対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
何か気になるじゃねぇか・・・。
何もしてなくても茶化すのがプロってもんだろ。
うん…。なら、いいの…。
茶化すって、なに?
私、茶化されるようなこと何もしてない…。
いんや。何も聞いてないぜ。
まぁ、雰囲気で大体お前が悩んでるのは分からないでも無い。
茶化しに入ってきたんだがなぁ、これじゃあ茶化せねぇ。
そ、う…。
この部屋にいたって何も楽しいことはないと思うけど…。
もしかして、さっきのも聞いてたの…?
ん?さっき入ってきた。わりと普通に。
脅かすつもりはなかったんだがなぁ。
部屋から見知った声がしたから入ってきただけさ。
…!?
な、なんでいるの…?
いつ来たの…?
びっくりさせないで…。
はっはっはっ!相変わらず悩んでるなぁ(壁にもたれかかったまま
迷惑なんて、かけられない…。
迷惑かけたら嫌われちゃう…。
一緒にいてくれなくなっちゃう…。
そんなの嫌…。
でも、寂しい…。会いたい…。
一緒にいて、欲しいよぅ…。
なんだか最近うまく強がれなくなってきたみたい…。
私、弱くなった…?
困ったわ…。
私…。私、珠喪と約束したのに…。
約束、まもらなきゃ…。
でも、怖いよぅ…。
私達は二人で一人。
ずっとそうだったのに、もう違うの?
寂しい…。寂しいのは、嫌だよぅ…。
ももに会いたい…。ずっとずっと一緒がいい…。
でも、でも…。
(床に座り込み、ぽろぽろと泣きながら人形を抱き締める
普通のお人形に見えるけど
あの人が作った子たちだもの。
あの子に渡すのはやっぱり怖いわ…。
捨ててしまおうかと思ったけど
貴女達に罪はないものね…。
こんな処でしか可愛がってあげられなくて、ごめんなさい…。