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終焉幻想曲 NO.222
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見えないナニカに力いっぱい突き飛ばされ、
久須部 紀伸
は半ば崩れた家屋の影によろけ倒れた。
「……っ、」
咄嗟についた掌を砂利に擦り、痛みに思わず呻きかけた唇が凍り付く。寸前まで立っていた道を、人の大きさと黒い甲殻持った蟲のようなナニカが暴走車の速度で行き過ぎる。紀伸の先を逃げていた人々が、瞬きの間に轢き潰されて死ぬ。蟲の顎にさらわれた女が悲鳴を上げるも、数秒も経たぬうち、血飛沫撒き散らしてその悲鳴も絶える。
「……ああ」
知らず零れた嘆息を掌に押し殺す。
崩壊した街に闊歩する化け物。
無惨に死んでゆく人々。
紀伸は空を仰ぐ。楕円眼鏡に映るは、暗雲蠢く血色の空。その空を泳ぐは無数の化け物。
(これでは、……まるで)
己の作品のような世界だ。
怪奇世界を主に描くイラストレーターは、薄墨色の瞳を歪める。己の心にあった世界を目の当たりにして胸が痛いような、心が踊るような、
(……なんて冗談はさておき)
複雑な心持は捨て置き、周囲の気配を探る。
一瞬たりとも気を抜けば死に繋がるような困った世界で、ここまで生き延びることができたのは、ただひとえに運が良かっただけ。
(……ですが)
立ち上がりながら、先ほど誰かが突き飛ばしてくれた腕に視線が向く。小さな両の掌のように感じた。まるで少女のような、華奢な指先を確かに感じた己の腕をそっと擦る。傍らには誰も居なかったのに、一体誰が助けてくれたのだろう。
(助けてもらったのは、先ほどだけではありませんよね)
ここに至るまでも幾度となく助けてくれた見えない命の恩人に思い巡らせようとして、
「……ん」
大蟲が爆走して過ぎた道の端、死体の山を前に佇む痩せた少年。
「大丈夫ですか」
迷わず駆け寄り手を差し伸べる紀伸を、少年は乱れた黒髪の下の黒い瞳に映す。睨め上げるような視線の鋭さに、けれど紀伸は動じない。
「怪我は」
「ねぇよ」
泥に汚れた少年の肩に触れようとした途端、少年は不機嫌な声をあげて後退さった。左頬に残る火傷痕が引き攣れたように歪む。その痛々しい痕が衣服に隠れた左肩にまで及んでいるのを見、触れられるのを嫌う少年の動作が人に怖じているようにも見えて、紀伸はそれ以上少年に触れることを止めた。
「ご家族とはぐれましたか?」
問うても、返事は忌々しげな舌打ちのみ。
「ここに居ては危ない、とにかく逃げましょう」
それでも紳士的な態度を崩さず、紀伸は楕円眼鏡を指で押し上げ淡く微笑んでみせる。
振り返りつつ、先に立って歩き始める長身の男を見遣り、
津田 亮悟
はもう一度舌打ちする。
「どこにだよ」
突然あちこちから湧いて出た無数の化け物も、その化け物に他人があっけなく殺されて行くことも、然程怖くはなかった。他人の死など、
(俺には関係ないし)
それに、と暗く瞳を伏せる。
(そのうち俺も殺されるんだろうしな……)
死にたいわけではない。死にたくないと思わなくもない。それでも、歩みを進めるごと見知らぬ人間の死体を見れば、間近に死が迫っていることは容易に想像がついた。
「さて、これからどうしましょうね」
「なんだよ、あんたも分かんねぇのか」
先を歩きながら、どこか飄々として見える壮年の男の背に亮悟は吐き捨てる。そもそもどうして大人しくついて行こうとしているのだろう、と集団行動に耐えられない少年は思い、思った途端に足を止める。無言のままに男とは違う方向に歩き出そうとして、
「神社はどうです?」
瓦礫積もる路地からひょっこりと姿を現した黒髪の少女に否応なく足を止めさせられた。
「おや」
「こんにちは!」
振り返る紀伸に元気よく手を振り、
椿 美咲紀
は瓦礫を踏み越えふたりの前に立った。高く結い上げた黒髪を揺らし、子猫のようなくるりとした黒い瞳でふたりに笑いかける。
「落神神社には希望があると聞きました」
「別の世界への入り口がある、ってやつか」
美咲紀の言葉に、亮悟は瞳を細める。どこから広まったのかも知れぬ噂ではあるけれど、
(どうせ死ぬなら、真相確かめて見てぇな)
行った者は帰って来て居ないらしいが、
(まあいいや)
死ぬのも、別世界へ消えるのも、大して変わりはないだろう。ゴミを投げ捨てるように己の生死をも投げ出し、亮悟は落神神社に向かうことを決める。
「信じがたい話ですが、オカルト的には惹かれますね」
「異界への接点ですからね、元々からして」
オカルトに造詣の深いホラー系イラストレーターが楕円眼鏡を光らせれば、神社に生まれた女子高生が大きく頷く。
「神社ならきっと希望への道が開けますとも!」
希望が噂されるところには、未来を望む人達が集まってくるはず。美咲紀はそう信じる。
「神社に希望があると聞けば、行かなくてどうしますかぁ!」
拳を握り締めて力説する少女の手には、道端で取ってきたらしい野の花。
町がどれだけ荒廃しようとも力強く根付いてもらうため、花咲かせてもらうため、株の半分だけを貰ってきた花は、美咲紀の身に宿ったろっこんを発現させるために必要なもの。
命の化身と慕う花を手に、舞うように少女は駆け出す。
「向かう方向が同じならご一緒しましょ、お互い手助けできそうだもの」
迷わぬ視線はまっすぐ、禍々しい色した霧が漂う九夜山。
町を彷徨ううちに空っぽになったお腹を押さえ、美咲紀はきっとまだ山に食べられそうな野草や果物が残っていると信じる。もし見つけることが出来れば、大切な植物からの恵みを有り難く頂戴しよう。
(それまでは)
我慢なのです、と空腹訴えるお腹を擦る。
「そうですね」
頷く紀伸の後ろ、今にも舌打ちして踵を返しそうな小柄な少年に、美咲紀は殊更に元気よく、花持つ手で招く。
「一人より二人ですからね。三人寄れば文殊の知恵なのです」
「……んなわけあるか」
そっぽを向きつつ、それでも女子高生の勢いに押され、亮悟は壊れた町にふたりの背を追い歩き始める。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月22日
参加申し込みの期限
2015年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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