対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
気にすんな。
何をやらかしたんだ?(抱き締める手に少し力を込めて
ありがとう。…ごめんなさい。
駄目…。
また嫌な考えが浮かんできそう…。
忘れられそうだったのに…。
あんなこともう、したくないのに…。
お願い、もっと強く抱きしめて…?
(不安気な目で見上げ
邪魔かどうかは別として、深いではない。
それで十分さ。
大丈夫、わかってるよ。
私だって本当はそんな嘘聞きたくない…。
(弱々しく微笑み
こんな事を続けていたら
私も貴方も、ずっと
迷ったままになってしまいそうだね…。
私、貴方の邪魔をしている…?
ダメだな。
それを言ったら終わりだ。
壊されたら困るなぁ(笑いながら
…そう、だね…。
…嘘でもいいから、私が好きだって
ずっと一緒にいるって、言って欲しいよ…。
寂しい思いは、もう沢山なのに…。
嫌い…。こんな世界は、大っ嫌い…。
みんな壊してしまいたいなあ…。
そのうち、止まらねえといけねぇな
そういうもの…?
ん…。
(うっとりと目を閉じ、身を預け
心地いいなあ…。
今まであった悪い事、全部忘れてしまえそう…。
…駄目だね私は。
こんなに甘やかしてもらっているのに
もっともっとって思っちゃう。
際限がないや…。
俺自身も十分変なんだ。今更他人がどうであれ気にしねぇよ。
はいはい・・・(言われた通りにする
…貴方は本当に、不思議な人だね。
私はこんなに変な子なのに
拒絶しないでいてくれるんだね…。
ねぇ、抱きしめて。
頭を撫でて欲しいなあ…。
・・・思ったよりもいろいろと複雑そうだな。
ま、その内聞き出してやるさ(笑いながら
そうなのか?難儀なやつめ。
…。(小さく頷き
冴来は、本当の名前じゃないんだけどね。
でも今は、それが私の名前だから…。
…ううん、違わない。
一緒にいるね…。
なんでかなあ…。
こんなに貴方の近くにいるのに
凄く離れているような、そんな気がする…。
なんだ、そんなことか。いいぜ。
冴来だっけか・・・?
一緒に居るじゃないか。違うのか?
…名前で呼んで。名字で呼ばれるのは嫌いなの…。
今だけでも貴方と一緒にいたい…。
少しの間だけでも、幸せな夢をみていたいよぅ…。
ちょっと期待したところをあえて裏切ってみた。
俺が悪くないってのはないかもな。
最初に平穏な道を捨ててこっちを選んだのは俺自身だ。
我儘か。
聞くだけなら聞いてやる。
…!?にゃ、にゃにするの!
やーめーてー…。
(困った顔で
残念だなあ…。
貴方が悪い訳ではないんだけど…。
本当に、残念で仕方ないよ…。
寂しい…。寂しいよぅ…。
貴方と一緒に、穏やかに、普通の日々を過ごしていけたら
それ以上に幸せなことはないと、思うのに…。
やっぱり私は神様に嫌われているんだ…。
駄目…。また涙がででくる…。
ねぇ、優しくしてくれる人に我儘を言っていいのなら
貴方にも我儘を言っていいのかなあ…。
(じわじわと浮かぶ涙を手で拭いながら
・・・(ほっぺたを掴んで左右に引っ張る
世界なんそんなもんだ。
思ったよりも上手く行かなくなってるのさ。
残念ながらもう遅い。戻れないところまで来てしまったんだ。(笑いながら
なんかすまねぇなぁ・・・。
え、えっと…。試すって…。その…。
一体なにをする気なの…?
(気恥ずかしそうに視線を泳がせ
良い特技だね。
貴方は本当に、優しい人だ…。
どうして貴方みたいな優しい人が
マフィアなんてやっているのだか。
貴方こそ、明るい世界の中で生きるべきだよ。
長生きしたいとは思わないけれど
まだ死にたくないな…。
死んでしまったら、こうして貴方に甘えさせてもらう事も
出来なくなってしまうもんね…。
そっか。うん、そうだよね。
…私はね、貴方みたいな人をずっとずうっと探していたの。
ずっとずっと、探し続けて
やっと貴方に会えたのに
いつかは離れなきゃいけないなんて…。
現実はやっぱり、残酷だなあ…。
私はこんなにも、貴方の事が大好きなのに…。
ほう?じゃあ試してみるか?(顎をつかんで
乙女心はさっぱり分からん(笑いながら
はっはっはっ!違うな!
心が広く女性への気遣いを忘れない優しすぎる俺は人を慰める・・・まぁ、野郎は知らんが、得意なだけさ!
ま、何はともあれ生きたいと思えることは良いことだ。
俺は限りある命とかそういう綺麗事を言うつもりは無いが、長生きするに越したことは無いと思ってる。
安心しろって。
俺はつまらなかったりめんどくさくなったりしたならキッパリ言うし、何よりここには来ない。
違うって言いたいけど
否定したところで説得力がないよね…。
で、でも、もっと虐めて欲しいだとか
そんな風に思ってるわけじゃないからね?
それは違うからね?
そうだけど…。
乙女心は色々と、複雑なんですよ。
貴方がそう言ってくれるなら。
貴方は本当に、私を慰めるのが上手だね…。
さっきまで、もう死んでしまいたいって思っていたのに
今は、まだ生きていたいなって、そう思えるよ…。
(抱きつく力を強め
…貴方は私といて疲れたりしないの?
私は少しでも貴方のことを
楽しませてあげられているのかなあ…?