this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
あなたの見せる過去
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
学生鞄を背負った
後木 真央
が廊下を全力で走る。頭頂から突き出た髪は縦横無尽に揺れ動く。普通科の一年五組のクラスを目にすると横滑りで止まった。
「
NMR(寝子島ミステリーレポート)
のネタが来たのだ! 二人で突撃ゴーゴーなのだ!」
教室に残っていた生徒が突然の声に驚いた顔を向ける。大声で呼び掛けたあとに、修ちゃんはどこなのだ? と目で探し始めた。
「真央、どうかしたのか」
鞄に教材を入れて
八神 修
が席を立つ。真ん丸の瞳で真央が猛然と駆け寄った。
「修ちゃん、修ちゃん、大変なのだ、過去がキャットロードで見せ合って新しいお店が出来て白い空間なのだ!」
言い終えたあと、言葉のおかしさに気付いた真央が小首を傾げた。頭頂から飛び出た髪もしんなりとなり、それとなくクエスチョンマークを作る。
修は数秒の思考で内容を正した。
「キャットロードに新しい店が出来て、そこの白い空間でお互いが過去を見せ合うという意味か」
「その通りなのだ! ナイス通訳なのだ!」
真央は親指を立てて見せた。修の袖を握ると先頭で歩き出す。
「……キャットロード、過去……まさか、過去創造館なのか?」
真央に引っ張られる中、修は以前の出来事を振り返っていた。
大して時間は掛からず、疑問は解消された。キャットロードにあるロッジ風の店に二人で入ると、白い空間に同化しそうなタキシードの人物がにこやかに立っていた。修を目にすると、再び足を運んでいただき、ありがとうございます、と切り出された。
真央は隣の修に顔を向けた。
「知り合いなのだ?」
「進路の過去で、お世話になってね」
その後、タキシードの人物から細々と説明を受けた。用意された大きめのソファーに二人は身を預けると、白い空間に期待の目を向けた。
ランドセルを玄関に置くと、真央は家を飛び出した。すぐに足は元気を無くして青空の下、とぼとぼと通りを歩く。
駄菓子屋の前には数人の小学生が屯していた。真央は被っていた黄色い帽子を顔の方に傾けて早足で通り過ぎた。
足は寂しいところを選んで歩いた。前方に鳥居が見えてきた。途端に走り出す。速度を落とさず、木々に挟まれた石段を軽々と上がっていった。
広々とした境内に足を踏み入れた。真っ先に手水舎に目を向ける。日陰にはたくさんの猫が寝そべっていた。真央は笑顔でそろそろと近づいていく。
その中の一匹、ふくよかな三毛猫が薄目を開けた。にゃー、と鳴きながら再び瞼を閉じて後足で耳を掻いた。
真央は半ズボンのポケットから煮干しを取り出し、三毛猫の鼻の辺りで振った。目を閉じた状態で前脚が伸びる。真央はさっと手を引っ込めた。楽しそうに笑って先程よりも煮干しを近づける。両方の前脚が時間差で襲い掛かり、その全てを躱した。
三毛猫はかっと目を開けた。野太い声でゆらりと起き上がる。真央が笑って駆け出すと三毛猫は腹部を波立たせて追い掛けてきた。
ソファーに座っていた修が横に目をやる。心なしか、真央の横顔が沈んで見えた。
猫と戯れる少女の風景は数秒で霧のように掻き消えた。
薄い雲が空を覆っている。大きなランドセルを背負った修が走っていた。目にした赤いポストの裏に隠れて息を整える。周囲を窺うような視線で、その場を離れた。
「……迎えの車を無視したのか」
ソファーに座っていた修が苦い笑いで独りごちた。
人気のない場所に出た。普通に歩いているだけで目立ってしまう。足早に歩いていくと古ぼけた鳥居に行き当たった。
「ここなら」
修は鳥居を潜ると苦しそうな表情で石段を上がっていく。残り数段のところで硬い物を転がすような音が聞こえてきた。たどたどしい足音は幼い子供を想像させる。
修は一気に石段を上がった。広い境内の中程に片足で跳ねている真央がいた。
「なにしてるの?」
修の声に真央は両足で立った。声の方に顔を傾けて、石けり、と小さな声で答えた。
「石けりってどんな遊び?」
言いながら修は近づいていった。真央の足元の石畳に白い四角形が連なる。個々に数字が割り振られていて、三と書かれた中に歪な石があった。
真央は修の目をちらちらと見ながら石けりの続きを始める。
「こうやってケンケンして、四の数字に入れるあそび」
片足で跳びながら軸足の靴先で石を跳ね飛ばした。狙った数字に収まると次は五の中に入れる。
修は一連の動きを目で追った。
「順番に石を入れていくんだね。最後までいったら、戻ることもできるのかな」
「できる。でも、ケンケンができなくなったり、石がはみでると次の人の番になる」
「ひとりだよね?」
修は不思議そうに言った。真央は俯いて恥ずかしそうに声を出す。
「引っ越し、多いから。ともだちがいないの……」
「僕もここに来たばかりで、まだいないんだ。よかったら、友達になろうよ」
修の明るい声に真央は頭を上げた。シャツの胸元の名札に目を向ける。
「はちかみくん?」
「やがみって読むんだよ。僕の名前は八神オ、じゃなくて秀だよ」
「シュウくん、だね。ボクはマオ」
「マオちゃん、よろしくね。じゃあ、最初に石けりをやろうか」
真央はとびっきりの笑顔を見せる。最初から全力でいきなり二往復を達成した。目の当たりにした修は奮い立つ。足元にランドセルを置いて屈伸運動に励む。
「じゃあ、いくよ」
修は片足で力強く跳ねて石を蹴り飛ばす。大いに転がって鬱蒼とした木々の中に消えていった。
二人は一緒になって石を探した。
「見つからないな。新しい石が必要かも、あれ、マオちゃん?」
側に真央の姿がなかった。すると上の方から声が降ってきた。
「シュウくん、ここ」
真央は木の枝に座って足をぶらぶらさせている。修は驚いた表情で見上げた。
「どうやって上ったの?」
「こんな感じで」
枝の上に真央が立つ。木の幹に両手を回し、後ろ向きに歩くようにして下りてきた。途中で止まると、今度は逆に上り始めて最初の枝に腰掛けた。
「その方法で簡単に木に上れるんだね」
修は手近の幹に両手を回し、靴の裏を押し付けた。片足を掛けた状態で動きを止めた。全身に微かな震えが起こる。
「どうしたの?」
上からの素朴な疑問に修はぎこちない笑みを返した。
「片方の足が上がらなくて」
修の両手が幹から離れた。力尽きたように枯れ葉の中に背中から倒れ込んだ。
「……背中がひんやりして気持ちいい」
大の字になる修を見て真央が木から下りてきた。隣の空いたところに同じように倒れた。両手を広げて目を細める。
「気持ちいいね、シュウくん」
片方の手が何かを握る。真央は上体を起こした。拳を開くと中から石が出てきた。全体が丸っこく、表面は滑らかで黒く光って見える。
「シュウくん、これ」
真央は見つけた石を修に渡した。
「これは僕の石じゃないけど、きれいだね」
石を手の中で回すようにして言った。
「あげるね」
「でも、これはマオちゃんが見つけたものだし」
修が顔を横に向けると真央が似たような石を掲げて見せた。
「もうひとつ、見つけたから」
「じゃあ、友達になった記念日にもらっておくね」
笑みを交わすと二人は共に立ち上がる。競うようにして境内に戻った。その流れで誰からともなく鬼ごっこが始まった。
心地良い疲れの中、二人は笑って向き合う。また明日、と指切りをして帰っていった。
空が白み始めた早朝に真央は境内を訪れた。手には折り畳んだ紙を持っている。何かを探すように目を動かし、昨日、二人で石けりをしたところにしゃがみ込んだ。
持っていた紙を石畳に置いた。その上に友達の証、黒い石を乗せる。
「そうじの人に、片付けられたら……」
口にした不安で別の場所を探した。
真央は木々の中に突っ込んだ。石を見つけた場所で被っていた黄色い帽子を取った。その中に紙を入れて近くの木の枝にぶら下げた。
「シュウくん、バイバイ」
小さく手を振って境内に戻る。石段に向かう途中で猫の鳴き声がした。
真央の脳裏に呑気な三毛猫の姿が浮かぶ。声のした方向を目で探したが見つからなかった。
小学校の授業が終わると修は半ば強制的に車に乗せられた。邸宅に着くと休む間もなく、自室の机に向かって勉強に勤しんだ。課せられたテキストは相当に分厚い。毎日の勉強は深夜近くにまで及んだ。
一日のノルマを終えた修は疲れ果てた顔でベッドへと向かう。着替える素振りも見せないで前に倒れ込んだ。俯せの状態で掛布団の上を這いずって枕に半顔を埋める。
薄れる意識の中、枕元に置いた黄色い帽子に手を伸ばす。中から折り畳まれた紙を取り出し、顔に寄せて開いた。
『ごめんね。またいつか。 まお』
拙くも愛らしい文字に修は答える。
「突然の別れは、悲しいけど……また、いつか……」
修の意識が途絶えると同時に白い空間に飲み込まれた。
ソファーに座った二人が見詰め合う。
「……修ちゃんが……あのシュウちゃん、だったのだ?」
無意識に出る手を真央は慌てて引っ込めた。
「そうだよ。あと、ごめん。真央のこと、ずっと男の子だと思っていた」
「そんなこと、どうでもいいのだ。ごめんなのだ……あの時は約束を破って。今度こそ、よろしくなのだ」
俯いて一人遊びに興じる姿は微塵も想像できない。真央は眩しい笑顔を見せた。
「こちらこそ、よろしく」
修は照れ臭そうに返して立ち上がる。近くに控えていたタキシードの人物の元に歩いていった。
「素晴らしい再会をありがとうございました」
修は自然な態度で財布を取り出し、前回と同様に五千円札を謝礼で渡した。
間もなく二人は横に並んで帰っていく。互いに照れを含んだ顔で思い出話に興じた。
「またのお越しをお待ちしております」
恭しい言葉で二人を送り出すのだった。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
あなたの見せる過去
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月30日
参加申し込みの期限
2015年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!