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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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中学生の僕がハジメテのオツカイをするので手伝ってくれませんか
一方ミルクホールでは……。
「いらっしゃいませ！ お……」
終始笑顔を絶やさなかった武道が扉の前で一瞬目を丸め、そして接客用の笑顔から破顔した。
「よっ！」
「こんにちは」
先日もアルバイトで一緒になった御剣 刀と、彼に連れられた橘 千歳が、神社の境内で剣術の朝稽古を終えて、お互い時間があったからミルクホールへ立ち寄ったのだ。
「志波先輩、またバイトですか」
「ちょっとお金溜めたい」
「へー」
「席は——」
「あ、カウンターでいいです」
案内を辞して刀は千歳を導いてカウンターへまっすぐ向かった。一度アルバイトした店だから勝手は分かっている。千歳は武道に会釈して、刀の後ろをついていった。
すると、千歳からは見えない正面を向いたまま、刀が「ん？」と一度足を止めた。
「どうしたのよ」
「大道寺と大田原が居る」
「えっ？」
千歳は刀の背中からひょっこり顔を出して、カウンターの方を見遣った。あのエレガントロリータドレスの少女と特徴的な小柄さは、確かに自分たちと同じ、寝子島高校１年１組のクラスメイトだ。
しかし千歳は紅緒らと特に親しい訳でもなく、そして紅緒のあの派手な私服姿を見たこともなかった為、言われなければ判らなかっただろう。
むしろ今も（私服よね？ あれ）と首を捻っていたくらいである。しかしあれが目を惹いたという事は——。と千歳はハッとした。
（私には、似合わないだろうけど、もしかして、刀君も……やっぱりああいう可愛らしい方が）
可愛いというよりも、紅緒のロリータ服は一般的な男子なら引いてしまいそうなのだが、どうしても刀の反応が気になったのだろう、千歳は悶々を考え込んでいる。
そんな間に刀は当たり前のように千歳の分の席を一つ開け、クラスメイトの隣に座ってしまった。
「よう大田原、大道寺」
「刀殿」といいなが千歳に気付く前に、紅緒は気配で察したように「ご機嫌よう御剣君、橘君」と二人分の挨拶をした。
いいなやタルト、羽衣や麗音が気にしてあげたお陰か、彼女の顔色は大分良くなっていたが、刀は聡く気づいたようで、「セットを頼む」と英二に注文しながら、
「大道寺、甘い物でも頼んだ方がいいか？」と紅緒を見遣った。
「有難う。でも先程店員さんに『甘露のアムリタ』を頂いたから結構ですわ」
「ハニーミルクよ」
紅緒の近くに立っていた麗音が、羽衣と顔を見合わせて苦笑して刀へ教えてくれた。
「ソーマのお蔭で私はまた終わる事なき悠久の生を過ごすでしょう。次のリインカーネーションの刻、私はこの味と共に、あなた方の事を思い起こすわ！」
「なんだか良く分からないが、有難うって意味だと思いますよ」
今度は刀が麗音に大雑把に解説すると、その言い方を気にして千歳が「刀君！」と拳を軽く——ごちんと——当てた。
「いたた」
少し態とらしく悶えてみせる刀を見ながらも、千歳は内心彼に関心していたのである。紅緒の様子がいつもと違うと気づいたことも、それで声を掛けたこともだ。
あの軽い調子も敢えての行動なのだろう。
（私なら余計はお世話とか言われるんじゃないかとか考えて逡巡してしまうけど、行動に迷いがないもの）
と、刀が密かに株を上げている間、紅緒の視線はまたパソコンへと戻っていた。
あまりに真剣な表情なので、千歳は注目しながら一体クラスメイトは何をしているのかと頭を巡らせ、そして良くない考えへ行き着いてしまった。
（まさかネットに大道寺さんへの個人攻撃が……イジメ……！？ もしもそういうことなら風紀委員としても、放ってはおけないわ）
千歳が思わずがばっと席に立ったことで、その場の皆が驚き彼女に視線をやる。
「大道寺さん！ 一人で悩まないでも辛いだけよ。
私たちで、よかったら相談に乗るから。クラスメイトじゃない」
「そう……ですわね？」
紅緒が困惑していると、いいなもタルトも、英二や麗音や羽衣も不思議そうな顔で千歳を見た。
「え？ わ、私もしかして——」
千歳が真っ赤になってしまったことへのフォローか、刀は「何か千歳がもの凄い勢いで勘違いをしている気がするが」と思い切り指摘して続ける。
「まあ言っている事は俺も同意だ。
何か困っている事があったら言えよ、出来る限り力になるぜ？」
そう言いながらも、刀は英二が出してくれたセットに早々手をつけていた。千歳が食べながら話していると指摘をして、刀の口元を甲斐甲斐しくハンカチで拭っている。
「まるで夫婦ですわね」
紅緒がぽつりと言った所為で千歳がまたも椅子から飛び上がっていると、いいなが事情を説明してくれたのである。
「紅緒殿は締め切りに追われているようなのじゃ」と。
「いらっしゃいませ！ お……」
終始笑顔を絶やさなかった武道が扉の前で一瞬目を丸め、そして接客用の笑顔から破顔した。
「よっ！」
「こんにちは」
先日もアルバイトで一緒になった御剣 刀と、彼に連れられた橘 千歳が、神社の境内で剣術の朝稽古を終えて、お互い時間があったからミルクホールへ立ち寄ったのだ。
「志波先輩、またバイトですか」
「ちょっとお金溜めたい」
「へー」
「席は——」
「あ、カウンターでいいです」
案内を辞して刀は千歳を導いてカウンターへまっすぐ向かった。一度アルバイトした店だから勝手は分かっている。千歳は武道に会釈して、刀の後ろをついていった。
すると、千歳からは見えない正面を向いたまま、刀が「ん？」と一度足を止めた。
「どうしたのよ」
「大道寺と大田原が居る」
「えっ？」
千歳は刀の背中からひょっこり顔を出して、カウンターの方を見遣った。あのエレガントロリータドレスの少女と特徴的な小柄さは、確かに自分たちと同じ、寝子島高校１年１組のクラスメイトだ。
しかし千歳は紅緒らと特に親しい訳でもなく、そして紅緒のあの派手な私服姿を見たこともなかった為、言われなければ判らなかっただろう。
むしろ今も（私服よね？ あれ）と首を捻っていたくらいである。しかしあれが目を惹いたという事は——。と千歳はハッとした。
（私には、似合わないだろうけど、もしかして、刀君も……やっぱりああいう可愛らしい方が）
可愛いというよりも、紅緒のロリータ服は一般的な男子なら引いてしまいそうなのだが、どうしても刀の反応が気になったのだろう、千歳は悶々を考え込んでいる。
そんな間に刀は当たり前のように千歳の分の席を一つ開け、クラスメイトの隣に座ってしまった。
「よう大田原、大道寺」
「刀殿」といいなが千歳に気付く前に、紅緒は気配で察したように「ご機嫌よう御剣君、橘君」と二人分の挨拶をした。
いいなやタルト、羽衣や麗音が気にしてあげたお陰か、彼女の顔色は大分良くなっていたが、刀は聡く気づいたようで、「セットを頼む」と英二に注文しながら、
「大道寺、甘い物でも頼んだ方がいいか？」と紅緒を見遣った。
「有難う。でも先程店員さんに『甘露のアムリタ』を頂いたから結構ですわ」
「ハニーミルクよ」
紅緒の近くに立っていた麗音が、羽衣と顔を見合わせて苦笑して刀へ教えてくれた。
「ソーマのお蔭で私はまた終わる事なき悠久の生を過ごすでしょう。次のリインカーネーションの刻、私はこの味と共に、あなた方の事を思い起こすわ！」
「なんだか良く分からないが、有難うって意味だと思いますよ」
今度は刀が麗音に大雑把に解説すると、その言い方を気にして千歳が「刀君！」と拳を軽く——ごちんと——当てた。
「いたた」
少し態とらしく悶えてみせる刀を見ながらも、千歳は内心彼に関心していたのである。紅緒の様子がいつもと違うと気づいたことも、それで声を掛けたこともだ。
あの軽い調子も敢えての行動なのだろう。
（私なら余計はお世話とか言われるんじゃないかとか考えて逡巡してしまうけど、行動に迷いがないもの）
と、刀が密かに株を上げている間、紅緒の視線はまたパソコンへと戻っていた。
あまりに真剣な表情なので、千歳は注目しながら一体クラスメイトは何をしているのかと頭を巡らせ、そして良くない考えへ行き着いてしまった。
（まさかネットに大道寺さんへの個人攻撃が……イジメ……！？ もしもそういうことなら風紀委員としても、放ってはおけないわ）
千歳が思わずがばっと席に立ったことで、その場の皆が驚き彼女に視線をやる。
「大道寺さん！ 一人で悩まないでも辛いだけよ。
私たちで、よかったら相談に乗るから。クラスメイトじゃない」
「そう……ですわね？」
紅緒が困惑していると、いいなもタルトも、英二や麗音や羽衣も不思議そうな顔で千歳を見た。
「え？ わ、私もしかして——」
千歳が真っ赤になってしまったことへのフォローか、刀は「何か千歳がもの凄い勢いで勘違いをしている気がするが」と思い切り指摘して続ける。
「まあ言っている事は俺も同意だ。
何か困っている事があったら言えよ、出来る限り力になるぜ？」
そう言いながらも、刀は英二が出してくれたセットに早々手をつけていた。千歳が食べながら話していると指摘をして、刀の口元を甲斐甲斐しくハンカチで拭っている。
「まるで夫婦ですわね」
紅緒がぽつりと言った所為で千歳がまたも椅子から飛び上がっていると、いいなが事情を説明してくれたのである。
「紅緒殿は締め切りに追われているようなのじゃ」と。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年09月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年09月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年09月21日 11時00分
