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終焉幻想曲 NO.222
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人ならぬナニカが道だろうが家だろうが人だろうが構わず打ち砕いて過ぎた、かつては舗装された、今は瓦礫と死体が散乱する道を、ふくふくした三毛猫が駆ける。揺れる尻尾を追いかけて、小型の斧を片手に持ったジャージ姿の少女が駆ける。
コンクリートで固められた小さな崖の前、がおーが足を止めた。鼻先をもたげ、次の瞬間全身の毛を逆立てる。
がおーの視線を追うより早く、真央は召喚猫であるがおーを送還する。掻き消えるように姿を消すがおーが今の今まで居た場所に、木々生い茂る山肌を滑り落ちてきた薄刃の翅持つ大蟲が大顎開いて落ちる。
地面に激突して動かぬ蟲の脇を過ぎるか過ぎまいか、迷う真央の腕を、
「急くな」
轟が掴む。鋭く囁き、己の背後へと押しやる。よろける真央の背を美咲紀が支える。修が招く瓦礫の影に一緒に身を隠す。
「遅くなってもいい、安全を優先しよう」
「無理しないで。確実に一歩一歩進んで行きましょ、」
帰還した後のため、どこまで役に立つか疑問に思いつつも道を覚えながら、肩越しに轟が振り返る。真央の肩をぎゅっと握り、美咲紀が微笑む。
「未来の為に!」
この先に明るい未来があると信じて疑わぬ瞳に、その眩しさに、真央は思わず目を伏せる。
「静かに」
物陰に身を潜め、蟲の動向を探っていた轟が全員の動きを制する。潰れた複眼を蠢かせ、風切る音たてて翅を羽ばたかせる。息さえ潜める皆の傍ら、血生臭い風を巻き起こして空へ飛び去ろうとして、
「気付かれた……!」
空気を叩き、人ほどもある甲殻の身を翻す。瓦礫の影に隠れる人間たちへと襲い掛かる。
「こっちだ!」
化物の注意を皆から引き剥がすべく、轟が瓦礫の影から道へと飛び出す。刃物じみた翅に身を裂かれ、被った仮面を蟲の大顎に砕かれて、それでも両手で蟲の細い胴を掴む。ギチギチと鳴く蟲の軽い身を地面に叩きつけ、翅を踏み躙る。
「退け、風雲児!」
背後に響く修の声に従い、大きく後に跳び退って、その刹那。物質を砕く修のろっこんによって、周囲の瓦礫や家屋が瞬時に分解された。押し寄せる波にも似た音をたてて、壁も木材も、何もかもが細かく破砕される。視界が土煙の色に染まる。
「此方です」
紀伸の冷静な声に導かれ、轟は戦線を離脱する。
土煙の中に皆の背を追いかける。足元が泥を踏む。見上げた瞳に映るのは、破壊された町並みではなく、鬱蒼と繁る草木。
鮮やかに紅葉しているはずの木々は、けれど山に漂う黒い霧にあてられたせいか、そのどれもが黒く爛れて腐り果てようとしている。
「とりあえずは安全そうだな」
真央とがおーと共に先に立っていた修が周囲を見回し、落神神社を目指す一行は足を止める。
「怪我を」
「どうってことないぜ」
「だめ、治します」
美咲紀の心配を笑って受け流そうとして、轟は怪我負った手を取られ優しく叱られた。
「消耗するばかりじゃ大変だもの」
皆にしばらく待ってと頼み、美咲紀は道の途で摘んできた花を手にくるり、舞う。神楽にも似た短い舞の間に、轟の腕の裂傷が癒える。
「ありがとう」
「私達で、私達の未来を手繰り寄せるのです!」
どこまでも挫けぬ明るさを見せる美咲紀から、亮悟は無感動な視線を逸らす。自分達が進むだろう獣道に、喉を掻き毟りつつ悶死した男の死体を見つけ、さしたる動揺も見せず瞳を細める。
「これを」
紀伸が一休みした家屋で見つけてきたらしい使い捨てマスクを差し出す。
「気休めにはなるでしょう」
「いらねぇ」
厚意を撥ね退ける頭上に稲妻が幾重にも折り重なり奔る。蜘蛛の巣じみた紫電の数本が間近の樹木を撃つ。
耳をつんざく轟音にも、瞳を射抜く光にも、亮悟はどこか荒んだ瞳を瞬かせるばかり。今更、雷など怖くもなかった。それよりも、こうして群れて行動し続けている方が落ちつかなかった。
「大丈夫ですか」
懲りずに話しかけてくる楕円眼鏡の男を舌打ちして睨み上げる。優しい声をかけて来る人間が、信じられなかった。信じたくなかった。
(どうせ裏切る)
踵の潰れた靴を脱ぎ捨てる。不思議そうな顔をする紀伸にも、団結して神社を目指そうとしている高校生たちにも目もくれず、亮悟は山の半ばにある落神神社へと駆け出す。
あの神社は、人目を避けるに絶好の場所だった。位置はよく把握している。
「津田さん!」
背後に男の声がするが、構うものか。
裸足で枯れ枝を踏み砕く。油を思わせる気味の悪い虹色の泥濘を踏みしめる。踵が潰れ底が薄くなった古靴なんかよりも裸足の方が余程走りやすかった。
腐り落ちた枯葉を撥ね退け、顔に降りかかる血生臭い黒い霧を振り払い、亮悟は獣道を駆け登る。ひたすらに神社を目指す。
神社に何があろうとどうでも良かった。ただ、噂の真相を確かめたかった。
(どうせ死ぬんだ)
足音に反応してか、雷光閃く薄暗い森の影に亡霊じみた白い影のナニカがゆらゆらと蠢き始める。白骨の手で樹の根巡る山肌を這い、足に縋ろうとするナニカに、亮悟は忌々しげに舌打ちする。踏み出す足を止め、踵を返す。振り向きざま、腐肉つけた白骨の体持つナニカを真直ぐに指差し、
「嫌い!」
吐き捨てる。
氷塊にも似た亮悟の言葉に反応して、亮悟のろっこんが作用する。影の両手足に鉄よりも冷たい氷の枷がかかる。
(効くかな)
ちらりと思うも、
(まあどっちでもいいか)
効けばラッキー程度な話、と唇を歪める。化物が氷の枷に惑うているその少しの間に、先に進もう。
足を踏み出して、ふと喉に触れる。指先の妙な冷たさに、手足が冷えているだけなのか喉に熱が溜まっているだけなのか、迷う。吐き出す息が熱い。息苦しい。
(この空気のせいか……)
それに足も痛い。踏み出す度、針刺されるように爪先や足裏が痛む。黒い霧によって腐り落ちた枯葉や泥濘を踏んだせいか。
(まあ、)
己の身に降りかかる苦痛を、亮悟は冷たい瞳に見下ろす。
(これもどうでもいい)
息苦しさも足の痛みも無視して、無心に社を目指す。
(どうせ、死ぬんだろうから)
それまでに、進めるところまで進もうと感情のないまなざしを山の木々へと向ける。視線の先、閃く雷光に一瞬浮かび上がる荒れ果てた神社を見つけて、
「きゃは!」
幼子のような笑い声あげて足音もなく這い寄って来た白骨のナニカに腕を食い千切られた。
「ッ、あア!」
「津田さん!」
鮮血を撒いて毒の泥濘に倒れ込む少年の体を、痩身長躯の男が寸前で抱き止める。
「きゃはは!」
亮悟の細い腕を鋭い牙が幾重にも並ぶ顎にくわえ、白骨のナニカは笑いながら山肌を骨の両手足で駆け登って行く。
「なんでついて来てるんだよ、あんた」
血の止まらぬ少年の腕を両手で押さえ、辛そうな顔する男に、亮悟は不機嫌極まる低い声で呻く。
「ここまで来れたのです」
眼鏡が亮悟の血飛沫に汚れるも構わず、紀伸は取り乱す様子も見せずに淡く微笑む。
「もう少し頑張りましょう」
優しい声で励まされ、亮悟は痛みにか触れられても振り払えぬ不快感にか、思い切り眉をしかめる。
「さて、神社で待つものは希望か悪夢か」
この状況にあって、動じず微笑んでみせさえする男が鬱陶しかった。死ぬときくらい一人でいたかった。
「何でも構わない、ただ現実を受け止めて最後まで生きるとしましょう」
それとも、死ぬときくらい誰かに傍にいてほしかった?
(まあ、どっちでもいい)
「どうせ、死ぬんだ」
思考や動きさえ奪うこの痛みも、死ねば感じなくなる。
耳鳴りに似て体中で跳ね回る動悸も、抱きしめてくれる紀伸の腕も押し退け、尚も前に進もうとして、
紀伸の腕に力がないことに、気がついた。押しのけようとした指から、むしろ紀伸の指先が離れる。振り返った亮悟が見たのは、血を吐き倒れるお節介な男の姿。その後ろにいつの間にか回り込み、錐じみた鋭さの腕で男の胴を貫く白骨の体のナニカ。
咄嗟に伸ばそうとした手から、体から力が抜けて、亮悟は血生臭い泥濘に倒れ伏す。急速に命失われゆく少年と男をまたぎ越し、白骨のナニカが笑いながら神社へと向かう。
「ああ、」
頬に誰かの冷たい指先が触れた気がして、紀伸は呻く。命とともに光薄れ行く瞳に、悲しげな顔した長い髪の少女を捉え、
「……あの時の」
仄かな笑みを瞳に宿す。
「いつも助けてくれたのは、やはり、……」
最期の一瞥に光を見て、男は死んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月22日
参加申し込みの期限
2015年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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