this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
【荒れ野を行く】
じりじり、と。
頭上に大きな、双子の太陽。降り注ぐ強烈な日光と、足元に延々と続く熱された赤土の相乗効果が肌を焼くこの暑さはまるで、巨大な電子レンジの中を歩くかのよう。
吹き付ける横風は常に砂まじりで、ともすれば服の中にまで容易に入り込み、時折叩き付けるような突風にあおられれば、目を開けることも躊躇われるほど。
命ある者には生きにくい荒野を、彼らはごくゆっくりとした足取りで、けれど着実に進みます。
「これで、良し……キツくない?」
「ん、大丈夫よー。カーサちゃんだっけ、あンがとね!」
旅する夫妻のうち、妻、ニヴィエの頭へ布を巻き付けてあげると、過酷な道程にも関わらず向けられた開けっぴろげな笑顔に、
恵御納 夏朝
はこくりとうなずき返しました。
あまりにも厳しい、この環境です。日射病や熱中症の危険へすぐにも思い至った夏朝は、仲間たちへも同様の対策を勧め、おかげで彼らの多くは今、タオルやら上着やらで入念に頭部を覆っています。全員へ行き渡るように配った塩飴も、この道行きにはありがたい心配りでした。
「あはは、これでそっちの白黒ニャンコちゃんとも、お揃いだわね!」
「アルク、似合ってるよ……?」
けらけらと笑う彼女の目線は、白黒猫へ。寝子島からの旅人たちにとって、この不思議な旅の導き手である、アルク……その頭には、同じく夏朝の手で、ターバンよろしくくるくると布が巻き付けられています。
彼が今、にわかにすっぽりと収まっているのは
御剣 刀
の腕の中で、その首元へ、
弘明寺 能美子
が手を伸ばし、
「ほら、動かないで、アルク。この宝石も、隠しておかないと」
ふにゃ、と身じろぎするアルクの、首輪にはめられた茜色の宝石を、ハンカチできゅっと覆い隠します。
先ほどの襲撃。あの小さな、そして恐ろしい影のような敵を、夫妻は、『屍人』……スカベンジャー、と呼びました。文字通り、ただの腐肉漁りであったはずの彼らは、何が原因か今や野盗のごとく危険な存在であり、そして光物を好むという彼らが獲物の命のみならず、アルクの持つ希少な宝石へもまた手を伸ばそうとしていたのを、仲間たちも目撃していたのです。
「しかし、すごいところだな……わぷ」
能美子がその作業を終えるまで、アルクの両脇に手を入れて支えつつ、刀は、横殴りの風によって口の中へ飛び込んできた赤土に、辟易とした表情を浮かべます。
そしてぽつり、つぶやきました。
「アルクの飼い主ってやつは、こんな光景も、アルクに見せたかったんだろうか……」
「……どうなのかしらね。アルクには、とても愛情を注いでいたように感じたけど……」
未だ、この旅の真実を示す何かしらを、見定めることはできません。能美子が
ろっこんによって垣間見た
、アルクの飼い主であろう人物の幼くも強い想いであったり、茜色の宝石、名を『
ローシルティウム
』というこの不可思議な石であったり……いくつかのピースを見出しながらも、そこに何らかの繋がりを見つけることはできません。今は、まだ。
ともかくも。目の前の疑問に沈黙へ落ちかけた彼らへと、
壬生 由貴奈
が声をかけ、
「まーとりあえず、今は早いところ街まで、ファシーさんとニヴィさんを送り届けることだよねぇ」
彼女がのんびり、ふたりをそんなあだ名で呼ぶと、険しい道行きもほんの少し、明るくなるように思えます。
見れば上空、まるで由貴奈の言葉に応えるかのようなタイミングで、こちらへと手を振ったのは、
三夜 茜
。飛行を可能とする彼女のろっこんや、あるいは斥候役を買って出た
呉井 陽太
の目端などがあるおかげで、今のところは、再度の襲撃に晒される心配は無いと分かりました。
「っと、と、と……!」
「大丈夫? ニヴィさん」
「無理せず、ほら、掴まって……」
よろめいたニヴィエを左右から支える由貴奈と、
鴻上 彰尋
。
彰尋には、彼女が愛おしそうに抱える膨らんだお腹を眺めていると、思い出される光景がありました。母が双子の弟妹を身ごもっていた頃……何もできなかった自分。母の苦しそうな顔や、彰尋が兄となったあの瞬間の安堵と、喜び。
(……今度は、助けてあげたい)
手を取り、ごつごつとした岩へ足を乗せる手助けをしながら妊婦を労われば、彼女、ニヴィエは彰尋へも、にか! と歯を見せ笑ってくれるのです。
「このへんは、大丈夫みたいですよぅ」
「ああ。助かる」
一行に先んじて道の安全を確認していた陽太が戻ると、夫、ファシナラは周囲へ鋭く目線を走らせながらも、小さく頭を下げました。そして彼は、向かい風に目を細めながらに真上を見上げて、
「……見たことのない術だな。この砂風の中を、ああも自在に飛翔するとは。お前たちは、名のある術士なのか?」
10メートルほどの高さであたりを警戒する茜の姿を、目を細めて見つめ、尋ねました。
彼は茜の翼を見てもそれほどに驚愕したようなそぶりは無く、その口ぶりからは、この世界にもまた、ろっこんなどに類似するものがあるように聞こえます。けれど陽太は、その問いには何と答えたものやら、
「えーっと、じゅつし? やー、オレもさっきここに来たばっかりで、何が何やらで……」
「いや。まあいい、詮索はすまいよ。お前たちが我々の助けとなってくれる、この幸運に感謝するのみだ」
仲間たちの中には見知った間柄の、例えば
志波 武道
のような友人もおり、今さっきこの荒野へ放り出された陽太もまた、ひと通りの状況を把握してはいます。
そして彼らとの、共通する認識もまた。今はこの夫妻、ファシナラとニヴィエを、目的地たる『西の町』へと無事に送り届けること。それこそが、何より重要な目的でした。
「うわぁ、おっきな岩! どうやって向こうに行こうか?」
鴇波 羽衣
が見上げたのは、ちょっとした渓谷のような地形の道行きを塞ぐ、赤土にまみれた巨岩です。
「これは、いささか骨が折れるな……」
ファシナラがちらと後方を振り返ると、助っ人たちに付き添われた身重の妻ニヴィエが、ゆっくり、ゆっくりとやってくるところです。誰の目にも、彼女がこの岩を乗り越えるのには、相応の負担を負うだろうことが分かります。
けれど、振り返った羽衣の隣で、
「修くん、何か良いアイディアはある?」
「そうだな。俺のろっこんで分解しても良いが、時間がかかりすぎるか。こういう局面で、役に立つのは……」
八神 修
が、慣れない環境に少しばかり落ち着かない声を上げる子猫のブラックを撫でつけながら、彼女たちを示しました。
「はいはーい、私たちの出番ですねー!」
「ああ、頼めるか?」
名乗りを上げたのは、
屋敷野 梢
。それに、アルクを抱いてやってきた、夏朝も。
「うん……僕たちのろっこんで、運ぶよ」
彼女らふたりの能力が、まさしくこんな場面においては、大変に役に立つのです。
お腹を抱えてやってきて、夫に並んだニヴィエと、
「ふう、ふう……よいしょっと。あら、こりゃまたデッカイ岩だわね。どうすンの、ファシナラ?」
「ふむ……」
思案するファシナラの前で。
「大丈夫ですよー。まずはおふたりの荷物を、こうしちゃいまーす!」
梢が見つめた、食料や水など諸々の旅道具を詰めた布袋が、見る間に……ひらひら。一匹の美しい蝶へと変わり、ぱたぱたと羽をはためかせながら、ぴ、と立てた梢の指先へと止まりました。
「ニヴィエさんには、これを……」
目をぱちくりとしばたかせたニヴィエの袖をまくり、腕へぺたりと夏朝が貼り付けたのは、ねこシール。
「わ、ウソ、えっ!? なになに、アンタたちって、術士だったの? すごいすごい!」
彼女のろっこんのキーとなるシールを貼り付けられ、羽のように軽くなったニヴィエの身体を、夏朝が事も無げにひょいと持ち上げてみせると、夫妻は顔を見合わせて、
「……お前たちを我々の元へ遣わしてくれたのは、いずこの神か……」
「カッタいんだから、アンタはもう。こーいう時はね、にっこり笑って、素直に言っとくモンよ」
赤土を巻き上げる風の真っ只中で。言葉通り、まるでひまわりが咲くように明るく朗らかに、ニヴィエは彼らへと笑うのです。
「ありがとね、アンタたち! メーワクかけちゃうけど、街までよろしくね?」
「はーい、任せてくださーい!」
「うん。絶対に、僕たちが……貴方たち『3人』を、送り届けるから」
梢と夏朝の能力、それに彼ら、仲間たちの気遣いもまた。強風吹き荒ぶ赤土の荒野を行く夫妻へ、それらは決して小さくない希望と、勇気を与えていたはずです。
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
さまよいアルク 第一章~蒼空へ漕ぎ出す漁夫たちの豊漁祭
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月25日
参加申し込みの期限
2015年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!