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<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
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●海賊女王のいざない
「何をしている!」
海賊女王の鋭い声が飛んだ。
弘明寺 能美子
は我に返った。
海賊女王は刀の木刀を蹴り飛ばし、椅子から立ち上がるや瓢のスコップを奪うと、だんっと音を立ててテーブルを乗り越え、能美子の前に着地する。スコップのきっさきが鋭く能美子に向けられる。
円が咄嗟にトンファーを構え、能美子を庇うよう立ちはだかる。
「能美子ちゃんを怪我させたら許さない」
「円ちゃ……」
能美子は感激で胸がいっぱいになった。いつものように桜庭さん、なんて取り繕うゆとりはなかった。友人の勇気に応えなければ、という思いが込み上げる。
これが航海日誌であるのなら、そしてこの部屋が船長室で、その主が海賊女王であるというのなら、彼女こそがこの日誌を書いた人物であろうことは容易に想像がつく。
(私は、私が知ったことをみんなに伝えなければならないんだわ。
この人は、海賊で、船長で、ひとりの女で、母親だったということを)
ひとつ深呼吸して、能美子は凛と背筋を伸ばした。
かつて、スポットライトを浴びていたときのように堂々と。
「坂内 コウ、というのがあなたの名前なのね……」
海賊女王ははじめて、驚いたように大きく目を見開いた。
能美子は棺の中の干からびた木乃伊の手を取り、それから、
坂内 梨香
の姿をした海賊女王に目を向ける。
「たしか……桜庭さんが持ってる本に『鈴島海賊の最後の首領は女で、遠い海で消息を絶った』とあったそうだけれど、それはあなたなのね」
「ほう……?」
海賊女王は目を細める。何故それを知っているのか、という顔で。
能美子はその視線にすこしたじろいだ。けれど勇気を出して、焦げ目のついた書類を見せる。
「こ、これを『視た』のよ」
そういうと能美子は知り得たことをかいつまんでみんなに話して聞かせる。
「あなたは絶海の宝島へ辿り着き、その帰りに別の海賊に襲われた……その先が知りたいわ。そのあと、いったいどうなったの?」
「生き残ったんだ……」そう呟いたのは
桜庭 円
だ。
「遠い海で消息を絶ったと思われていたけど、誰にも知られずに戻ってきていた……そうだよね?」
「なぜわかるの?」
ブリジット・アーチャー
が肘でつつく。
「だって、この見たことない金貨、その宝島のものなんでしょ? それと一緒にここに海賊女王の木乃伊があるってことは、少なくともここまでは戻ってきたんじゃない? 違う?」
「フッ……ハハハハ!」
海賊女王はひどく感心した様子で笑い声をあげた。
「すばらしい。それでこそ我が見込んだ者たちじゃ!」
八神 修
が歩み出て、落ち着いた声で海賊女王に問いただす。
「俺たちは試練をクリアした。そうだろ? もう正直に教えてほしい。俺たちに何を望んでいるのか」
「うむ。――いや、その前に先の質問に答えておこう。
そう――もう何百年も昔の話じゃ。我が紅梟号は、あの島からの帰途の途中で、いまいましき『漆黒の海蛇号』の襲撃に遭った。危険を感じた我は、船員と宝の半分と……我が幼き娘を船から逃がし、囮となって嵐の中に突っ込んだ。結論から云うと、我々は生き残り、海蛇号は嵐に沈んだのだ。
故郷である鈴島に辿り着いたのはそれからひと月も経った頃だったか……。3年ぶりの故郷はすっかり様変わりしていた。鈴島海賊の名は廃れ、島は無人だった。それもそうだ。私は動ける者のほとんどを連れて行っていたし、彼らの多くは海の藻屑と消えてしまったのだからな。
娘や別れた仲間の姿もなかった。我の判断は間違いで……あの海で生き残らなかったのかもしれぬ。……いや、そうではないと信じたい。きっとどこかで助かったに違いないのだ。
我は鈴島で待ちたかった。しかし出来なかった。海蛇号との戦いで、我は手ひどい傷を受けた。その傷のせいで、我の命は風前のともしびであったのだ。
我は考えた。いつか来るかもしれぬ娘や仲間たちのために出来ることはなにか――。
船を残すことだ、と思った。紅梟号があれば、あの島に帰ることができる。娘はあの島の生まれだ。父のいるあの島に帰りさえすれば……今思えば母心であったな」
海賊女王は自嘲気味に笑う。
「そこな緑の髪の娘」と彼女は円を見た。
「聞いておったぞ。ここが隠し港ではないか、――と云ったな」
「本当に隠し港なの?」と円。
「はは、当たらずとも遠からずだな。
我が紅梟号は吃水が浅い、つまり船底の水面下になる部分が少ないのが自慢でな。あまり深くない入江や湾にも入り込める。我ら海賊家業を営む者に隠れ家が必須なのはわかるだろう? 鈴島はあまりに小さい。ゆえに寝子島にそういう場所をいくつか用意してあったのだ。雨のあと、満潮、このふたつの条件が揃えば天宵川を遡ることも可能だと、我は知っておったのだよ。
我はここに船を隠した。
そして――ああ、我はすべてを知るわけではない。
我が死して、つい近ごろ目覚めるまでのことは何も知らぬ。
だが……わかることもある。娘は来なかったのだ。船が未だここにあるということはな」
女王はそういうと修を、それからその場にいる一同をぐるりと見渡した。
「そなたらを試すような真似をした非礼を詫びよう。そなたらを見込んで、頼む。
我が願いはふたつ。
ひとつめは、我が隠した『眠れる紅梟号』を起こす手伝いをしてほしい。
ふたつめは、――我は夫のいる宝の島で眠りたい。そなたら、我をあの島に連れていってはくれぬか
」
「何故、俺たちに?」と修が訊く。
「いま我の目の前にいるからよ。そなたらは我が試練を乗り越えた。そして、盗人でないことも、仲間どうし協力しあえることも、冒険に出るのに充分なだけの知恵や力を持つことも、我に証明してみせた。我が待っていたのは、そなたらのような者たちなのだ。あの島に行くには船がいる。船を動かすには人がいる。我ひとりでは出来ぬのでな」
「でもひどいよ。この子や坂内先輩を人質に取る様な真似をして……」
風太を抱えていた
恵御納 夏朝
が女王の尊大な物言いに異を唱える。
「それとも、坂内先輩が血族だと知っててそうしたの? 全部ふたりで仕組んだこと? だったら僕は、」
女王は夏朝の言葉を遮る。
「いや娘、そうではない。すべては偶々だったのだ。入り口は開いていた。その少年とこの身体の娘は、勝手に落ちたのだよ。――しかし、今となっては必然のようにも思えてくる。我と、そなたらとが出会うためのな」
海賊女王は能美子に向けていたスコップを下ろし、瓢に返した。
「――見返りは、と云ったな。我と共に大海原に乗り出すつもりのある者には、まず手付金として金貨一枚」
女王が弾いた波模様の金貨を掴み、瓢はつまらなそうに噛んでみる。
「これっぽっちかい?」
「我とともに冒険に出れば、この何倍、いや何十倍もの宝を目にすることも出来ようぞ」
「ひとつ聞くが、その宝は寝子島にあるのかい?」
「なぜそう思う?」
「
赤い寝子島の壁画を見たのさ。
あっしらが根城にしてる、地下帝国ってとこでね。宝の在り処を示す地図だと思ってたが、違うのかね」
それを聞くと、海賊女王は高く笑った。
「赤い寝子島!」
「壁画とな。そんなものがあるのか。――いや、くくく……まさに、まさに」
愉快そうに肩を揺らして笑ったのち、女王は穏やかに顔をあげる。
「我はこれより赤い寝子島にそなたらをいざなおうというのだ。そこに我が隠した宝、紅梟号が眠っている。船がなくては宝島に行き着くこともできぬ。まず、船なのだ」
天井からぶら下がる赤いランプが、相変わらずゆうらり、ゆうらりと揺れていた。
「我とともに行こうという者は……」
ランプの横揺れが大きくなる。
円を描くようにゆうらり、ゆうらり……。
部屋中が大波に揺られているかのようだ。
眩暈がする。
「
……手を伸ばせ……
……金貨を取れ……
」
女王の声が、徐々に遠のき。
いつしか手の中には冷たい金貨。
ごろごろ、と遠くで雷のような音が聞こえる。
稲光が――稲光?――重たい色の房付きカーテンのかかった窓から差し込んだ。
窓の前に立つ梨香の姿をした女王が、一瞬、すらりと背の高い長髪の女海賊の姿とだぶった。
赤いランプが揺れる、揺れる、揺れる、揺れる……。
意識が遠のく。
立っていられなくなる。
身体が水に濡れたインクのように溶けるような、
自分が魂だけの存在になり、強い力でもぎ取られてゆくような、
そんな感じがした。
……遠ざかる……呑まれてゆく……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月27日
参加申し込みの期限
2014年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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