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人の流れに逆らって
弘明寺 能美子
が通りを歩く。赤いコートを羽織っていても身体の線を完全に隠すことは出来なかった。通り掛かる男性の目を否応なく惹き付けた。同性には羨望と嫉妬の混ざった視線を浴びせられた。
能美子は無関心な様子で周囲の店に目をやる。
「この店は趣味ではないわ」
はっきりと言い捨てて次の店舗に向かう。ロングブーツの音を響かせて長い黒髪に風を孕む。
「悪くないわね」
厳しい表情が少し緩んだ。見つけたロッジ風の店に颯爽と入っていった。
一面の白さに口から溜息が漏れた。
「いらっしゃませ、お客様」
真横にいた白いタキシードの人物に能美子は少し顔を引いた。相手の全身を刺々しい目で見やる。
「お客様って、ここには何もないんだけど」
タキシードの人物は微笑みを絶やさずに過去創造館の説明に入った。聞いていた能美子の眉尻が僅かに上がる。猜疑心に満ちた目で話を聞き終えた。
「今日は一人だから、頼むとしたら過去の改変になるわね」
「希望する過去をおっしゃってください」
「……過去を弄って未来が変わるなんてことはないのよね?」
能美子の念押しに、一切ございません、と頭を下げて答えた。
「それじゃあ、再現して貰おうかしらね」
「お任せください」
一人掛けのソファーが出現した。丁寧な言葉に勧められ、能美子は腰を下ろした。座り心地は悪くないのか。表情から険が取れた。速やかに足を組み、気怠い表情で口にする。
「家庭が壊れず、中学時代に荒れないでモデルを続けていたら」
独白に近い言葉に、畏まりました、と側に控えていた人物は答えた。
書店には各種の雑誌が平積みで置かれていた。ビジネス関係の棚にはスーツ姿の人々が多く見られた。どこか不機嫌な表情で読み耽っていた。
ファッション雑誌のコーナーでは中学生くらいの女の子が集まっていた。特集記事に黄色い声を上げている。雑誌の表紙を飾るのは能美子であった。胸元が大きく開いた服で前屈みになり、濡れる唇を柔らかく突き出していた。
「私じゃないみたいね」
ソファーでくつろいでいた能美子が呆れたような表情を見せた。合間に足を組み替える。
一瞬で明かりが消えた。舞台で使われる暗転のように何も見えない。
「どうなっているのよ」
苛立たしげな声に呼応した。能美子の眼前に一対のライトが光の柱のように伸びる。奥に向かってライトが点灯して一本のステージを浮かび上がらせた。
琴の独奏が始まる。重なり合って音に厚みが生まれ、張り合うように三味線が高らかに割り込んだ。ドラムやベースも加わって独自の世界を完成させた。
ステージの奥から大人びた能美子が金色の煙管を片手に現れた。黒髪は上に結い上げて幾つもの簪が刺さっている。重ね着の着物は微妙に崩していた。異様に底の厚いブーツでゆっくりと歩き、頽廃的な美を周囲に振り撒いた。黒い観客席に流し目を送り、間もなくステージの先端に辿り着く。
二人の能美子が向き合った。片方はステージの高みで煙管を咥え、足を一歩、踏み出した。着物の裾がはだけて白い太腿が露わになった。
「綺麗なのは認めるけど、なんか腹が立つわね」
ステージ上の能美子は艶やかな笑みで背中を向けた。歯牙にも掛けない様子で去っていく。
ファッションショーの終わりを告げるかのように潜んでいたライトが一斉に光を照射した。一帯を白く染め上げる。
「次は何よ」
能美子は掌で顔を守る。強い光に押されるように頭を下げた。
「今回のゲストはマルチに目覚ましい活躍をされている、ノジカさんをスタジオにお迎えしました」
男性の紹介が終わると完璧なタイミングで拍手が沸き起こる。能美子は目を擦りながら顔を上げた。出演を祝う花々に囲まれた通路から能美子が小さく手を振りながら現れた。淡いピンク色のチュニック姿で席に着いた。
隣り合った男性が早速、笑顔で質問に入る。
「先程も紹介しましたが、ノジカさんは多岐に渡って活躍されています。学業と仕事の両立は大変ではありませんか」
「そうですね。大変ではありますけど、どちらも遣り甲斐があって楽しく毎日を過ごさせて貰っています」
台本が用意されているかのように澱みなく答えた。スタジオ見学に来た人々に気恥ずかしそうな笑みを見せる。
「大した演技ね」
ソファーに深々と座った状態で自身に覚めた目を向けた。
「それでも両立は大変でしょう」
「正直に言えば大変です」
おどけたように舌を出し、周囲を和ませた。絶妙の間で話を続ける。
「でも、私は一人ではありません。倒れそうになる私を陰ながら支えてくれた家族がいるから、頑張れるのです。これからも家族の応援を胸に頑張っていきたいと思います」
得意げな顔で家族愛を大いに強調した。
組んでいた足を解いた。能美子はソファーから勢いよく立ち上がる。
「もういいわ、やめて」
掻き消すように手を振ると白い空間に戻った。側にはタキシードの人物が立っていた。
「至らない点がございましたか」
「あ、いえ、ごめんなさいね。不快って意味じゃないのよ。どう言ったらいいのかな。確かに見せて貰った自分は、自分なんだけど――」
一度、話を切った。能美子は唇を引き締めて力強い声で言った。
「あれは選ばなかった過去。未来は寝子島にいる、私が決めるわ」
タキシードの人物は優しい目で、はい、と短く答えた。
「私の名前は弘明寺能美子よ。名前、覚えておいてね。これから有名になるかもしれないから」
「今後のご活躍、楽しみにしております」
二人は握手を交わした。
去り際に能美子は、なんちゃってね、と照れ隠しに笑って外に飛び出していった。
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担当ゲームマスター
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月30日
参加申し込みの期限
2015年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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