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黒い人形
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【2】ヒーローズ
鎌倉駅を出た尚子たち四人は、そこから徒歩で麻衣の住むアパートに向かっていた。
ちなみに、アパートは駅から徒歩十五分ほどだ。麻衣はこの日、部活のために八時を過ぎなければ戻らないとの情報を、倫理子がもたらしていた。
麻衣が戻るまでにはまだ、充分に時間がある。徒歩でアパートに向かい、彼女を待ち伏せるのは余裕だった。
彼らは大通りからもはずれた、人気のない通りを歩く。すでに日が落ちて、点々と灯る街灯だけが足元を照らす頼りだった。
と、その時。
四人の背後から、突然犬の吠える声が響いた。
「な、何?」
驚いてふり返る尚子に向かって、柴犬が走って来る。そのあとから来たスクーターが、彼女の傍で急停止した。
「お前、森川ちゃんだろ?」
スクーターから降りて来た
兵藤 雅也
が尋ねる。
「私は――」
尚子が言いかけるより早く。
「まったく、何度教えたらわかるのよ。彼女の名前は、森川じゃなく森山。間違えるなんて、失礼でしょ!」
ぬっと物陰から現れたいかつい男、
尾鎌 蛇那伊
が、雅也を咎めた。
「お、おう! そいつは悪かった。……じゃあ、改めて、森川ちゃん、俺と腹を割って話そうぜ!」
雅也は謝って言うものの、やっぱり名前は間違ったままだ。
「だから~」
蛇那伊が大げさにかぶりをふって、更に何か言おうとした。
そこに更にもう一人。
「ったく、いつまでコント続けるつもりだ?」
「……僕たちの目的は、人形の破壊のはずだ」
二人のやりとりに呆れたように、
赤羽 勇樹
が言えば、あとから現れた
灯 斗南
も小さく肩をすくめて言う。
「言っとくけどな、俺の目的は人形より、森川ちゃんの復讐を止めることだぜ。……だいたいお前ら、俺がイチのあとを追うのに、便乗しただけじゃねぇか」
それへ雅也が小さく口を尖らせて返す。
そうなのだった。雅也は、猫鳴館で里美から話を聞いて、尚子のあとを追い、復讐をやめさせようと心に決めた。だから、里美に問うたのだ。
「早川ちゃん、その森川ちゃんだかの匂いのしみついたブツ、何か持ってねえか? それさえありゃ、俺のダチ公が嗅ぎつけれるかもしんねぇんだ」
ちなみに、彼の言う『ダチ公』とは愛犬の柴犬・イチのことだ。
里美はちょうど、尚子のハンカチを持っており、彼はそれを預かった。
そのあと彼はイチを連れてスクーターで鎌倉駅まで来ると、そこからハンカチの匂いを嗅がせてイチに尚子のあとを追わせたのだった。
蛇那伊と勇樹、斗南の三人は、その彼と鎌倉駅で一緒になって、あとを追って来たというわけだ。
もっとも、勇樹はねこったー経由で尚子の件を知り、先輩である斗南やもう一人、現在は別行動中の
風雲児 轟
らと連絡を取ることで鎌倉駅にたどり着いたのだったけれど。
「あなたたち、まさか……里美さんに頼まれた人たちなの?」
彼らのやりとりに、尚子が叫ぶ。
「頼まれたっていうより、話を聞いてたまらなくなったってのが、正解だぜ」
言って、雅也はスクーターを置いてそちらに歩み寄った。
「つれぇよな。誰も助けてくれないってのはよ。そんな思いしちまうと、どいつもこいつもみんな敵に見えちまうよな。でも俺は――」
「来ないで!」
言いかける彼に、尚子は悲鳴のような声を上げる。その彼女をかばうように、明日斗が雅也の前に立ちふさがった。
「兵藤はともかく、僕たちの目的は、彼女の復讐を止めることじゃない」
その明日斗に声をかけたのは、斗南だ。
「『黒い人形』は、”フツウ”を壊しかねないシロモノだ。だから、破壊する。だが、僕たち――いや、僕は、人形を破壊できればそれでいいんだ。だいたい、人形に心を狂わされての復讐なんて、復讐のうちに入らないと思わないか? 正気でやってこそ復讐心は満たされるはずだ。だから、取引をしよう。人形を壊させてくれれば、復讐の邪魔はしない」
「な……!」
尚子が低い声を上げたのとほぼ同時に。
「勝手なことを言わないで」
燃えるような目で斗南を見据えて、低い声で言ったのは倫理子だった。
「人形の力なしで、私たち『ひと』が、どうやって復讐を成しえると言うの? そもそも、”フツウ”って何。抵抗する力もない女が、よってたかって踏みつけにされて、抗議すらできないのが”フツウ”なの? だったらそんな”フツウ”は壊されて当然だわ」
「その口ぶり、君もイジメの被害者なの?」
眉をひそめて蛇那伊が問う。
「そうよ」
うなずいて、倫理子はショルダーバッグから偽物の『黒い人形』を取り出した。
「私も、人形を持っているわ。私も、夏目 麻衣に恨みを持っているのよ。そして、この人形の力で得たろっこんを使って、彼女に復讐するつもりよ」
彼女の発言に、その場の人間全てが驚きの声を上げる。
(人形は、一つじゃなかったのかい?)
さっきから、黙って成り行きを見守っていた瓢も、内心に呟いて、改めて倫理子を見やった。
(……それともこれは、攪乱戦術ってやつかねぇ? だとしたら、目的は――人形の方、だねぇ)
さっきからの彼女の言動を反芻して、彼はそう推測する。
一方、驚きが去ると、勇樹は言った。
「俺には、二人の気持ちがよくわかる。俺も昔、あることで誹謗中傷を受けることがあって、今でもその時のことを思い出すと憎しみがこみ上げて来るからな。それでも、賛同はできない。復讐は……『正義』が行うことではないからな。俺は、いつだって、正義のために動く。それが俺の信条だ」
「他人を踏みつけにしたような人間を守ることが、正義だというの?」
倫理子が、鋭く問い返す。
「いや。俺は、麻衣さんを守るつもりはない。――今はただ、俺自身の正義で動くだけだ。だから、人形を破壊する」
静かにかぶりをふって、きっぱりと勇樹は言った。
「あなたの正義……結局それは、あなたの独断ってことよね」
尚子が、ふいにぼそりと言って顔を上げる。
「ならば、私にとっては復讐することこそが正義よ。あなたの正義なんて、糞食らえだわ」
その表情に何を見たのか。瓢と明日斗はとっさに彼女から飛び離れた。
それとほとんど同時に。
「消えろ」
尚子の口から低い呟きが放たれ、あたりに見えない風の刃が舞った。
彼女のろっこん『かまいたち』だ。
だが、勇樹と雅也はあえてそれをよけようとはせず、そのまま立ち尽くしていた。おかげで、一瞬の嵐が去ったあと、二人はどちらも傷だらけになっていた。
「なぜ、よけないの?」
さすがに尚子は、驚いて目を見張る。
その彼女に、雅也が痛みに顔をしかめながらも、歩み寄った。
「誰も味方がいねえのは辛いよな。一人ぼっちは辛いよな。……耳の穴かっぽじってよく聞けよ、森川ちゃん。お前が俺にどんな真似しようがかまわねえ。こんなちっちゃな体でよけりゃ、何度でも受け止めてやる。それに俺みたいな悪ガキでよけりゃ、マブダチになってやるから。だから、もうやめとけ」
「な、何を……」
血を流し、痛みに顔をしかめながらも口元に笑みを浮かべて近づいて来る雅也を、尚子は怯えたように見やって、後ずさる。
と。
「はい、そこまで」
声と共についと二人の間に割り込んだのは、明日斗だった。
「そういう、一昔前の青春ドラマみたいなの、やめてくれないかなぁ。そんなのでやめられるぐらいなら、最初から復讐なんて考えないと思うよ?」
言って彼は、尚子をふり返る。
「ここは僕に任せて、尚子君は目的地へ向かうといいよ。もちろん、僕もすぐに追いかけるから。――瓢君、護衛は任せたよ」
「了解だよぃ」
本当は、尚子がここで彼らと戦って潰されれば都合がいいと考えていた瓢だが、とりあえず今のところは流れに任せてみようとうなずき、尚子を促した。
一方、さっきはとっさに地面に身を伏せて事なきを得た倫理子は、それを見やって、改めて斗南たち四人に人形を掲げて声を張る。
「あなたたち、人形を破壊したいなら、力づくでやるがいいわ。私も、復讐はやめないから」
叫んで、すぐ傍の路地へと飛び込んだ。
それを見やって、蛇那伊が小さく舌打ちすると、斗南、勇樹、雅也の三人をふり返る。
「あたしは、あっちを追うわ。そっちは、任せたわよ!」
叫ぶなり、彼らの返事も待たずに倫理子を追って、駆け出して行った。
残りの三人を見やって、明日斗は口元をゆがめる。
「……尚子君の復讐を邪魔するんだ、覚悟は出来てるよね?」
「大きな口を叩く。そっちこそ、僕と取引しておけばよかったと、あとで後悔しても遅いぞ」
斗南が肩をすくめて返すと、内ポケットから取り出した白い仮面を装着する。
「何その仮面。そっちの彼と同じく、正義のヒーローのつもりなのかなぁ?」
くすくすと笑う明日斗に、「なんとでも言ってろ」と返して、斗南は掲げた手のひらに炎を呼び出す。これが彼のろっこん『イグニッションハート』だ。
彼はそれを、明日斗に向かって投げつけた。
それが、戦闘開始の合図だった。勇樹もまた、尚子から受けた傷から滴る血を、明日斗に向かってふり撒いた。
「正義執行」
低く言って彼が十字を切ると、血のついた場所が炎を吹き上げ、燃え出す。
「うわっちち……!」
斗南の攻撃はかわしたものの、突然、勇樹の血を受けた衣類や髪が燃え出して、さすがに明日斗は声を上げた。だがすぐさま上着を脱ぎ捨て、髪の炎は素手で握りつぶしてにやりと笑う。
「多少はやるようだねぇ。なら、ますます容赦しないよ」
言うなり彼は、三人の方へと突進して行く。いわゆる徒手空拳の攻撃だが、鋏やハンマーを隠し持っている上、彼のろっこん『狂神のオーラ』は誰かに負傷させられることで発動する無自覚なもので、しかも相手の恐怖心を煽る効果を持っているので、なんとも始末が悪い。
「……なんでだ。足がすくんで、動けねえ」
そのろっこんの影響を受けて、雅也は思わず唇を噛んだ。だが。
「けど、負けるもんか。俺も、戦うぜ!」
必死に恐怖を退け、彼は明日斗に向かって行く。斗南も、勇樹も、言葉には出さないが、気持ちは彼と同じだった。
夜の闇の中で、ただ戦いは続いていた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月26日
参加申し込みの期限
2015年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月03日 11時00分
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