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黒い人形
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【6】説得
そのころ。
麻衣のアパートの前には、常夜灯の光を避けるように佇む、四人の人影があった。
夏朝から麻衣を自滅させたと連絡を受けてやって来た
後木 真央
と
八神 修
、その二人から自分が尚子だと思ったのが夏朝だったと聞いて共にここに戻った轟、麻衣をガードしようとやって来た
夜海霧 楓
だ。
「……まさか、俺が森山さんだと思っていたのが、恵御納だったとはな……」
しんと静まり返ったあたりに目をやりながら、轟が呟く。
「夏朝ちゃんは、尚子ちゃんが手を汚すような価値はないって、麻衣ちゃんを自滅させる方法を考えたのだ……」
珍しく、沈んだ様子でうなずいて、真央が言った。
むろん、真央と修も他の者たち同様、寝子電で鎌倉へと向かい、駅からはタクシーでこの近くまで来た。斗南たちが尚子を追いかけ、人形を奪うつもりなのも知っていたから、それが失敗した時のことも考え、少し離れた場所にある公園に潜んで待機していたのだ。もしも、尚子が通りかかったら、アパートに行くのを止めるつもりだった。
一方楓は、寝子島で起こる超常現象を調べるついでに今回の件にも首を突っ込んだのだが――依頼を受けたからには、止めるしかないと、尚子のターゲットである麻衣の元へとやって来たのだった。アパートにたどり着いたのが今なのは、途中、麻衣のことを――どういう人物なのかとか、現在の生活のことなどを、調べていたせいだった。
もっとも、過去のいじめ事件については、アリーセからメールが来たので、さほど調べる必要はなかったけれど。
四人が見守る中、アパートはしんと静まり返っている。麻衣の部屋は二階の端だったが、明かりはついているものの、窓に人影はない。他の部屋はどれも暗く、人の気配はなかった。
「このアパートの住人のほとんどは、一人ぐらしの社会人らしい」
アパートを見上げる楓に言ったのは、修だった。
「皆、帰宅は遅く、深夜にならないと戻らない者も多いようだ」
「事細かに調べたみたいじゃねえか」
楓は、軽く鼻をしわめて返す。
「夏目がなぜ一人ぐらしをしているのか、気になったものでね」
修は言って、小さく肩をすくめた。
公園で待機している間に彼は、麻衣の実家に元クラスメートを騙って電話をかけてみたのだ。一人ぐらしは、過去のいじめへの罪悪感からかと思ったのだが、実際にはそうではなかった。今通っている高校が、このアパートからの方が近いことが主な理由だったが、本当のところは、ただ彼女が親元を離れてハメをはずしたかったというだけのようだ。
が、そのついでに、このアパートについても調べた結果、さっき言ったようなことがわかったのだった。
その時、遠くの方で車の止まる音がした。タクシーだろうか、誰かを下ろして、再び発進して行く。
ほどなく、アリーセと美桜、切奈の三人が姿を現した。
「アリーセちゃんたちも、来たのだ?」
友人たちの姿に、真央がようやく少し元気な顔を見せる。
「ええ。……森山さんと話したいと思って。それに、鬼久保さんが、『黒い人形』に詳しい人と会う約束をしたから、途中、そっちにも寄って来たの」
うなずいて言うと、アリーセは美桜をふり返った。
「いろいろ、話を聞いたよ。……『黒い人形』のこと……」
言って美桜は、自分が聞いた話をかいつまんで語る。
それによれば、人形の噂はすでに明治のころからあって、どこでどんな経緯で作られたものかは判然としないが、持ち主を転々としていることだけは、たしかだという。人形を手にした者の周辺では、常に不幸な事件や事故が相次ぎ、最後には持ち主自身も死んで、人形はまた別人の手に渡って行くといった具合だ。
「……オークションに出した人は、それを知っていて……目的だけ果たして……自分が無事なうちに、人手に渡したのかもしれないって……」
最後にそう告げて、美桜は話を終えた。
それを聞いて、その場の全員が顔を見合わせる。
「それってつまり……」
「森山の身にも、同じことが起こり得るということだな」
轟の呟きに、うなずいて修が言った。
「私の調べでは、森山さんはクラス全体からいじめられてたようなので~、復讐心がエスカレートした場合、被害はかつてのクラスメート全員に及ぶかもなのです~」
軽く眉をひそめて、切奈が言う。
「それ……絶対止めないとだめなのだ!」
真央が、青ざめて叫んだ。
その時、アパートに近づいて来る足音と、ラジオのノイズのような音が聞こえて来た。
その場の全員が、その音のする方をふり返る。
やって来たのは尚子だったが、その姿は夜目にもはっきりとわかるほど、異様だった。
その顔は土気色で、頬はげっそりとこけている。なのに、落ちくぼんだ目だけが熱を帯びて爛々と輝いているのだ。腕にはしっかりと『黒い人形』を抱きしめ、ひっきりなしにブツブツと何事かを呟き続けている。ラジオのノイズのように聞こえたのは、その声だったのだ。
彼女のあとからは、少し離れて明日斗と瓢、倫理子の三人がついて来ている。
やがて彼らは、アパートの前で立ち止まった。
(おやおや、これは。……早川はんの依頼を受けた面々が勢ぞろいってところかい? 今の森山はんに対しては、腕力やろっこんで止めるにせよ、説得するにせよ、無駄だと思うけどねぇ……)
アパート前の七人の姿に気づいて、瓢は内心にせせら笑う。むろん、七人の姿には、明日斗も倫理子も気づいていた。
「懲りない奴らだなぁ……。ま、僕がちゃちゃっとかたずけるけどねぇ」
口元をゆがめて言う明日斗に、倫理子はあたりを見回したあと、アパートの二階を見やって眉をひそめる。
「部屋に明かりがついてるわ。夏目さん、もう戻って来ているんじゃない?」
「待ち伏せは失敗かぁ。……でも、部屋にいるならいるで、やりようはあるね。尚子君が正面から、僕が窓から突撃して、挟み撃ちにするとかね」
言われて同じように二階を見上げて返すと、明日斗は小さく肩をゆらして笑った。そして、改めて視線を目の前の七人に移す。
「その前に、邪魔者をかたずけようか」
低く言って、暗器の鋏とハンマーに手をかけた。
そんな彼らに、戦う意志はないと示すようにアリーセが軽く両手を挙げてみせると、その場に佇んだまま、尚子を見やって口を開いた。
「母の受け売りなので、聞き流していただいてもかまいませんが……。復讐は心の靄を晴らす手段。成せば心が整理され、自分を良く見ることができるでしょう。心の中で座り込んで、血に染まる手を見つめるあなたは、怖くて震えているでしょうか? それとも、醜く笑っているでしょうか? どう見えても見えるだけ……赤く疼く傷が、良く見えるだけ。心に負った傷を癒すには、それに見合った量のやすらぎが必要です。あなたを気にかけてくれる人はいませんか? あなたの話を聞いてくれる人はいませんか? その方たちから何をもらっているのか、それを自分で捨ててしまおうとしていないか? もう一度考えて、それから決めるべきですね」
尚子は、うっそりと顔を上げて、アリーセを見やった。だが、その表情に変化はなく、彼女の言葉が心に届いたとも思えない。
だが、言葉そのものは聞こえているようだ。
そのことに勢いを得て、修もアリーセの横に並ぶように前に出ると、口を開いた。
「たしかに、ろっこんで行った犯罪は立証できないから、君も法では裁かれない。だが、夏目の命を誰が奪ったかを、君自身は知っている。この先ずっと、これまで以上に重いものを背負い続けて行くつもりか? 過去は消せないが、体の傷は消せるんだ。太ももなど、自分の体の皮膚を移植する方法がある。高額医療費申請を行えば、金銭的負担もずいぶんと少なくなるはずだ。もしそのつもりなら、俺が医者を紹介してやるよ。だから……前髪を上げて町を歩こう。俺たちと一緒に、高校に通おう」
「そうなのだ」
真央も、大きくうなずいて言う。
「尚子ちゃん、寝子高に入って、猫鳴館寮生にならないかなぁなのだ? 猫鳴館なら、きっと尚子ちゃんの味方になるのだ」
「月並みだが、君が幸せになることが、夏目に対する一番の復讐なんだ。――俺たちと共に、寝子高で幸せになろう」
修がそう続けた。
尚子はそんな彼らの言葉を聞いてはいるようだが、ただじっと見据えるばかりで、なんの反応も示さない。
一方、楓と轟は三人が話している間に、匍匐前進で尚子に近づいていた。
ある程度まで近づくと、二人は顔を見合わせうなずき合う。轟が彼女の後ろに回り、すぐ傍に来たところで一気に跳ね起き、彼女を羽交い絞めにする。それを合図に、楓もまた跳ね起きると、彼女の手から人形を力任せに奪い取ろうとした。
「森山さん!」
「尚子君!」
倫理子と明日斗が、思わず声を上げる。
それとほぼ同時に。
「消えろ!」
尚子の口から、獣のような叫びがほとばしった。
「うわっ!」
「わあっ!」
『かまいたち』に襲われ、轟と楓はそれぞれ声を上げて飛び離れる。轟は背中を、楓は両腕をすっぱりと切り裂かれていた。
悶絶する二人に、修たち五人が慌てて駆け寄る。
それを尻目に、明日斗が鋏とハンマーを手に尚子に駆け寄った。
「尚子君、どうやら麻衣君は部屋に戻っているようだよ。今のうちに、行って二人でやっつけて来よう。僕は、窓から行って、一応逃げないようにハンマーで指と足の骨を折っておくから、尚子君は入口から来ればいいよ」
笑顔で言うと、明日斗はどこからともなく取り出したロープを頼りに、二階の窓めがけて登り始める。
それを見やって、尚子は歩き出した。
しかしふいに。その膝がガクリと崩れる。そのまま彼女は、まるで糸の切れたあやつり人形のように、その場に倒れ伏した。
「森山はん!」
それへ、叫んで駆け寄ったのは、一番近くにいた瓢だった。
「森山さん!」
倫理子も驚いて駆け寄って来るが、まだ遠い。
(チャンス到来だよぃ)
それを見定め、胸の内に呟いて、瓢は素早く懐から取り出した偽の人形と本物をすり変えた。そして、手にした偽物を高々と掲げる。
「人形はこれこのとおり、あっしが取り上げたよぃ」
「瓢ちゃん、尚子ちゃんの味方じゃなかったのだ?」
真央が目を丸くして問うのへ、瓢は笑ってみせる。
「さて、どうだかねぇ」
「味方のふりをして、人形を奪う隙を計っていた――というわけか。まあいい、それは俺が分解する」
言って修はそちらに歩み寄ると、精神を集中して息を止め、人形に触れた。たちまち彼のろっこん『分解』が発動し、人形はバラバラになる。
「な……!」
思わず息を飲んだのは、倫理子だ。彼女はそのまま、その場に崩れ落ちるように膝をつく。
「もしかして、葉利沢はんは、人形がほしかったのかい?」
瓢が尋ねた。
「……そうよ。森山さんの復讐を成功させて、そのあと、人形を譲ってもらおうと思っていたわ」
地面に膝をつき、うなだれたまま倫理子が答える。
「……何があったかわからないけど、人形に頼るのは、よくない……」
歩み寄って来た美桜が、ポツリと言った。
「そうなのです~。復讐なんて不毛なことするよりも、お腹一杯になったり、大事な存在と一緒にいることの方が、きっと幸せで大切なことなのです~」
切奈もその隣にならび、うんうんとうなずく。
だが、倫理子は顔を上げるなり、二人を怒りのこもった目で睨み据えて言った。
「……あなたたちには、わからないのよ。たとえわが身が滅んでも、許せない相手を滅ぼさなければ、救われない者がいるんだってことが!」
その頑なな姿に、美桜と切奈は困ったように顔を見合わせる。
そこへ、六花と林檎、仄、刀、蛇那伊の五人が姿を現した。
暴走した尚子の『かまいたち』になぎ払われたものの、林檎がろっこん『オモルの腕』で傷を癒し、五人であとを追って来たのだった。
「森山!」
地面に倒れている尚子に気づいて、林檎が駆け寄る。彼女はさっそく、ポシェットから取り出した裂きイカを口にくわえると『オモルの腕』を発動させ、尚子を癒し始めた。
それを見やって、修が問われるままに、六花たちに全てが終わったことを話した。
話を聞いて、刀はエレノアに電話を入れる。
事情を話して言った。
「――森山を、早川先輩に迎えに来てもらった方が、いいと思う」
『わかりました。……彼女は離してやります。大丈夫ですよ、そんなに痛めつけてはいませんから』
電話の向こうでうなずいたエレノアは、薄く笑って言った。
『それよりも、あとでゆっくり、森山さんが私からの電話でどんなふうになったのか、教えて下さいね』
「……わかった。じゃあ、先輩のこと、頼んだぞ」
うっすらとエレノアがなぜあんなことをしたのかの理由を察して、刀はうなずくと電話を切る。そして、一同を見回して、里美に迎えに来てもらうよう頼んだことを告げた。
尚子の顔色に血の気が射したのを見やって、林檎は今度は轟と楓の傷を治癒させ始める。
そんな中、バラバラになって地面に散らばる人形を黙って見下ろしているのは、明日斗だった。ロープで壁を登って麻衣の部屋へ向かっていた彼だが、異変を察して戻って来たのだ。
(人形を破壊するのはかまわないけど……尚子君の復讐が終わってからにしてほしかったねぇ……)
胸に呟き、彼はふと顔を上げて、さっきまで自分が破ろうとしていた二階の部屋の窓を見やる。だがそこには、相変わらず人影はなく、まるで尚子の恨みも彼らの憂いや憤りも自分には関係ないと言わんばかりにただ静まり返っているばかりだった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月26日
参加申し込みの期限
2015年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月03日 11時00分
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