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【あえて突き詰めないという選択肢】
八神 修
の趣味のひとつは勉強で、そこに付随してかもちろん読書も大好きでして、特に好んで読むのは推理物、ミステリーの類です。
そこへ行くとこの『思ひ出』は、有名、無名の別を問わず実に良質で豊富な蔵書を誇り、初めて訪れた修にとっては、
(これは、良い店を見つけられたな)
この上ない出会いとなったようであります。
コーヒーを注文してから、本棚を物色し始めたところにふと見つけたのは、とある学校の生徒が殺人事件に巻き込まれた末、学校内裁判にて犯人を裁く……なんて衝撃的なテーマが発行当時には話題となった、推理小説『ソロニャンの偽証』。一度読んでみたいと思っていた本を手に取って、修は思わず口元を綻ばせます。
(と……そうだ。古書店なら、落神伝説にまつわる文献や、古文書などもあるかもしれないな)
せっかくのこの蔵書量です。興味を惹かれるものは片っ端から探してしまおうと、修は本棚の上から下まで、じっくりと時間をかけて。心ゆくまで、素晴らしい古書たちの並びを眺めていきます。
やがて、どこか荘厳な装丁の、『神落つ島 ~寝子島伝説の真実』なる、民話や伝承を独自の推論を交えつつまとめたという一冊を棚から引き出し、席へと戻りゆっくりとそれを堪能……と、いったところで。
(……あれは)
一番奥の棚の前、手にした本をどこか楽しげに眺めている、彼女の姿に気付きました。
修が静かに、
「……ここは知識に囲まれた、気持ちのいい空間だな」
「あら? んふふ、その通りですね。こんにちは、八神さん」
そんな風に声をかけますと。
胡乱路 秘子
は、にんまり、彼へと笑みを浮かべました。
(風情があって、なかなかいいお店ですわね)
毒島 虹子
は、初めて足を踏み入れた店内、その静かな佇まいを満足そうに見回しつつ、紅茶をひと口。
(装飾写本、なんて美術品もありますし。本に芸術性を求め、そこへ触れることは実に有意義……きっと私にも、身になることは多いはずですわ)
凝った装丁の表紙や、美麗な挿絵、華美に彩られた文字たち……そんな風に、色鮮やかに視覚へと訴えるような本も、世にはありまして。あるいはそうしたものを通じて、とあるアパレルメーカーのご令嬢であり自らも服飾デザインを専攻する虹子自身にも、フィードバックできるものがあるのでは? そんな風に考えて、彼女は『思ひ出』を訪れてみたのでした。
とはいえ実際に探してみれば、そういった美的感覚を刺激してくれる本もありつつ、他に気になるものはいくつも出てきます。
(あら、懐かしいですわね)
偶然にもその時虹子の手に触れたのは、『孤独の旅人』という、一冊の本でした。
通して読んだことは無いもののの、虹子がそのタイトルを覚えているのは、彼女が小学校時代に使っていた国語の教科書に、その一節が掲載されていたことがひとつ。もうひとつには、作者の姓が虹子と同じ、『毒島』であったからです。
お話の内容自体は、あまり覚えていません。確か、主人公である傲慢で鼻持ちならない少女が、友人たちから、あるいは両親からも爪弾きにされ、やがて失意の中で孤独な旅へと出ることを余儀なくされるものの、その過程で様々な出会いを果たし、やがて人生において大切な、思いやりの心を学んでいく……なんて。虹子にとってはあまり、子供心にも惹かれるようなストーリーでは無かったように記憶しています。
むしろ思い出すのは、当時そのお話と絡めて、しきりに虹子をはやしたてていた、何人かの同級生たちのことです。
(『ぶすじま』、って言われるたびに笑っていた、あの方たち……ある日突然転校してしまいましたけれど。お元気にしているでしょうか?)
彼らがどこへ行ってしまったのか、未だ虹子は知りません。けれどともかく、子供とはいえどこにも、意地の悪い輩というのはいるものです。珍しい苗字、それも聞き慣れない響きであったなら、たちどころにからかいの対象となってしまう……なんて、彼女にしてみればひどく俗的でつまらない、そして良くある思い出のひとつではありました。
そんな記憶が、不意に蘇ってきたところで。
(あなたならそんな時、どんな反応を返すのでしょうね? 気になりますわ。ねえ、胡乱路さん)
静かに会話を交わす、修と秘子。虹子はふたりを、遠巻きにじっと見つめます。
秘子を誘って隣同士の席に腰掛けつつ、修はゆったりとして、
「良い店だ。ここへは良く来るのか?」
「いいえ、今日が初めてです。素敵な店構えで、何だかとっても気になってしまいまして。んふふっ」
「ああ、分かるよ。俺もついつい覗き込んでしまったんだ。もっとも、おかげで良い本に出会えたから、それは正解だったようだ」
推理小説に、寝子島の伝承についての文献。修がその表紙を指でなぞると、秘子も興味深そうに覗き込んで、
「まぁ、面白そう……けれど少し、難しそうな本ですね。八神さん、読書がお好きなんですか?」
「それはもう。生まれて初めて出来た最初の友人が、本だった……というくらいにね」
くすり、と修が笑えば、秘子も笑みを浮かべました。
彼女はなかなかに謎めいた存在で、そしていつも望んでは会うことのできない、奇妙な人物ではあります。つまりこれは、得難い機会……けれど修は、あくまでクール。ここぞとばかりにがっついて、彼女のプライベートへとずけずけと踏み込んだり、あれこれと突っ込んだ質問を浴びせたりはしません。
彼は、紳士なのです。ふたりの間に流れる話題と言えば、このお店についていかに素晴らしい場所であるかとか、
「そちらは、小学校の音楽の教科書か? 古いな。何か、思い出のある品とか?」
「んふふ、そういうわけではありませんけれど。こういった本に載っている歌って、素朴で、とっても素敵なのですよね。小学生の頃を思い出して、懐かしくなってしまって」
「ふむ。なるほど……」
互いに見つけた本について軽く尋ねてみたりとか、その程度のことです。修は彼女のプライバシーを無闇に突つくより、この場における彼女との交流をこそ楽しんでいるように見えました。あるいは、彼女が抱えているらしい何かへの配慮、彼女を慮っているようなそぶりも。
ただ、それを傍から眺めている虹子には、いささかつまらないといった思いもありまして。
(ああ、つまらない。まったく、つまらないですわねぇ……もっと彼女へ、俗的な感情をぶつけていただかないと)
虹子の観察の対象は、秘子その人なのです。
例えば彼女が、好奇心に満ちたあからさまな問いをぶつけられたら、どう返すのか。俗な感情も剥き出しに、がつがつとした人間の欲望に晒されたなら、どういった反応を示すのか。
あるいはそんな浅ましい人間の必死な顔を、内心小馬鹿にして笑い飛ばして優越感に浸りたい、なんて虹子特有の暗い願望も、そこにはあったりもしますけれど。
(もしあなたが、そんな感情に流されるままつまらない身の上話など始めて、ご自身の価値を貶めてしまうようなら……ふふ。私が、MFS! の司会に、取って代わらせていただきますのに)
けれど、待てども聞けども、修はどこまでも紳士。あまり突っ込んだ質問をぶつけることはありませんし、それに対して秘子が自分の過去をつらつらと語りだしたり、などといった気配もありません。
(今日のところは及第点、というところでしょうか? でも……司会という駒は、一生駒でなければいけないのですわ。ふふ……ねぇ、胡乱路さん?)
ひとまず今日は、謎めいた彼女の価値が剥がれてしまうことは無かったようです。けれど……虹子は常に、見定めているのです。
そんな思惑を、笑顔の仮面に隠しながら。虹子はにっこりと笑みを浮かべると、改めて、親しげに彼女へと話しかけました。
「胡乱路さん、奇遇ですわね? この間のツアーは楽しかったですわ。あら、その本……次のMFS! は、音楽関係でしょうか?」
「まぁ、毒島さんもいらっしゃったんですね。音楽がテーマの番組……それも良いかもしれませんね、とっても楽しそうです。んふふっ♪」
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3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月03日
参加申し込みの期限
2015年07月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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