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黒い人形
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【エピローグ】
数日後。
麻衣は高校を休学し、アパートも引き払って鎌倉から姿を消した。
その原因はむろん、夏朝が録音してネットに流した例の暴言のせいである。
もっとも、当人は反省していないらしく、ねこったーで「私は悪くない」と呟き続けていた。ただそれは、火に油を注ぐ役にしか立っておらず、ユーザーの多くから叩かれている状態だったけれど。
また、尚子と麻衣が通っていた中学の校長や当時の担任教師らも、窮地に立たされていた。
これは、仄の仕業だった。
彼女は里美から入手した尚子の写真を手に、この学校の教師や尚子らの同級生に接触し、写真を見せてろっこん『オレンジ』で罪悪感を覚えさせ、当時の話を聞いた。
彼女のろっこんは、自分が思い浮かべた記憶や感情を相手にも思い出させることができるのだ。
おかげで彼女がインタビューした相手は皆、当時の話を、隠ぺいされた事実も含めて語ってくれた。
仄はそれをレコーダーに録音した。
本来の目的は、尚子と取引するためだったのだが――用なしになったところで、彼女はそれをコピーして匿名で新聞社やテレビ局に送り付けた。
おかげでマスコミは当分、彼らを吊るし上げ続けるつもりのようだった。
一方、尚子は入院中だった。
あのあと、迎えに来た里美と共に自宅に帰った彼女だが、林檎の癒しを受けてもなお衰弱がひどかったため、翌日に入院することになったのだ。
「尚子ちゃんが、麻衣ちゃんを殺したりしなくてよかったのだ。……元気になったら、本当に寝子高に入学してほしいのだ。猫鳴館寮生になったら、真央ちゃんは絶対友達になるのだ」
「あん時の言葉は、嘘じゃねえ。俺はもう、お前のダチだぜ」
それぞれ面会にやって来た真央と雅也が、そんなふうに声をかけたが、尚子は無反応だった。
なお、明日斗とのデートについては、面会に来た彼の方から「復讐を遂げさせてあげられなかったから」と報酬は不要だとの申し出があった。対して尚子は。
「助けてくれたことに変わりはないから……いつか、元気になったら、報酬はお支払いします」
長い沈黙のあと、そう返したのだった。
そんな中、非公認オカルト研究会を訪れた里美は、自分の頼みに動いてくれた面々に礼を言ったあと、尚子の今後について語った。
それによれば、尚子は退院したら、高卒認定試験を受けるための勉強を始めるという。学校に対する恐怖感や不信感が拭えない彼女は、試験に合格したら就職するつもりなのだ。そして、金をためて、いずれは顔を治したいと言っているという。
「鎌倉でも言ったが、高額医療費申請制度を使えば、さほど出費することなく皮膚移植ができるはずだ」
それを聞いて修が言った。
対して里美は、自分もそれについて調べて、尚子に助言してみたのだと告げる。だが、尚子はどっちにしても親に迷惑をかけるから、そういうのは使いたくないと答えたのだそうだ。
「あの子の中には、いじめられたことへの、罪悪感みたいなものが、あるらしいの」
言って里美は、吐息をついた。
「人形がなくなって、あの子……まるで魂まで抜けたかのようよ」
「でも、そうやって先のことを考えられるようになったんだから、もう大丈夫なんじゃないかしら」
アリーセが言えば、切奈もうなずいて言う。
「そうなのです~。前はずっと引きこもって、復讐することしか考えていなかったわけですから、それは進歩なのです~」
「それは、そうだけど……」
心配そうな里美の肩を軽くたたいて、六花が発破をかけるように言う。
「そんな不安そうで、どうするんだ? まず、お前さんがしっかりして、森山を支えやらないと。あっちは、お前さんを一番頼りにしてるんじゃないのか」
「そうね。……ありがとう」
里美はうなずき、改めて一同に礼を言うと、そこを立ち去って行った。
一方。
猫鳴館の瓢の部屋には、楓が訪れていた。
というのも彼は、瓢が素早く人形をすり替えたことに、気づいていたのだった。
それについて告げたあと、楓は瓢に了承を得て、人形から得られるろっこんを試してみるべく、それを手にした。
両手で持って、じっと見つめていると、胸の内からどす黒い感情がまるで泡のように湧き上がって来る。
「……くだらねぇ! くだらねぇな! 対価もなく他者から与えられたものが! 自分の力に! なって、たまるかァァァ! 俺は人間だ! ひとで、充分だ!」
その感情に突き動かされるかのように、彼は人形を握りしめ、叫んだ。
等価交換、ギブアンドテイク、タダより高いものはない――それらは、彼が常々、己の行動規範としている言葉だが、そこからもわかるとおり、彼がもれいびにならないのは、対価なしで与えられる能力への、嫌悪ゆえだったろう。
叫ぶ彼の視線がふいと、テーブルの上にあるコップに向いた。中には半分ほどジュースが残っている。
「火だ!」
胸の内に湧き上がって来たワードを叫ぶ。
途端、コップの中のジュースが炎に変わり、コップはその熱に当たって割れた。
同時に炎は消え、割れたコップの周辺にはジュースが水たまりを作っているばかりとなる。
「これが、俺の能力だと? 上等じゃねえか」
皮肉な笑いと共に呟くと、彼は割れたコップの傍にあったジュースのペットボトルを取り上げた。中身を、人形に浴びせる。
「ちょ……! 何をする気だい?!」
瓢が、思わず慌てた声を出す。
だが、楓はその問いに耳を貸すつもりはないようだ。
「こんなもんのせいで間違いが起こるなら、お前が食らえ!」
怒鳴るなり彼は、ジュースを浴びた人形を見据えて「火だ!」と叫ぶ。
たちまち、人形にかかったジュースが炎と化した。コップを割ったのと同じ高熱が、またたく間に人形を溶かし、焼いて行く。
「じ、冗談じゃないよぃ! ようやく手にいれたものを……!」
瓢が近くにあった座布団で叩いて、火を消そうとするものの、ろっこんによるそれは消える気配もない。
火が消えたのは、人形が黒焦げの炭の塊と化したあとのことだった。
「ああ……。あっしのせっかくの苦労が……」
それを見やって、瓢が情けない声を出す。
楓も固い表情で人形のなれの果てを見下ろしていたが、ついと視線をそらして踵を返した。
「謝罪はしねえ。こんなもん、破壊して正解だぜ。……もっと早くに誰かがこうしていたら、今回の騒ぎも、起らなかったんだ」
言って彼は、そのまま部屋を出て行く。
あとに残された瓢は、深い溜息と共に炭の塊を見つめていたが、やがて小さく肩をすくめた。
「ま、壊れたものはしかたがないねぇ……。ただ、黒依はんらの調査では、『黒い人形』と称するものは、いくつもあるらしいと言うし、案外、同じような『本物』が埋もれている可能性もあるよぃ。そいつを探して手に入れるのも、一興だねぇ……」
クスクスと笑って呟き、彼は何事かを思案する様子だった。
ともあれ、こうして『黒い人形』とそれを手にした少女にまつわる一件は、幕を閉じたのだった――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
マスターの織人文です。
参加いただき、ありがとうございました。
ガイド同様、リアクションも全体にダークでシリアスといった雰囲気を目指しました。
そのため、明るく真っ直ぐな気性のPCさんや、ポジティブ系のアクションをされたPCさんは、いささか割りを食った形になってしまった感があります。
あと、具体的にセリフや、どういう行動を取るかを細かく書いて下さったPCさんの方が、行動的になっているかもしれません。
このあたりは、私の想像力のなさと言われてもしかたがありませんが……このシナリオに限らず、漠然としたアクションはどうしても形にしづらい傾向があります。
なので、できるだけ具体的に書いていただく方が、リアクションには反映されやすいのではないかと、今回改めて思いました。
それにしても、今回はいつも以上に文字数との戦いで、まとめるのが難しかったです。
とはいえ、考えるのは楽しかったので、これからも、シリアス系・ダーク系のシナリオは出して行きたいなと考えています。
それでは、少しでも楽しんでいただければ、幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月26日
参加申し込みの期限
2015年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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