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茶色いサイドテールを揺らして
小山内 海
が通りを歩いていた。ブラウスの胸元のリボンが大きく弾む。心まで弾んでいるのか。その表情は明るい。店の壁に描かれたピンクのウサギは二足で走り、道の電車は赤い珊瑚礁の中を突き進んだ。
夢が詰まったクレヨンの絵に海の青い瞳が優しくなる。今度は自分の番と言わんばかりに方々に顔を向けた。
目にした電信柱で足を止める。海はショルダーバッグの中から紙箱を取り出した。その中から三色のクレヨンを選び出す。目の位置の高さに黒い丸を描いた。赤い目のようなものを加え、白いクレヨンの細かい動きで光沢を出した。
電信柱から少し顔を離して見ていると男の子が側に寄ってきた。見上げた姿で目を細める。テントウムシだ、と弾けるように言った。飛び跳ねて喜ぶ姿に海は笑みを深めた。
人の多い通りを抜けて海は中学校に訪れた。解放された門を目にしてふらりと立ち寄る。少し懐かしいような目で周囲を見ながら歩いた。
校舎の横手に向かってぎこちない動きとなった。詩空が地面に腰を下ろした状態で壁に絵を描いていた。足の指にクレヨンを挟んで真剣な表情で打ち込んでいる。海は足音を立てないで大きく回り込んだ。
壁に銀杏並木が描かれていた。黄色い葉が勢いよく舞い散り、見えない風を感じる。道を横断する黒猫の親子は微笑ましい。路肩には茶色い毬栗が落ちていた。黄色い絨毯の中で異彩を放っている。
海は目を凝らして近づいていく。詩空の体温が感じられるくらいのところにしゃがんだ。同じ目の高さで絵の醸し出す雰囲気に浸った。
詩空の足の動きが鈍くなる。微妙な変化を感じ取ったのか。顔を後ろに向けた。
「……え、えええっ!」
間近にいた海に驚いて詩空の身体が斜めになる。横倒しの危機を救ったのは海であった。咄嗟に伸びた手が身体を引き寄せ、背後から抱き締めるような姿で受け止めた。
詩空は海の腕の中で、危なかったー、と安堵の声を吐き出した。急用を思い出したかのように足で身体の向きを変えた。
「あ、あの、危ないところを助けてくれて、ありがとう」
海は微笑んで見せた。
「でも、ちょっと恥ずかしいですよ。足で描いてるところを見られるのは……。声をかけて教えてくれればいいのに」
不機嫌な表情で恥ずかしがる詩空に海は顔を左右に振った。両方の拳を軽く握って力強く頷いた。
「えっと、どういう意味ですか?」
今度は海が恥ずかしそうな笑みとなり、ショルダーバッグからメモ帳とペンを取り出した。
『はずかしくないよ。あなたのあしは、わたしのてとおなじだからね』
海は絵を描く真似をした。詩空の表情が途端に明るくなる。
「うん、そうですよね! スカートの時は、ちょっと困っちゃうけど。あのぉ、もしかして喉の調子が悪いの?」
一言も発さない海に詩空が声音を落として聞いてきた。サイドテールを振ってやんわりと否定してメモ帳に向かう。静々と文字を紡いでいった。
『あなたのあしとおなじだよ。わたしのこえはもじだから』
自然体の笑みに詩空は迷うような目の動きを見せた。最後は吹っ切れたように、そうですよね、と笑顔で返した。
『すてきなえにわたしも、さんかしていいかな?』
「もちろん、私も誰かと一緒に描いてみたいと思ってたんですよ」
二人は並んで壁に向き合った。海は黒と白のクレヨンを手に持った。道を横断する黒猫の横に白猫を描いた。輪郭は黒い影で表現した。陰影が濃い部分は指の腹で擦って馴染ませる。
隣で落ち葉を描いていた詩空が横目で、可愛い、と声を上げた。
『ふうふになったよ』
「本当ですね。白い猫が白い壁でこんな風に描けるなんて、びっくりしました。えっと、なんて呼んだらいいかな」
『わたしは、おさない うみ。こうこういちねんせいだよ』
「私は雨宮詩空、中学一年生です」
簡単な自己紹介を済ませると詩空は白猫の後方に目をやった。考え込むように頭を下げて、そうだよ、と閃いたような声を上げる。白猫の後ろにじゃれ合う二匹の子猫を付け加えた。
一目で海は笑顔となった。子猫の模様が黒白に分かれていてパンダのようだった。
『かわいいのにおもしろくて、ゆめのあるえだね』
「そう言って貰えると、嬉しいかも。張り切っちゃおうかなー」
詩空は足の指に挟んだクレヨンをタクトのように振った。黄色い落ち葉の上に三輪車を描いた。海は銀杏の樹に立て掛けた自転車を添える。サドルには小さな銀杏の葉を乗せた。ハンドルに蝸牛を描いたのは詩空であった。
程なくして二人の手が止まる。満足そうな笑みで壁から離れると、描かれた絵を並んで眺めた。
「完成でいいですよね」
『そうだね。いいとおもうよ』
どこにでもありそうな風景は華やかでいて面白味がある。二人の感性が反発することなく、見事に融和した絵画となっていた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月04日
参加申し込みの期限
2015年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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