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終焉幻想曲 NO.222
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血溜りの色した空に雷雲が蠢く。
羽虫の群のような黒い雲を掻き分けるは、おぞましい魔物の顔した稲妻。
薄紫した光の一閃が、元は人だった血と肉片の散らばるアスファルトの地面を、その只中に抜き身の刀を下げて佇む藍の着物纏う少女の白い頬を照らし出す。
雷光帯びたが如く白銀に輝いた刀身が、ふと光を鈍らせる。ろっこんの加護失い、元の模造刀のかたちに戻る。
鮮血色した瞳に黒い睫毛の影落とし、
哀坂 子夜
は刀にこびりついた血を振るい落とした。
「……君の命令は、果たしたよ」
伏せた瞳に何の感情も宿らせぬままに子夜が見下ろすのは、足元に転がる少年の遺体。その下半身は身の丈もある大百足に呑まれて無い。
突如として地の底から這い出し、少年を、少年の家族を食い散らしたその大百足の半身は、子夜の刀によってほとんど微塵に切り刻まれている。
――こいつを殺して!
死の間際に投げつけられた少年の願いを命令と取り、それを忠実に果たして後、子夜はその場に立ち尽くす。
雷鳴が轟く空に舞い飛び吼える、おびただしい数の翼持つナニカ。蜥蜴のようにも狼のようにも見えるそれらが、黒煙噴出す地の底から這い出した蟲のかたちしたナニカが、フツウの日々を、あたかもそれがフツウであるかのように破壊し尽くした。
その最中にあっても、子夜の瞳は如何なる感情にも揺らがなかった。悲鳴と怒声に満ちる壊れつつある町を歩き、投げつけられた悲鳴の中に己に向けられた『命令』を受け取り、淡々と果たした。そうすることしか、彼女にはできなかった。
全ての感情を拒絶して佇む黒髪の少女の脇、波打つ黒髪を乱した女が息を切らして駆け抜ける。艶めく黒髪を、端整な横顔を、誰かの大量の血で汚して、女は死体の転がる道を懸命に駆けて行く。泣き出しそうに歪む黒い瞳の先には、丘の上に立つ教会。
(どうやら、人もちゃんと居た、みたいだね……)
黒髪の女は、元は星ヶ丘と呼ばれた瀟洒な町並みに相応しい、けれど少し肌寒そうな春物と思しき華やかな服の裾を揺らして一心に坂道を登る。
女の均整の取れた肩や背を眺めるともなく眺め、子夜は微かに首を傾げる。他人に限らず、己の感情さえ理解できぬ子夜は、自分の心すらひどく曖昧にしか考えられない。
それでも、突然に襲い掛かったこの状況を知りたいと、そのためには誰かに話を聞かなくてはと、そう思う。
(……のかもしれない、ね)
黒い睫毛をしばたたき、子夜は黒髪の女を追うべく着物の袖を翻して模造刀を鞘に納める。
「よう、姐さんの姉さん」
軽い口調で声を向けられて振り返れば、背に重そうなバックパック、脇にどこからか調達してきたらしい建材、片手に水入りポリタンク、もう片手に鉄パイプに出刃包丁を括りつけた手製らしい急造武器を持った大柄な少年。
赤いシャツに黒いストライプスーツ、胸ポケットにはサングラスな格好に似合わぬ堅実な荷を抱えた少年に、子夜は無関心な視線をちらりと向け、すぐに逸らす。坂の上の教会に足を向ける。
「姉さんも教会に?」
「……そのつもり、だ」
子夜の静かな視線がもう一度己が持つポリタンクに向けられた気がして、
七峯 亨
は唇を笑ませる。
「皆の共用にな。この状況じゃまさに命の水だ」
「人が、居るのか」
「生存者が集まってんぜ。何しろこんな急な、しかも訳分かんねぇ事態だろ。生き残った皆も大抵は怯えまくってる」
教会に僅かながら備蓄はあるも、水も食料も、圧倒的に不足している。破壊された町に出れば食糧を得ることは出来るが、そのためには命さえ懸けなければならない。
「……奴ら倒したら食えねぇか」
あながち冗談とも思えぬ瞳で空泳ぐ翼持つナニカの群を睨む少年を見やり、子夜は僅かに顎を引く。
(なるほど……)
ここが元の世界であるのかすらも分からないが、ともかくも、
(かなり危険……というのかな、そんな世界に飛ばされたみたいだね)
遠く、爆音が響く。振り返って見れば、嬌声上げるナニカの群が星ヶ丘の高級マンションに体当たりしている。翼が折れようが腹から黒い血を噴出そうが、狂ったようにマンションの壁への激突を繰り返すナニカ。そのナニカの周りでけたたましい笑い声上げてはしゃぐナニカ。
「……ッ、……」
星ヶ丘教会に至る階段の最後の段、力尽きてうずくまり、
城山 水樹
は狂気じみたナニカが町を破壊して回る様子を黒い瞳に映す。街中に雷鳴が轟く度、ナニカの咆哮が響く度、震える唇からついて出そうになる悲鳴を噛み殺す。
(どうして……)
今日はモデルとしての仕事の日だった。
星ヶ丘の趣のある町並みで、来年の春物の新作を着て撮影していた。
馴染みのスタッフやモデル仲間に囲まれ、楽しい一日だった。
(どうして……!)
それが不意に地獄絵図に一変した。裂けた空や地面から湧いて出たナニカに、仲間はみんな食い散らされた。みんな、餌になってしまった。
自分がどうやって逃げたのかも覚えて居ない。
(思い出したくもない)
思い出すのは、惨劇の直前まで。初冬の陽射しの中、仲間と笑いあいながら過ごした、――最後の平穏な時。
潰れそうな胸の痛みに思わず呻く。膝を抱え、そこに顔を埋める。閉ざした瞼の暗闇に、涙の熱が溢れた。
声を殺して、水樹は泣いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月22日
参加申し込みの期限
2015年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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