する。
「……少しは警戒するかと思ったのに、案外簡単でしたね」
それを見降ろして呟くと、エレノアは意識を失った里美の体を持って来たビニール紐で後手に縛り上げる。もちろん、逃げられては困るので、両足も縛って拘束し、床にころがした。
自分は向かいの椅子に腰を下ろすと、小さく吐息をつく。
別に、里美に何か恨みがあるわけではない。彼女の目的は、尚子にプレッシャーをかけることだった。
刀から電話で里美の依頼を知らされて、彼女が考えたのは、『黒い人形』の持ち主に更にプレッシャーをかけたら、人形に与えられたろっこんはどうなるのか、ということだった。
(早川さんは、森山さんの従姉で唯一心を許した相手――ということでしたよね。ならば、彼女が危害を加えられるかもしれないという想像は、充分プレッシャーになり得ますね)
ふとそんなことを思いつき、では実験してみようと、即座に計画を立てて実行に移したというわけだ。
しばし見守っていると、里美が小さく呻いて目を開けた。自分が縛られていることに気づいて目を見張り、もがく。
「エレノアさん? これ……あなたがやったの? いったい、どういうこと?」
助ける素振りもなく、こちらを見やっているエレノアに、思わず声をかけた。
それへエレノアは、小さく笑って答える。
「貴女には、森山さんにプレッシャーをかけるための、人質になってもらいます」
「人質ですって?」
事情が飲み込めない里美は、思わず問い返したが、エレノアは彼女が理解できるように説明する気は毛頭なかった。
「この事態を招いたのは、貴女の無理解と怠慢のせいです。だから私は悪くない」
そう言い放つとエレノアは、テーブルの上にスマホを置き、刀からの連絡を待つ体勢に入った。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月26日
参加申し込みの期限
2015年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月03日 11時00分
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