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<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
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●海賊女王の船長室
怒号に続き、何かが倒れる音。
それを聞き、部屋に飛び込んだ
桜庭 円
がまず目にしたもの――それは、床に散らばる金貨だった。
飛鳥が拾ったのと同じ、波の模様の金貨である。
円が入って来た側と真反対側にも扉があり、そこから同じように怒号を聞きつけた青班の面々が飛び込んでくる。この部屋を見た途端、
マウル・赤城・スティック
が呟いた言葉が印象的だった。
「船長室……?」
そうなのだ。
ここまでの黒い石造りの通路とはまったく雰囲気が違う。
ニスの剥げた木の床。作り付けの木の戸棚。部屋の中央にはどっしりとした四角いテーブルがあり、壁には海図のような地図が何枚も貼られている。重たい色の房付きカーテンのかかった窓。その隣に舵輪をモチーフにした丸いオブジェ。無造作に掛けられたオリエンタルな柄の赤い外套。机の上には皿のように大きな羅針盤と黒い細身の望遠鏡。天井からぶら下がる赤いランプがゆうらり、ゆうらり、と規則正しく揺れていて、まるで部屋中が波に揺られているような、そんな錯覚がおこる。
――いや、本当に揺れてはいないだろうか。すこし眩暈がするのだが。
床に散らばる金貨の中に、
二宮 風太
が倒れている。
「財宝より命の方が大事だよ」
金貨には目もくれず、
恵御納 夏朝
が風太に駆け寄る。
その傍に長持ちのような箱があった。箱の蓋は乱暴に床に落ちていた。誰かが蹴り倒したのだ。
装飾的な彫り物の施された宝箱のような具合だったが、円にはまるで棺のように見えた。金貨はそこから零れたらしい。箱の縁から白い腕がだらりとはみ出している。散らばる金貨に塗れて、箱の中に納まっているのは
坂内 梨香
だ。意識を失っているのかまったく動く気配がない。
ブリジット・アーチャー
が金貨を掻き分け梨香の身体を抱き起こす。
それから顔をあげ、数刻ぶりの友人の姿に気づき、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「円!」
円も応えて、お互い無事でよかったと頷く。
円はすばやくみんなの様子を探った。そして今のところ宝箱の中の宝をくすねようという者がいないことに小さく安堵の吐息を漏らす。
(財宝をどうこうしようなんて考えない方がいい)と円ははじめから思っていた。
(ボクたちは何かの意思に招待されたんだ。ボクたちは今試されてる。盗人か、そうでないのか)
そして――今まさに緊迫している彼らへと目を向ける。
テーブルの向こう、豪奢な背もたれのついた木の椅子に腰かけているのは、冠やら首飾りやら恐ろしいほどの金銀財宝を身に纏った、まさに女王の貫録を備えた木乃伊。
その木乃伊の顎にスコップの先を突き付けているのは
骨削 瓢
。
その瓢の喉元に
御剣 刀
が木刀を突き付けている。
「……」
スコップはいつでも木乃伊の首を跳ね飛ばせる位置そのままに、瓢は刀を横目で流し見る。
「これはどういうつもりだい、御剣はん?」
「それはこっちが聞きたいな、骨削。いったい何を企んでいる?」
「何を……ってやだねぇ、あっしはそんなに信用ならないかね?」
「俺たち全員を出しぬいて敵に回そうっていうなら……」
瓢は鼻で笑ってその先を制した。
「やれやれ。そういう過大な評価をいただけるのは恐悦至極だが、その竹刀を振うのはもう少し先にしとくれ。あっしは何よりもまず、こいつの話を聞きたいんでね」
スコップの先で、木乃伊の首をくい、と持ち上げ、瓢はわずかに語気を強める。
「あんたが海賊女王かい? 挨拶無用、用件を言え」
木乃伊が死して長い年月経たものであることは明らかだ。それでも瓢は確信を持って先を続ける。
「盗人は消しておいて前置きと罠で知恵比べを申し込んでいる。
人を試しておいて、やったねはい賞品。じゃあなかろ?
此処までたどり着いた精鋭にやっかいな頼み事でもあるのかい? そしてその見返りは?」
間があった。当然だ。けれど、何故だろう。
この場にいる者たちは押し黙って成り行きを見守っていた。
この不思議な空間では、瓢の問いかけが届くような、そんな気がした。
『女王と呼ばれる存在はいる』――出発の際の円の言葉が、みんなの心のどこかに引っかかっていたのだ。
やがて。
くくく……と笑い声が響く。
「木乃伊が……」
瓢と刀のやりとりをハラハラしながら見守っていた
伊藤 佳奈
は、それきり喉の奥で息を呑む。
刀は無言で二本目の木刀を抜き、瓢同様、木乃伊に向ける。
木乃伊の姿がみるみる変貌を遂げてゆく。
瑞々しい肌に。黒くつややかな黒髪に。
「ちょ、ちょっと!」
悲鳴に似た声をあげたのは梨香を抱き起していたブリジットだった。
梨香だと思っていた箱の中の身体がみるみる萎れ、水気を失い、乾いた木乃伊へと変貌してゆく――。
「なんなのこれ!」
――答える者はない。
わかっているのは、いまや椅子に腰をかけ、瓢のスコップと刀の木刀を突き付けられているのは、凛々しくも女海賊の格好をした
坂内 梨香
その人だということだ。
「なんだ、生きてたか~残念」
瓢は相変わらず飄々とした調子で、若々しく変貌を遂げた女に語りかける。
「だが生きてたからには説明していただかんといけん事が山ほどあるよぃ。こいつぁ、あんたの血族の仕業かい、坂内はん?」
「坂内? ……ほう、この娘、坂内と申すか」
女は、くくく、と喉の奥で笑った。
「それはたしかに血族やもしれぬのう……存外、我とよく馴染むので驚いておったところだ」
明らかに梨香とは違う低い語り口。瓢の中に違和感が蘇る。
「違うな……あんたぁ、誰だい?」
「くく、そなたはこう呼んだではないか。海賊女王と。その呼び名、気に入った。あるいは、こう呼んでもよいぞ……『亡霊』、と」
「なるほど。あんたの本当の身体はそっちで」
と瓢は棺の中の木乃伊を顎で指し、それから改めて海賊女王をねめつけ。
「いまは坂内はんの身体を乗っ取ってるってわけかい」
海賊女王は成り行きでな、と笑った。
「――我こそがこの部屋の主。そしてそなたたちをここに招き入れたのも我じゃ」
「大変だ。道が……!」
男が部屋に飛び込んできた。大柄で逞しい筋肉のついた上半身で、身に纏っているのはハーフパンツのみ。
もちろん蛇那伊じゃない!
「……だ、誰なのだ?」
後木 真央
が見上げる。その手にしている杖には見覚えが……。
「ん? 梅だが?」
「梅おばぁ!?」
その屈強な男、
竹松 梅
がろっこん<怒張する魂>で変身した姿だったのである!
「それで。大変とは?」
八神 修
は梅の変身を知ってなお狼狽えることなく丁重に尋ねる。
「そうだ、見てくれ。ここまで上って来た道が、消えてしまったのだよ!」
梅の云うとおり、扉の向こうは白い闇に包まれていた。
この船長室だけが、ぽつりと浮かんで存在している。
いったいこれはどうしたことなのか。すべてがまやかしだったのか。いったいどこから……?
「いやだわ、こんなのぜんぜん論理的じゃない。いったいどうなってるのよ」
ブリジットは腹を立てていた。
腕の中で変貌してしまった、もの云わぬ木乃伊に。
好んで読むミステリ小説ではありえない理不尽な展開に。
「んもう!」
木乃伊を乱暴に棺の中に押し込む。
それから目の前をひらひらと横切る黒い揚羽蝶をうっとおしげに払い――、
「揚羽蝶?」
蝶はブリジットの手をひらりと避け、招くように一度その場で円を描くと部屋の隅へと飛んで行く。
蝶の行く手を目で追う。
足を鎖で固定された黒いチェストがある。三つある引き出しの一番下の取っ手に、蝶が止まる。
ブリジットは気づいた。
(引き出しが……薄く開いてる?)
肩に手が置かれる感触。
どきっとして振り向くと円だった。視線で分かる。同じように蝶に気づいているのだ。
幸い、チェストの位置は、大きな机を挟んで海賊女王の死角。
円とブリジットは目配せし合うと、息を詰め、身を屈めて動く。
ブリジットが取っ手に手をかけると、蝶は今度は薄く開いた隙間から引き出しの中へ。
(何かあるの?)
音を立てぬようゆっくりと引く。
中央に丸く焦げ跡の空いた、革表紙の書類が入っている。
『紅 海日誌』
――表紙には金の箔でそう書かれていた。抜けているところは焦げ跡と被って欠けているのだ。
(これは……)
ブリジットは蝶を見る。
(お役に立てましたかー?)
そんな風にひらひらと旋回して、蝶――
屋敷野 梢
は、その場を飛び去った。
ブリジットはそっと書類を取り出した。
開いてみる。
中身も半分以上が煤けて、失われていた。
何か書かれていた痕跡はあるのだが、残っている部分が少なすぎる。
だめね、とブリジットは円に向かって首を振る。
諦めきれない円が視線を彷徨わせたとき、心配そうに見守る
弘明寺 能美子
と目が合った。
(……そうだ、能美子ちゃんなら!)
瓢と刀と海賊女王の緊迫状態はまだ続いている。
円は小さく能美子を手招きした。
事情を察した能美子は黙って焦げた革表紙の書類を手に取る。
じっと、見つめる。
こんなふうになってしまう前。
いったいどんな姿をしていたのか。
そこに、何が書かれていたのか――。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月27日
参加申し込みの期限
2014年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月04日 11時00分
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