みんなでひとつの作品を作り上げるのだ!
学園もの、恋愛、バトル、SF、ホラー、コメディ……どんな展開になるかはみんな次第だよ!
連投にならない限り、自由に投稿してみよう!
なにか困ったことが出てきたら雑談掲示板で決めるのだ!
そう言うと、少年の表情に少し影がさした。
「誰の?」
「……僕の大切な人」
「肉親、かい?」
「…………」
それ以上は、言葉に詰まって少年の問いに言葉で答えることができなかった。
言葉の代わりに僕は首を横に振った。
少年はそんな僕を見て、そっと1つ飴玉を差し出した。
透明なビニールに包まれた飴玉は宝石のように藍白に輝いていた。
「でも?」
促すような少年の言葉には、温かみも冷ややかさも感じられない。
そこに宿っているのは、ただ純粋に話の続きが気になるといった風情の好奇心。
僕のことを気遣いでも嗤うでもなく、ただ少年は言葉の続きを待っている。
その無邪気さに背を押され、僕は逡巡の末、再び重い口を開いた。
「行ってしまえば、会ってしまえば、僕はもう自分を誤魔化すことが出来なくなる……その、お葬式なんだよ。行くかどうか迷っているのはさ」
これは夢なのか?
行きたい……でも逃げたい。
だから僕は迷っている。
やり直しが効くとしたら?
彼は何を言ってるんだ?
わからないことだらけで、でも僕は口を開かずにはいられなかった。
「会いたい人がいるんだ。でも……」
「君は行きたいところがあるのかい? それとも何かから逃げたいのかい?」
僕の言葉を受けて少年はクスクスとおかしそうに笑った。
「もしもだよ、もしもやり直しが効くとしたら君はどっちを選択する?」
あまりに非現実的な問いかけに、僕は少年をマジマジと見た。
気がつけば膝の上に居たはずの猫がいない。
その代わりに、月明かりに照らされた少年の影が猫の形をしていた。
その声は、さながらミルクの中で鈴を転がしたような、甘く澄んだ響きを伴っていた。
普段の僕ならば、初対面の相手に素直な気持ちや悩みを打ち明けたりすることなんて断じてない。
だというのに、少年の持つ侵し難い神秘的な魅力のためか、まるで教会で懺悔する信徒のような心地になり、僕は無意識のうちに縋るような声で話し始めていた。
「行くべきか、行かないべきか……ただそれだけの問題が、どうしてこんなにも僕の頭を悩ませるんだろうね」
「君には悩みがあるのかい?」
不意に声をかけられ、顔を上げれば、見知らぬ少年。
月の光に照らされたその姿の美しさ。
僕は息を飲んだ。
少年は悪戯っぽく微笑む。
「その様子だと、何かありそうだね。よかったら、話してみない?」
「寒いなぁ」
月明かりに照らされる公園で、僕は膝の上の猫をなでながらつぶやいた。
首の下をなでてあげれば、猫はゴロゴロと喉を鳴らしながら目を細める。
気持ちよいのだろうか。
「いいなぁ。猫は悩みなんてなくってさ」
そう話しかけると、猫は僕に返事をするかのように、ミャーと鳴いた。