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サイケデリックを乗り越えろ! 寝子祭の準備・アーチ看板製作編
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【片思いと片思い】
人波が一時落ち着いたところを見計らって、アーチ看板に彩色の仕上げを施していきます。
「ええ感じに、サイケデリィック! になりましたねー。若菜先輩!」
「うんうん、すっごく良い感じ! もう、見てるだけで楽しくなっちゃうよ」
はしゃいだ様子の
十文字 若菜
の隣で、
浅沼 柳司
はド派手なアーチにも引けを取らないほどにまぶしく見える、彼女を眺めます。
いつも明るい若菜との共同作業は楽しくて、時間なんてあっという間に過ぎてしまいます。スプレー缶をぷしゅーっと吹き付けながらに、傍らの若菜の存在感に気を取られて……ついつい、よそ見。
「……ふふっ。シャツ、脱いでおいて良かったね」
「へっ?」
「自分の手を塗っちゃってるよ? 柳司君」
彼女の白い指が差した先で、柳司の左手がサイケデリック!
「うわ、やってもうたー!?」
「あはは! 後で、よーく手を洗わないとね♪」
確かに、作業にかかる前に、制服が汚れないように……とちゃんと脱いで置いたのが幸いしたようです。白いシャツになんてぷしゅーっとやってしまったが最後、きっとこのカラーは洗っても落ちないことでしょう。
自分の手を見つめて眉をひそめた柳司に、可笑しそうにくすくすと笑みをこぼす若菜。彼女もまた汚れないようにと、制服の袖をぐいと腕まくりしています。
ふと目に入るのは、彼女の、まぶしいほどに白い肌。思わず、どきり。
(……ほんまなんかな。あの噂)
自然と、思い出しました。例の噂……アーチ看板の飾りつけについての、大いに気になるあの噂を。
(ただの噂か……けど、書くんはタダやしな。俺も、先輩の名前を……)
当然柳司だって、そう考えます。何せ隣には……若菜。他ならぬ彼女。片思いの先輩……彼女がいるんですから。
けれど彼は、ひとまずその思いを振り払うように首を振って、
(……いやいや。横に本人おるし……!)
思い人が側にいるというのは、この場においてはちょっぴり、もどかしくて。彼女の名前を書くこと自体はもちろん望むところでありながらも、柳司は踏ん切りが付きません。
(こりゃ無理やな。見つかりでもしたら……さすがに書けんな)
「あれ、どうしたの柳司君? ほら、最後の仕上げ! どばーって、やっちゃおう!」
バケツに残った塗料を見せながら、朗らかに笑う彼女。
「……そうですね。やっちゃいましょうかー、どばーって!」
「うんっ!」
バケツへ手を添えながら、柳司もつられて、にかっと笑み。
まだしばらくは、こんな風に曖昧なのも、悪くはないかも……そんな風にも思えるのです。どちらにしても、柳司が誘えば、彼女はこうして隣にいてくれるんですから。
「それじゃ、行くよーっ」
「おーっ!」
ふたりで構えたバケツを、同時に、一緒に、思い切り振りかぶって。
「「せーのっ!!」」
どばーっ!
(やっぱり、気になるなぁ……あの噂)
若菜もまたそんな風に思いながらに、柳司をちらり。見つめます。
後輩。片思いの彼。一緒に看板製作の手伝いを、と誘われた時は嬉しくて、こうして隣り合っているのにもどきどき……けれど彼が側にいるのは、この場においてはちょっぴり、もどかしくて。彼の名前を書きたい、書いてしまいたいという思いはあれど、若菜はなかなか踏ん切りが付きません。
……と、思いきや。
(こっそり……絶対バレないように、小さく……)
思いのほか、若菜は積極的であったようでして。飾り付けのために用意した材料、余白の隅っこのほうに、小っちゃく小っちゃく……さらさらり。密やかに、彼の名前を書き入れました。
(……やった。やっちゃった……)
「よっしゃ、これで塗りは終了やな! ほんなら次は、俺らも飾り付け、作りましょうかー。若菜先輩?」
「あ、えっ!? う、うん、そうだねー!」
思わずびくり、飛び跳ねてしまいそうな肩をどうにかこうにか抑え込みまして、若菜はにっこり。柳司もいつもの笑顔を浮かべてくれるのを見る限り、バレてはいないようです。
ふと、若菜はそんないつもと変わらないような彼を見て、思います。
(……柳司君は、誰かの名前、書いてないのかな)
彼があの噂を知っているのかどうかは、若菜には分かりません。けれど、もしかしたら……そう思ったら、何だかいても立ってもいられなくて。飾り作りの準備を始めた彼の視線の外で、作りかけの飾り付けにこっそり、目を走らせます。
(それっぽいのは、無い……かな?)
ひとまず、彼の書いたと思われる誰かしらの名前は発見できず、若菜はほっと安堵。と同時に、残念なような、そんな気持ちも。
もし自分の名前が書いてあったなら、それはもう飛び上がりそうなほどに嬉しいでしょう。けれどもしそれが、自分じゃない、他の誰かの名前だったなら……そんな風に想像したなら。
(今は、このままで。こうして一緒にいられるだけで……今は、それがすごく嬉しいから)
心が急いても、焦らずに。今はこのもどかしい距離感だって、楽しいのです。
「それじゃ、始めましょうかー?」
「……うん。他の人とは一味違った、素敵な飾りにしようね!」
『踊る人形』のアイディアを考えたのは、若菜です。
キーワードは、彼女の心を捉えてやまない、そして彼女の夢でもある……ステンドグラス!
「カラーセロファンを使ったら、きっとそれっぽくできると思うんだ」
用意したのは透き通る、日に透かすとキラキラと綺麗な、色付きのセロファン。これで人形の衣装をステンドグラス風に貼り付けるというのが、彼女の提案です。
柳司ももちろん、大賛成! さらに彼は、そのアイディアを最大限に生かすため、人形をワイヤーで作ることを思いつきました。
「ほら、こんな人形なら、ワイヤーの隙間から光が差し込んで、先輩の衣装も引き立つと思うんです」
「どれどれ……」
と、くいくいとワイヤーを曲げて形作った人形……柳司が頭上へ掲げたそれへと、隣から若菜が手を差し伸べ、切り取ったセロファンを重ねてみますと。
飛び込んできた明るい光が、キラキラ。ふたりの笑顔に、色とりどりの影が落ちて。
「うわぁ、すごい……!」
「おおー、これは綺麗やな……! さっすが、先輩のセンスが光って……あ」
「え?」
はた、と。思わず身を乗り出した若菜の顔と、振り向いた柳司の顔が、気付けばびっくりするほど、近くにあって。
「……あ…………えっと、ご、ごめんね、柳司君!? 私、興奮しちゃって……!」
「はは……ええですよ。俺も、見とれてもうて……」
ぱ、と身を離したのが、何だかちょっぴり、名残惜しくもあったりして。
お互いほんのり、赤みが差した顔を見合わせて……ぷっ。ついつい、吹き出して。
「続き……作ろっか?」
「……そうですね」
じんわりとあたたかい心持ちのまま、その後に仕上げたのは、柳司の作ったワイヤー製の人形を、若菜が透き通るカラーセロファンの衣装で彩った、神秘的な美しさの『踊る人形』。ステンドグラス職人になるという若菜の夢が、柳司の手助けでにわかに叶ったような……そんな、幸せなひと時。
アーチ看板の台座の上、ちょこんと乗せたそれを見上げながらに、
「本番、楽しみだね。柳司君」
と言って見つめれば、隣で彼もうなずきながら、微笑みを。
寝子祭の当日のみならず、こうして準備にも携わり、ふたりの胸にはまたひとつ、新しくて素敵な思い出が刻まれたようです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月01日
参加申し込みの期限
2015年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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