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さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
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【黒波】
「『なぜぼくらの焚火が、ぼくらの叫びを、世界の果てまで伝えてくれないのか?』」
風向き、風速を確かめながら、
三夜 茜
はどるんとうなるエンジン音を夢想し、愛すべきプロペラの風切り音や、思うまま宙を滑走するあの感覚を、にわかに脳裏へと再現します。
「『我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる』」
背にはアホウドリのような翼をはためかせ、強い砂風にも負けじと宙を舞い、茜は周囲を注意深く見据えています。
行く先に対してやや後方に、大岩を乗り越え再び歩を進める、夫妻と仲間たち。
屋敷野 梢
や
恵御納 夏朝
のろっこんがあったとて、高所への昇降にあたっては、妊婦である妻ニヴィエへの介助は慎重であるべきで、その歩みはゆっくりとしたものです。そしてそんな彼らのため、あの小さく恐ろしい、屍人たちの再びの襲撃を先んじて察知し伝えるのが、茜の役割でした。
「『ぼくらこそは救援隊だ』……ああ、僕が今、自分の翼で飛ぶのではなく、あのシムーンに乗っていたなら。サハラに墜落して遭難して、サンテックスのように、星の王子さまに出会えただろうにね」
サン=テグジュペリの『人間の土地』を茜がそらんじるのは、それがこの不思議な旅と、そこに自身が担うと決めた役割、馳せる想いに、ふさわしいと思ったからです。彼女らは、荒野にあえぎ真っ白な唇で助けを求める夫妻へ、水を届ける救援隊……妻の明るい笑顔に、夫の安堵の表情に、茜は手応えを感じていました。
そして今、彼女の目は、あの群れを鋭く捉えました。黒く、ぞろりとしたボロ布を纏う、荒野の簒奪者たちを。
茜の判断は、素早く。眼下を見下ろし、
「……君! すぐに戻って、伝えてくれ。奴らが来る」
「分かったよぅ!」
いつになくきりと眉を寄せた
呉井 陽太
が、ひとつ大きくうなずき、仲間たちの元へと駆けていきます。
その背を見送ってから、茜は翼をひと打ち。風を切り裂くように加速し、一気に群れ、屍人たちの上空へと至ると……ポケットから取り出したのは、あらかじめそこへ詰めておいた、ごつごつとした石ころ。原始的な爆撃とて、敵をいくらか混乱させる役には立つでしょう。
低空飛行で彼らの頭上すれすれをなぞるように、石ころを群れへと投げ入れ、あらぬほうへ誘うように飛び、茜は再び空へ。
「そうさ……ぼくらこそは、救援隊だ。囮にくらいはなれるはずさ」
「来たよ!」
強まる風の合間に届いた陽太の声に、場が引き締まり、ちりりとした緊張感が走り抜けます。
「……あの巨岩の上まで、登れ! あの高さなら、奴らも手は出せまい。急ぐぞ!」
痩身に似つかわしくない覇気を漲らせ、ファシナラが銀色の剣をずらりと引き抜きつつ号令を飛ばしたのと同時に……ざざ、ざざざざ、と。黒い絨毯めいた影が、側面の壁を形作る岩の向こうから、あふれかえるように、おびただしく姿を見せ始めました。
ボロ布のフードの下に灯る、暗い光。いくつもの、いくつもの、赤い光。
「陽太くん、奥さん頼むー!」
「オッケー!」
ファシナラに並んだのは、
志波 武道
。お腹をかばうようにしながら急ぐニヴィエ、彼女と黒絨毯の間を阻むように立つのは、
鈴原 天音
。
オーデン・ソル・キャドー
。
サキリ・デイジーカッター
。
「わ、わ、たくさん来たんだよー!?」
「この散歩はどうにも、ずいぶんと長くなりそうですね……しかし、ご婦人の危機は見過ごせませんのでね」
ステッキを颯爽と、油断なく構えたオーデンに、少しばかりわたわたとしつつも、いざとなっては自慢の蹴りを存分に叩き込むつもりの天音。サキリがぎらつく刃を両の手で引き抜きながらに、
「……アルクは大丈夫かい?」
尋ねれば、白黒猫は悠々と、
雨寺 凛
の腕の中。にゃあ! と声を上げたアルクをひと撫でして、凛は、
「うんっ、こっちは任せて!」
「皆さん、気を付けてくださいね……!」
綾辻 綾花
、それに傍らで
小山内 海
も力強くうなずいて、ニヴィエを伴い、小さな屍人たちには恐らく手の届かない、高い積層岩の上を目指します。ニヴィエの腕には、夏朝のねこシールがもう一枚。強風に飛ばされない程度に軽くした彼女の肩や足を抱えて、なるべく揺らさないようにと、急ぎつつも慎重に運びます。
ぞわりと赤土を這うように押し寄せる、群れ。黒い波。そのいくつかが分かれて、武道らの形作る前線を脇から回り込み、歩みの遅い一団を狙います。あるいは先に目にした、アルクが首に身に着けている茜色の石のことを、彼らも記憶していたのかもしれません。
もちろん、護衛役を引き受けたからには、たやすく近づけさせるつもりもありません。
「私のろっこん、こんな風にも使えるんですよねー!」
ひらり、ひら、ひら。びょうと吹いた風に乗り、
屋敷野 梢
の手から飛び立った無数の蝶たち……その様は、枯れた荒野にはあまりに似つかわしくなく、そして美しく。思わず目を惹かれたのか、びくりとして立ち止まった屍人たちの眼前へ、蝶は瞬く間に元の姿を取り戻し、巨岩となって降り注ぎました。
「今のは、威嚇射撃です! どんな生き物でも、できれば殺したくは無いですからねー。でも、あくまで襲ってくるなら……」
けれど、ひとたびぎゃあと鳴いて退こうとも、荒野には稀な獲物を前に、敵対者たちが簡単に諦める道理も無く。
「……仕方がないですねー。弱肉強食のルールに則って、やっつけちゃいましょー!」
生物部部長としての矜持は、既に示しました。梢は、ざざざと迫る影へめがけ、再度蝶たちをけしかけ、その頭上へと差し掛かったタイミングを見逃さず、ろっこんによる変化を、解除。
降り注ぐ巨岩の雨に押しつぶされ、ぎゅう、と漏れ出た仲間の断末魔に憤ったのか、なおもきいきいと奇怪な声を上げて飛び掛かってくる屍人へは、
「おっとと、そうはさせないよぅ!」
陽太の粘土細工が弧を描いて飛翔し、次々とぶつかりました。元が柔らかい粘土ではあり、さほどの打撃にはならずとも、陽太の巧みなコントロールで自在に飛翔するそれらは、気をそらすための牽制としては必要十分……ウサギ型の人形が顔面にぶち当たり、ひっくり返った屍人の真上へも、蝶は狙ったように飛んでいき、元の姿へと変じました。
ずずん、と重い衝撃音に、かすかな地響き。
「ナイスコンビネーション……と言っても、キリ無いねこりゃ!」
「とにかく、ニヴィエさんたちが逃げ切るまで、なんとか粘りましょー!」
ぴゅう、と軽やかな口笛の音。
「ちょっともーアンタたち、すンごいじゃないの!」
数を減らすには足りず、けれど道を阻むには十分。運ばれていくニヴィエへと揃って親指を立てて見せた彼らの奮闘が、大いに時間を稼いでくれました。
「よし、上げろ!」
「……僕は、休憩中だったんだけどね」
叫んだファシナラが携行していたロープ、先端へリング状に結って作った足場へニヴィエが乗ったのを見て、岩の上でくわえ煙草の茜がロープを引けば、身重の彼女はするすると登り始めます。
「いやァ、こりゃ快適だわ♪」
引き上げられながら、手を振ったニヴィエの真下には、夏朝の照れくさそうな顔。こうした昇降においてはことに、彼女の重量を操作するろっこんが役に立ちました。時折吹く強烈な突風にあおられることさえ気を付ければ、上下の移動にもさほどの時間をかけずに済みそうです。
(といっても、ねこシールの数が足りれば、だけど……)
残りの枚数を確認……と、その直後に。背後から届く、きき、ききき、と金属めいた不快な声。振り返れば数体の、小さな黒い影。
「……っ」
「大丈夫。僕が行く」
ぎくりと身を固めた夏朝の頭上から、頼もしい響きの声。
茜が手に抱えたのは、先ほどにぶつけてやったものよりもひとまわり、ふたまわりも大きな岩。
「一服したし、次は……本気で行くよ」
彼女は翼を打ち、飛び立ちます。相棒たる飛行艇ほどにスピードは出ないものの、その分小回りは利きました。
飛行し、すれ違いざまに屍人たちの眼前へ、投石。艦船を狙った反跳爆撃のごとく、幾度か赤土を弾きつつ飛び跳ねながら、岩は敵を薙ぎ倒しました……すぐさま取って返し、次の岩を確保しては、茜は同じように爆撃を繰り返します。
黒い群れの中に、徐々に混乱が広がっていくのが、はっきりと見て取れました。
「『精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる』……」
横合いから吹き付ける風と砂を切り裂きながら、茜をなおも飛び続けます。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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さまよいアルク 第一章~蒼空へ漕ぎ出す漁夫たちの豊漁祭
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月25日
参加申し込みの期限
2015年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月01日 11時00分
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