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<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
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●それは9月のフツウの午后
気持ちのいい風の吹く9月の午后だった。
空はよく晴れていた。ただそれはもう真夏とは違って、高く淡い色をしている。
残暑。遅鳴きのツクツクボウシが一匹、下手くそに鳴いている。
ごくごくフツウの9月の午后、肩まで伸びた金髪をピンクの大きなコサージュ付きカチューシャで飾った
エヴァ・ブランシェ
が、天宵川の川べりで釣り糸を垂れていた。
欧州貴族のように優雅な容姿のエヴァだったが、岩の上に胡坐をかき釣り糸を垂れるその姿にはどこか東洋的な静けさがあった。それもそのはず、日本贔屓の両親に育てられ、幼少期から日本に住んでいたエヴァは、そこいらの日本人より日本的な心を重んじているのだ。
しかも自称冒険家な両親の教えで、いろいろと鍛えられてもいる。ふらっと居なくなったと思えば、どこからか大金を抱えて帰ってくる両親。娘としてそんな両親に不安を覚えないでもないのだが、その血は確実にエヴァにも引き継がれているわけで……。
この釣りもそう。今宵の夕食を釣って来よう、なんて、いまどきの女子高生にはなかなかない発想だ。
くん、と釣り糸に引きがあった。水面に波紋が浮かぶ。
エヴァは僅かに溜めてから釣竿を引き上げる。
15センチほどの銀色の魚が水を跳ね上げ顔を出す。
手早く手繰り寄せ、釣針を外す。
魚なんて怖くて触れない、という女子も多いだろうに、エヴァの手付きは慣れたものだ。
「ふむ……充分ね」
クーラーボックスの中を覗く。なかなかの成果に満足し引き上げる支度をしていると、木々の向こうで鳥が一斉に飛び立つのが見えた。
「なにかしら……なんだかざわついている感じ」
エヴァは森に起こったかすかな異変を感じ取ろうと耳を澄ましてみる。
すると幾人かの少女たちの声が聞こえてきた。
「あやめお姉ちゃんー、こっちこっち!」
「未月ちゃん、一人で先に行っちゃだめですよ。お母さんにも云われたんでしょう?」
下草を踏み鳴らして歩いてくるのは、小学生らしい金髪の少女、
鬼崎 未月
と、その保護者らしき高校生くらいの銀髪の少女、
鬼崎 あやめ
だった。淡い色のキャスケット帽を被った中学生くらいの少女が、楽器ケースを片手にスキップで追いかけている。
「学校で噂になってた九夜山のピラミッド!」
元気なキャスケット帽の少女は、
薄野 九月
だった。持っている楽器ケースの中にはトランペットが入っている。九夜山のピラミッド。あるのかなーと思って――もしなくてもトランペットの練習をして帰ればいいやと思って――学校帰りに来てみたところ、同じ目的の未月、あやめと一緒になったのだった。
ピラミッド……?
エヴァはクーラーボックスと釣竿を担ぐと、少女たちと合流した。
「こんにちは。その話詳しく聞かせて」
「寝子島まいぞー金なんだよー!」と未月が云った。
「埋蔵金かどうかはわかりません、ただ寝子タブに謎のピラミッドが九夜山の麓にあるという記事が出ていたそうで……」あやめが補足する。
「中学校でも噂になってたんだー。ピラミッドだなんて、なんかわくわくしちゃうよー」
九月も興奮した様子だ。
あやめと未月と九月は口々に知っていることをエヴァに語ってきかせた。
未月は埋蔵金探しが趣味で、日夜スコップ片手にあちこち穴掘りして回っていることもわかった。
今日も未月は、パンパンなリュックの他に愛用の折り畳みスコップを宝物みたいに抱えている。
「まいぞー金を一番に見つけるのは私なの! 早く行かなきゃなのに、お母さんってば『大人と一緒に行きなさい』って……」
云いながらちらちらとあやめを見る。一緒に行ってくれそうな大人として、義理の従妹のあやめに白羽の矢をたてた未月は、あやめが看板娘を務める
定食屋『おにざき』
に飛び込むや、涙目でこう頼み込んだのだ。
『……あやめお姉ちゃん、一緒について来てください……駄目?』
あやめの脳裏を、お店のこととか、一応店主であるところのまるで駄目な叔父――略してマダオ――のこととかがよぎった。しかし可愛らしい未月に泣きそうな顔で頼られると突き放すこともできず、結局『わかったから同行するから』と付き合うことになったのである。
「ハァ……マダオ……」
あやめは急に叔父がしっかりやってるか心配になり頭を抱える。
「お姉ちゃん?」
未月がちゅっとあやめのほっぺたにキスをした。
未月にとってキスは軽い親愛の証だった。元気出して。そんな意味のキスだ。
「ありがとう。今更気にしたって仕方ないですね」
どうしようもないマダオの横顔を、未月の可愛い笑顔で上書きして、あやめは気を取りなおした。
そのとき突然、がさがさ、と藪が揺れ動いた。
一斉にそちらを見る。視界に映ったのは茶色っぽい毛並みの大きな獣!
二本足で威嚇するように立つその姿に、少女たちは強張った表情で身構える。
「熊っ!?」
どうでもいい話だが、ヤクザさんは熊に襲われないらしい。「ようよう、俺はお前とやり合う気はねえんだよ」とかなんとか云いながら目力にモノを云わせてじりじりと後ずさりし、充分に距離を取ったところでぱっと逃げると逃げ切れるのだそうだ。だが、もちろんそんなことを試す少女は誰もいなかった。
そして、熊から発せられたのはいきり立った唸り声ではなく、意外にも落ち着いた男の声だったのである。
「あー、悪い。人だ」
少女たちの間からほっと溜め息が漏れる。
「なんだ、猫鳴館自治会長の……」とエヴァが云った。
「ああ……すごく迷子体質だという……」とあやめも云った。
普段から制服の上に熊の毛皮を羽織っている
邪衣 士
は、学内ではそれなりに知られた存在だった。
「どうも」
士は年下の未月と九月に向かって、常識人らしく会釈をした。
「迷ったんですか」
あやめが呆れたように尋ねる。
士はちょっと遠い目をする。
「探検部の活動で噂のピラミッドを見に来たんだが……迷ったのは俺か、それとも探検部の仲間たちか、それが問題だ」
すると、噂をすれば、である。
「おおーい、邪衣ー!」
探検部部長、
龍目 豪
の声だ。部員の
北原 みゆき
の声もする。
「士くーん、迷いすぎだよぅ~!」
少女たちは苦笑い。どうやら士の方が仲間とはぐれて迷ったということのようだ。
赤羽 勇樹
は日課のジョギングをしていた。
彼が目指すのは「正義の味方」。
正義の味方に努力や苦労は欠かせない。いつか誰かを助けるために、日々の鍛練は必要な事だ。
今日は気分を変えていつもより森の中まで踏み込んでみる。
「あれ。こんなとこに人がいるなんて珍し……」
エヴァや探検部一行の姿を見かけた勇樹は、そう呟いて道を引き返そうとする。
そのとき、腰の曲がった老婆が、杖をつきながら慌てた様子で藪の中から飛び出してきた。勇樹は一瞬、山姥かと思ったが、その老婆は山姥よりずっと人が好さそうに見えた。
「ああよかった! 人がおった! お兄ちゃん、お姉ちゃん、手伝っとくれー」
老婆――
竹松 梅
は、たまたま出逢った少年少女たちにすがるように訴えた。
「えらいことになったでー。あの小さい子探したらなあかんわ」
梅の話はこうだった。
九夜山のピラミッドと思われる場所で、小学生の男の子が消えた。
女の子がふたり、ピラミッドのところで待っているから行ってあげて。
自分はもうすこし人を呼んでくるから――。
それを聞いた途端、勇樹の心に火が付いた。
「子供を助けるのは『正義』として当然の事、俺も手伝います!」
その場にいた少年少女たちも同じように頷き、梅から聞いたピラミッドの方角を目指して急ぐ。
しばらく行くと、目の前が開け、緑の丘が現れた。
これこそが噂のピラミッドである。
その前に
桜庭 円
が這いつくばっている。下草の様子を調べているようだ。
「円ちゃん!」
みゆきが手を振ると円も顔をあげ、緑色の髪に絡んだ細かい葉っぱを払った。
「あ、みゆきちゃん! 来てくれたんだ。そっちは? 探検部さんかな?」
「うん。それと、ちょうどピラミッドを見に来ようとして一緒になったみんな。梅さん、っておばあちゃんに会ったよ。何があったか詳しく教えてもらっていい? それに……女の子はふたり、って聞いてたんだけど」
円は
二宮 風太
少年が消えたこと、一緒に来た
坂内 梨香
もピラミッドに吸い込まれるように消えたことをみんなに伝える。
「あちこち電話したから、みんな直に来てくれると思う。で、待ってる間にほかにも先客がないかなって下草の足跡を調べてたんだけど」
円は梨香が消えたあたりを指差した。
「ここで消えてる足跡が、もうひとつあるっぽいんだよね。他にも先客さん、いるのかも」
――すこし、時間は遡る。
先客――
骨削 瓢
はひとり静かに笑みを浮かべていた。
ピラミッドの噂を聞きつけやってきて、さてちょいと掘ってみようかねと丘の斜面にスコップを突き立てた途端、よくわからないままここにいた。
くん……と、あたりの匂いを嗅ぐ。
ここの乾いた空気殿は、もう長いことお日様にお会いしていないように思われた。いや、生まれてこの方、お日様というものを拝んだことがなさそうな、と云ってもよかった。
「こいつぁ、ピラミッドの中かねぇ」
灯りを翳しながら興味深げに調べて回る。
壁はつるりと冷えていた。材質はなんとも判断しがたかったが、よく磨かれた黒水晶か黒曜か、そういった鉱物を連想させた。部屋の中央には大きな柱があり、ごく淡く薄緑色に光っている。これもまったくどういう仕掛けかわからない。なにもかにも、どこか現実味に欠けるのである。まるで、曇った鏡をじっとのぞきこんでいるかのような、そんな違和感がちりちりとする。
入ってきたと思しき場所を触ったりスコップで叩いたりしてみたが開きそうにないし、ほかに出口も見当たらない。先に進む道はあるにはあるが、
「ふむ、赤の道と青の道、ねぇ」
ひとりで行くのは厄介そうだという結論に達したそのとき、ふいに一人の少年が現れた。まるで時空の裂け目みたいなものがあって、そこから現れたかのような唐突さだった。
少年はそのままふらりと倒れ込む。
「おやぁ……?」
何かの罠かもしれない。そう考え、灯りを消し陰に隠れて見守っていると、今度はお団子頭の少女が姿を現した。瓢はその少女には見覚えがあった。
「なんだ、坂内はんじゃないかい……」
坂内 梨香
は瓢に気づかず、少年を抱きかかえた。きょろきょろとして狼狽えているようにも見えた。
瓢が声を掛けようとしたそのときだ。
戸惑っている様子だった梨香がまるで雷に打たれたかのように身を固くして震えると、ガクリ、とうな垂れた。そのまま一拍。ふたたび顔をあげた時、梨香はあまり見たことのない表情でくすくす笑っていた。
シーノと呼ばれる組織の一員である梨香。鈴島海賊の末裔だという梨香。なんどかやり合ったこともあるが、はて、と瓢は首を傾げる。あの女は、あんな貌をしていただろうか。
瓢の勘が、まだ隠れていろ、と告げる。闇の中で息をひそめる。
梨香はまるで女王のようにつんと顎をあげた。堂々とした足取りで少年に近づくと、軽々と抱きかかえる。それから何の迷いもなく光る柱のほうへ歩き、そのまま柱に吸い込まれて消えた。
「おんやぁ?」
瓢は注意深く梨香が消えたあたりに近づいた。そして、柱に触れてみた。
柱はただ、ひんやりと冷たいだけだ。
「うんともすんとも云わないねぇ。なにかい、あっしはまだお呼びじゃないってかい?」
さてどうしようかね。
瓢は、さして困ったふうでもなく舌なめずりをすると、また闇の中へ姿を隠した。
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笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月27日
参加申し込みの期限
2014年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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