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さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
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【ローシルティウム】
「はい、コーヒー。甘いお菓子もあるよぉ」
「あら、何コレ?」
壬生 由貴奈
が手渡したカップに、たき火と鍋で焼いた手作りクッキーを、ニヴィエは興味深げに覗き込みます。どちらもこのあたりでは馴染みが無いもののようで、カップに口をつけて熱いコーヒーをひと口味わうに、
「……うわ、変わった味の飲み物! あ、でもンまいかも♪」
「この、くっきーというのも、悪くはないな」
ファシナラもお菓子を頬張り、どうやら好評のようです。
仲間たちへもコーヒーを注いで回り、しんと冷えた空気へ、ほっ、とあたたかい吐息を漏らしたところで。由貴奈が改めて、口を開きました。
「さてさて。ねぇファシーさん、ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「何だ?」
そう。彼らには、もうひとつ、夫妻へ尋ねておかなければならないことがありました。
「うちらは、訳あってこの場所に迷い込んじゃってねぇ……」
手招きすると、とてとてとやってくる人懐こい白黒猫。アルクがひょいっ、と膝に乗ると、由貴奈はその頭をくりくりと撫でてから、首元を覆っているハンカチをするりと解いて、夜気の中へとそれを晒して見せました。
「うちらが前にいたところにも、これと同じ宝石があったんだよねぇ。ファシーさんも、同じのを持ってるみたいだから。ちょっと、見せてもらえないかなぁ?」
「……! それは」
アルクが身に着けた首輪に提げられている、宝石。茜色。
少しばかり目を見開いたファシナラの胸元にも、同じものを取り付けたペンダントが揺れているのを、彼らは見ていたのです。
「ほう。他にも、これと同じ石があったのか。ふたつと無い物だと聞かされていたが」
ファシナラはペンダントを首から外し、手のひらに乗せて見せてくれました。
それは、アルクの持つ透き通った茜色と比べると、内包する光はいくらか鈍いものであるように見えます……けれど、純度の違いはあるにしろ、やはり同じ茜色。ローシルティウムに間違いないようです。
首を傾げたのは、
志波 武道
。
「ふーむ。俺たち、この石を道しるべに飛んでるのかな? この世界にもあるってことはサ……次に行く世界にもこいつがあれば、確定なんだろうが」
「こうやって共通したものが存在してる以上、気紛れで飛ばされてるわけじゃ無さそうだよねぃ」
横合いから覗き込み、何か変わったところは無いかと観察する
呉井 陽太
。彼にうなずき、武道はファシナラへ、
「これ、どこで手に入れたんです?」
「ああ。こいつは俺の部族に代々伝わるもので、父から譲り受けた。『ローシルティウム』、と呼ばれている」
「……ここでも、ローシルティウム、呼ぶですか?」
フィリップ・ヨソナラ
が手帳を取り出し、彼らの言葉で綴りを書いてもらうよう頼むと、快くうなずきファシナラがそこへ書き付けた文字は、馴染んだ日本語とも、また以前に訪れたあの海と空の世界で使われていた言語とも、全く異なるもののように見えました。
けれど呼び名は、ローシルティウム。何故だか、その音に変わりは無いようです。
「この宝石、いったい何なんだろう……」
ふにゃ、と眠そうにあくびをしたアルクの喉をころころとやりながら、
鈴原 天音
が不思議そうにつぶやいたのを受けてか、
毒島 林檎
が、
「これについて、知っていることがあれば、教えてくれないか?(『アルクちゃんの、手がかりになるかもしれないの! お願いしますっ』)」
頼み込むと、何故かファシナラは眉を下げて、どこか憮然とした表情を浮かべました。どこかバツが悪そうで、照れ臭そうにも見えます。
「知っていること……か? まぁ、あるにはある……が」
「なァに赤くなってンの、ファシナラ? いいじゃないのよ、見せつけてあげればさ♪」
横合いから口を挟んだニヴィエが、にい、悪戯っぽくからからと笑います。
「……むう……仕方がない。恩人たるお前たちに、見せんわけにもいかんか」
諦めたように言って、ファシナラが荷物袋から取り出したのは、小さなカンテラ。その中へ、小袋に入ったきらきらと光る赤い砂のようなものをひと摘みさらりと落とし、たき火の火を移した小枝を差し入れて、灯せば。
瞬く間に広がった、幻想的なその光景……彼らは揃って目を丸くし、その思いを代表するかのように、
オーデン・ソル・キャドー
が感嘆の情を表しました。
「……エクセラン! この石に、こんな機能があったとは」
茜色の、それは言わば、ホログラフのような。カンテラの放つ赤い光に照らされ、ファシナラのローシルティウムを中心として球状に大きく広がったのは、ぴしりと着飾ったファシナラと、まだお腹も小さく、素朴ながら美しい花嫁衣裳を着たニヴィエの姿……どうやらこれは、結婚式の風景を記録したもののようです。
「ローシルティウムは、
映像を記憶する結晶
だ。複数の霊薬を独自の比率で調合し、その粉末に火を灯し照らすことで、時の残滓を呼び出すことができる。我ら部族に連なる、ある古代の錬金術士がこの石を見つけ、調べ上げ、記憶された風景を映し出す特性とその方法を見つけ出したと伝わっている……が、それも定かではない。何せ何百年と、遠い昔のことだ」
「……遠い、昔?」
八神 修
の足元には、この旅に同行することとなった、子猫のブラック。アルクとたいそう仲良くなったらしい子猫は、隙あらばたがいにじゃれあって遊んでいます。
修は、思案するそぶり。思い出すのは、海辺の街にて話しかけてきた、漁師の語っていた言葉です。
「あちらでは、ローシルティウムは50年ほど前に、突然空から降ってきたという話だったが……ここでは、そうではないのか」
「空から? いや、そういう話は聞かんな。何の変哲もない土くれの中から、こいつは唐突に、ぽろりと出てきたそうだ」
同じく茜色の宝石は存在しつつも、片や普遍的に存在する、新しい照明として。片や連綿と伝えられてきた、神秘の映像記録装置として。ふたつの世界におけるそれらは、確かに同じ茜色を放ちながらも、意味合いを大きく違えているようです。
目の前には、夜の月明りの中でゆらゆらと、大勢の親族たちに囲まれ幸せそうな、満面の笑顔の花嫁、ニヴィエ。かちかちに緊張した面持ちの、ファシナラ。
ふ……と、その映像が唐突に消え失せ、振り返ればファシナラが、カンテラをてきぱきと片付けながらに言いました。
「まぁ、なんだ。もういいだろう……あまり、見るな」
「あッはは、照れてやーンの」
謎、疑問は未だ晴れず……けれど快活なニヴィエの笑いが夜空へ響き、一同にも冷え込む空気を忘れたように、自然と笑みが並びました。
ぱちぱち、ぱちと枯れた木々が灯す頼りないたき火の明かりが、更けていく夜が完全なる闇へと沈み込むのを、かろうじて止めています。
やがて眠りについた彼らは、けれど、昼間の疲れを十分に癒せるほどに、熟睡することはできませんでした。
大岩の縁から眼下を覗けば、見つけることができたでしょう……暗く、赤く、無数の光が、夜闇の中を這いまわり、徐々に集いつつあったことを。
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墨谷幽
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さまよいアルク 第一章~蒼空へ漕ぎ出す漁夫たちの豊漁祭
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月25日
参加申し込みの期限
2015年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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