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さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
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【荒野の光】
小山内 海
は思わず、ほう、と白い吐息を、青い空気へ漏らします。
(…………綺麗。なんて、綺麗……)
昼間の風が雲の全てを吹き飛ばしてしまったのか、止めどなく澄み渡る夜空には、宝石箱をぶちまけたかのような、星、星。星の海。
そして、三つ子の月。大、中、小とひとまわりずつ大きさの違う月たちが、星空を隅々まで照らし尽くすかのように、それぞれ距離を開けながらに、煌々ときらめいています。
そして……海たちのいるこの大岩のすぐ側、眼下に広がる、大きな湖。
「『鏡面湖』、と呼ばれてるんだとさ。ファシナラさんが教えてくれた」
すとん、と隣に腰を掛け、そう言った
御剣 刀
に笑いかけ、並んで湖を眺めます。
まさしくそれは、大地に延々と広がる、巨大な鏡のよう。水位は大人のくるぶしを浸す程度、ぴたりと止んだ風に、ひとつの波も立たず。昼に吹き荒ぶ豪風にも関わらず、赤土にも侵されずに、鏡面湖はただそこへ佇み、三つの月と星々の姿を、まるで違わずに映し出しているのです。
自然と海は、スケッチブックのページをめくり、あまりにも美麗で、そして触れがたく怜悧にも見えるその光景を、せめて絵に描き残そうと、ペンを走らせ始めました。
見れば少し離れたところで、
恵御納 夏朝
もまた、まだどうにか電池の持っているスマートフォンで写真を撮った後、同じようにスケッチを始めています。彼女は周囲を警戒しつつも、海と同じ欲求に逆らえなかったようです。
三つ子の月が放つのは、青い、青い、静かな光。
「おふたりは、どうやって出会ったんですか?」
スープのお代わりをファシナラへ手渡しつつ、
綾辻 綾花
が尋ねました。
昼の襲撃からいくらか時も経ち、食事にもありつくことができて、ようやく落ち着いてきた頃合い。彼らは少しずつ、夫妻へ話を聞いてみることにしました。いくつも、気にかかることがあるのです。
難しい顔で眉を寄せてスープをすする夫に代わり、妻が喜々として語り始めます。
「言ったっけ? ファシナラはもともと、東の街……行ったことある? ない? アタシらの故郷なんだけど、彼はそこで護衛長をやっててね。ある時街に、野盗団が押し寄せてきたことがあったンだけどさ」
口調は明るく、彼女特有の朗らかな笑顔に彩られつつも。夫妻の馴れ初めは、この荒野が既に示していたように、慈悲に乏しい世界の理をも物語るものでした。
「アタシの父っちゃんと母っちゃんが斬られて、そンで死んじゃって、アタシもああこれまでかあ、このまま恋も知らずに死んでゆくのね……なーんて思ったとこで、飛び込んできたファシナラに助けられたの。銀剣振るってばっさばっさ、遠くの賊も長銃ですぱーん! ってね、そりゃもうカッコイイったら、天涯孤独になったばっかりの小娘ひとり惚れさせるニャ十分、ってなくらいにね」
「ん、んん」
わざとらしい咳払い、バツの悪そうな顔を浮かべる夫に、妻はにんまり悪戯っぽく、けれど愛情のこもった眼差しを寄せて。
「で、この人も独り身だって聞いて、アタシはもう一直線! モーレツに求婚してやったら、最初は気乗りしなかったらしいけど、そのうちコロリと転んでくれたわけ。結婚したのは、ちょうど一年前くらいだったわね」
「……ねえ、それじゃあ」
口を開いたのは、
雨寺 凛
。彼女の問いは、この場にいる多くの仲間たちもまた、同様に抱いたはずの疑問でした。
何しろ、夫妻の旅は、過酷に見えるのです。
「どうして、妊娠したニヴィエさんを連れて、旅になんて出たの? 荒野は道も険しいし、あの屍人みたいに、危ない生き物もいっぱいいるみたいだし……」
「俺も、聞いてみたいと思っていた」
母が出産を控えているという
毒島 林檎
にも、他人事では無かったことでしょう。
「どうして、お腹の大きい奥さんを連れ出してまで、旅へ……?」
少しばかり険しい瞳……もちろん彼女の内面に、身重のニヴィエを案じる優しさがあってのことです。
しん、と。しばし、夫妻の間に流れた沈黙。
やがて、重苦しく口を開いたのは、ファシナラのほうでした。
「…………流行り病だ」
瞬間。痩せぎすな彼の、落ち窪んだ瞳が湛える月の光が、やけにぎらついて見えました。
ファシナラは続けます。
「東の街は、既に無い。あっという間だった……街の者は次々に倒れ、四肢を悪霊に乗っ取られたかのように動かせぬまま、あるいは魂を奪われたかのように暴れ出し、そして事切れていった。我が護衛隊の部下ども、領主や議員ども、何も知らぬ隣の子も、旧知の親も、その家族も……それに、街医者や産婆も。我らを除いて、等しく、ひとり残らずに」
目を伏せ、お腹を撫でたニヴィエの傍らに、
フィリップ・ヨソナラ
が静かに寄り添い、その手をそっと取りました……祈りを込めて。ニヴィエはそんな、しょげたような彼の頬へ手を添えると、黙ってひとつ、微笑みます。
ファシナラが、言葉を告げられず押し黙った面々へと見せた表情は、苦渋に満ちていました。けれど彼は、シニカルな色はあれど小さく笑ってみせると、
「何……希望はある、それもひとつならずに。我らと子が、病に侵されず生き残ったこと。止むに止まれぬこの旅路の途上で、お前たちと出会ったこと……それにあの、湖だ」
首を巡らせて見据えたのは、波ひとつ無い、鏡のような湖。星空と三つ子の月をそっくり照り返す、美しい鏡面湖。
「三つ子の月の蒼い光を夜毎に、気の遠くなるような時を経て存分に蓄えてきた湖水は、希少な霊薬の材料になる。お前たちも術士であるなら、今更説明はいらぬやもしれんが……ともかくも、鏡面湖のほとりに横たわる西の街には、高名な医者、錬金術士もまた多く集う。たどり着きさえすれば、ニヴィエと子を救ってくれるだろう」
出会ってから、今日一番の饒舌ぶりを見せた彼は、はたと思い返したように肩をすくめて、少し冷めたスープをすすりました。
しばし、誰もが口を開かず、寒さも忘れ、月と星、たき火の灯りに照らされるばかり……そうして、沈黙が続いた後に。
「……よーし♪」
冷え込んだ空気を切り裂くように、唐突に鳴り響いたのは、凛のギターの音色でした。
じゃららん、と、いつもの火のような激しさよりは、いくらか静かに。けれど音に込めた想いはもちろん、いつもと変わらず。
「おふたりは、音楽は好きですか?」
「音楽……?」
「あーンまり、聞かないわねェ。子供の頃には、詩人や楽団が街にやってきたりして、聞かせてくれたモンだけど……最近じゃァ、さっぱりね」
そんな答えに、凛は、にっこり。
「目的地は、あと少し! 無事にふたりを送り届けてあげるためにも、暗くなってられないよ。こういう時こそ……音楽の出番っ!」
真っすぐに見つめた、三つ子の月を映す水面……それが擁するという力、あるいは希望にも負けず劣らず。彼女は自身のアイデンティティたる音楽にもまた、止めどないパワーがあるのだと、そう信じて疑わないのです。
荒野にひと時降り落ちる、夜の澄んだ美しさを邪魔してしまわないよう、そっと。ささやくように。爪弾くバラードに乗せ、凛は歌い始めます……途端。
こんな赤土まみれの土地には、夢中になれるような娯楽も、そうありはしないのでしょう。夫妻は揃って目を輝かせ、凛の演奏する様に見入り、そして聞き入ります。
「ふっふ、これは黙っていられませんねー」
音楽に、思わず身体が動き出してしまったのは、
薄野 五月
。海と空に抱かれた、あの広場での旅芸人たちの奏でる音色とは少し違いはすれど、お祭りの続きのように、五月は軽やかにステップを踏み始めます。
その動きに反応したのか、にゃあ、と声を上げ走り込んできた、白黒猫。
「やあ、アルクさん。ご一緒にいかがですか? ほらほら、皆さんも。旦那さんも」
「む……俺がか? お、踊れと?」
五月は、妙な顔をして戸惑うファシナラの手を引き、たき火を周るように、くるくる、くるりと踊ります。足元には、楽しさに浮かれてしまったように、アルクもくるくる、ぴょんとジャンプ。
ニヴィエは手を叩いて笑いながら
「あっはっは! ファシナラのこーんなヘンテコなとこ、初めて見たわよ!」
「い、いや。俺は、こういうのは……」
「なに、恥ずかしいのは最初だけです。決まったステップなんてありませんし、音楽に乗って、こう、こう。くるくるっと。みんなで楽しめばええですよー」
大笑いの妻には苦虫を噛み潰したような顔を浮かべながら、どこまでもマイペースな五月に手を取られるままに、ファシナラも危ういステップを。
見ればいつの間にやら、凛のギターと歌声に乗せられて、
オーデン・ソル・キャドー
に
志波 武道
、
鈴原 天音
……
御剣 刀
に
小山内 海
まで、あの時の続きとばかりに、ゆったりとたき火の周りをくるくる、くるり。
身を横たえ、にわかに宴のような、夢のような光景を見つめながら。ぱちぱちと弾ける火の粉に照らされるニヴィエの隣へ、
弘明寺 能美子
がそっと腰を下ろし、
「……生まれてくるお子さん、男の子か、女の子か……どちらかしら。お名前、もう決めてあるんですか?」
「そうねー、どっちでも、ファシナラみたいに強い子に育ってくれればーってね。名前は考え中、いくつか候補はあって、あ! それが聞いてよ、ファシナラの考えた名前がこれまたヘンテコで、おっかしくってねー……」
と、明るい話題で彼女が安らぐよう、心を砕いたり。
あるいは純粋なフィリップの眼差しもまた、絶望的だったはずのふたりの道行きへ、確かな希望を感じさせていたでしょう。
「ニヴィエさん。おなか、すこし……触って、いいです?」
「ん! いいわよー、ビックリさせないように、そーっと。ね?」
優しく丸みを帯びる曲線へ、そっと手を添えた彼の祈りは、この場の誰にも共通するものであったはずです。
(……元気な子どもが、生まれますように。親子三人、幸せになりますように……)
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冒険
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2015年08月25日
参加申し込みの期限
2015年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月01日 11時00分
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