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【ハロウィン】ミッドナイト・フリーキー・ツアーズ!
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【少女の見た夢】
(捉えどころが無い、って言うのか……妙な奴だよな)
そうは思いながらも、級友というところには、大いに親近感が湧いてしまったもので。
霧生 深雪
は、彼女が一体どういう人物なのかと、いささかの警戒も交えながらに観察しているところです。
見ていると、
毒島 虹子
と楽しげにはしゃいでいる様子は、普通の少女のように見えなくも無いのですけれど。
「そうそう! 一度、聞いてみたかったんです。今まで放送した番組で、一番反響が大きかったのは、どのお話でしたか?」
「そうですね、わたくしはどれも気に入っておりますけれど……先日放送された『
立入禁止
』などは、プロデューサーさんも好評だったと仰っていましたよ」
「ああ、やっぱり。皆さんの浮かべた、あの絶望の表情! 素晴らしかったですわぁ」
「ええ、そうでしょう? わたくしも楽しかったです、んふふっ」
どうやら少々、エキセントリックなところもある様子……もっとも虹子がそうであるように、もともと芸術科には個性的な生徒が多い、というのは、深雪も認めるところではありましたけれど。
ふと傍らで口を開いた、
八神 修
。
「あの番組に、この場所。不可思議な品々……興味は尽きないが。やはり気になるのは、貴女だ」
深雪と同じくして、修にとっての好奇心の対象は、秘子自身です。
「もちろん、女性の秘密を根掘り葉掘りと聞き出すような趣味はありません。ただ、知りたいと思ってしまう。それだけ、魅力的な存在だと言うことでしょうね」
「まぁ、お上手ですね?」
「気になるんですよ、貴女が番組の司会を務めているのはなぜなのか? そもそもあれは何のための番組なのか、製作意図は? そして……」
修の尋ねたいことは、深雪にとっても同じのようでした。思わず言葉を継ぐように、ぽつりと……気付けば、彼女へ尋ねていました。
「お前、一体、何者なんだ……?」
二人に、真っ直ぐに見つめられて。
核心へと迫る問いには、秘子はいつものように、
「……んふふ。今のわたくしは、ただのストーリーテラー。それだけですよ?」
微笑みを浮かべるばかり。
しばし彼らの間には、沈黙が流れて。やがて、
「お二人とも? レディの秘密を知りたがるのは結構ですけれど。少々、慎みが足りませんわよ?」
秘子をかばうようにして、間に立ったのは、虹子でした。終始秘子へ、好意的な視線を寄せている彼女は、
「謎があるからこそ魅力的で、番組だって面白いのですもの……さ、胡乱路さん? 次の品物を案内してくださいな」
「あら、そんなに急がれては、転んでしまいますよ? んふふふ♪」
ぱ、と秘子の手を取って駆け出した虹子。
その背を目で追いつつ、深雪は、
「……ほんと、変わったやつだよな」
「ええ。謎があり、だからこそ魅力的で、追ってみたくなる……なるほど、彼女の言う通りか」
と、修もまだまだ、諦めるつもりは無さそうです。
秘子が、虹子にピッタリ! と太鼓判を押しながらに紹介したのは、一冊の古書でした。
手渡されたそれをめくってみると、ページは全て、まっさらな白紙。
「『
少女の夢物語
』、と呼ばれているものです。物語の舞台、登場人物などを思い浮かべると、詳しいストーリーを自動的に書いてくれるという品なのですけれど……んふふ。どんなイメージであっても、なぜか必ず、陰惨でグロテスクで、救いのない物語になってしまうんです。とある裕福なお嬢様が、お家が没落してしまった際に唯一持ち出すことができたのが、この本だったのだとか」
「まぁ、それは面白そうですわね?」
秘子の説明を聞くなり、虹子はぱらら、と適当なページをめくると、さっそく思い浮かべます。
彼女の望む、物語を。
「そうですわね……舞台は、中世。主人公は見目麗しい、美しい貴族の少女……」
途端。じわ、じわりと白紙のページへ、黒インクを羽ペンで走らせたような流麗な文字が浮かび上がり、虹子はそれを読み上げます。
「『あるところに、ひとりの少女がおりました』」
蝶よ花よと育てられた、貴族のご令嬢である少女はお年頃で、美しく成長した彼女の元へは毎日のように求婚者がやってきては、愛を囁きます。
けれど少女はそんな毎日に、うんざり! 彼女の住む城にはたくさんの書物があり、特に胸躍る壮大な冒険物語に憧れを抱いていた少女には、折り目正しく貧相な貴族の息子たちは、物足りなかったのです。
明るく快活、活発な少女はある時、決意します。あの素晴らしい物語たちのように、自分もこの窮屈な城を飛び出して、冒険の旅に出かけよう! そしてワイルドで素敵な男性と運命的に出会い、一緒に旅をして、時には悪辣な盗賊たちを共に蹴散らし、時には恐ろしいドラゴンをやっつけて……そんなわくわくとする旅へ、出かけよう!
少女は夜中に城を抜け出し、意気揚々と駆け出します。
初めてのひとり旅は、お嬢様である彼女には険しいものでしたけれど、もちろんそれも気になりません。それ以上に、自由であることの素晴らしさや感動で、少女の胸はいっぱいだったのです。
「『そうして旅を続ける少女が、ある山の中で、道に迷ってしまった時のこと。運命的な出会いが、彼女を待っていました』」
道案内を買って出たその男は、お城では見たことが無いような粗野な人柄で、けれど優しい、素敵な男性に見えました。
茶目っ気のある男との話は弾み、山を下りる頃にはすっかり、少女は彼に惹かれていました。今までに出会ったことのない、貧相な貴族の息子たちとは違うワイルドな魅力が、彼女を虜にしてしまったのです。
「『……けれど。少女は貴族のご令嬢で、どうしようもなく箱入り娘でした。彼女に人を見る目はありませんでした……男は、凶悪な盗賊団の頭目だったのです』」
「あら、んふふ。面白くなってきましたね」
ふもとの街へたどり着いた途端、正体を現した男。その豹変振りに少女は怯え、言われるがまま、成すがまま。いくらの時も経たないうちに、少女は奴隷商人へと売り払われてしまいました。
その後の少女のたどった道は、悲劇のひと言。貴族の令嬢から奴隷へと転じた彼女を買ったのは、でっぷりと太った醜い男。少女は、泣き叫びながらの抵抗も空しく陵辱され、監禁され、そのまま数年間が過ぎました。子を孕んだのを機に別の男へと売り払われた少女は、さらに数年間を奴隷として過ごしました。途中で産んだ子とは引き離され、その行方は知れませんでしたけれど、その頃には少女はもはや、それを顧みることもできないほどに磨耗し、衰弱していました。
さらに数年の後、美しい少女から単なる干からびた女性となった彼女は解放され、道端へと捨てられました。冷たい風にさらされながら見上げた城は、かつて住んでいたあのお城でしたけれど、彼女にはもうそれも分かりません。
思い出すのは、あたたかいかがり火のような希望。あの素晴らしい物語の数々……けれど世間知らずな彼女は、知りませんでした。この世には、討ち倒すべき竜などどこにも存在しないことを。
「『彼女は道端で、運命の男性と共に勇ましくドラゴンへ立ち向かう夢を見ながら、冷たくなっていきました』……めでたし、めでたし」
「んふふ。ご満足いただけましたか?」
「ええ、素晴らしかったですわ!」
虹子はにっこりと笑って、本を閉じました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月12日
参加申し込みの期限
2015年05月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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