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本とあなたの物語
古書喫茶『思ひ出』
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【素敵な本と出会う場所】
旧市街の趣き深い街並みをスケッチに出かけた、その帰り道。
三宅 葉月
は、時折顔を見せる古書喫茶『思ひ出』へ足を運びました。
「ああ……いらっしゃい。ご注文は?」
「お邪魔するわね。紅茶とサンドイッチをもらえるかしら」
「分かった。じゃ、本でも探しながら待ってて」
出迎えた
津島 直治
へ注文を告げると、葉月は少しだけ胸を弾ませながらに、お店に並ぶ本棚の一角へ迷わず足を向け、覗き込みます。
(今日は、あるかしら……それとももう、売れてしまったかしら)
お目当ての本は、先日に訪れた際には間の悪いことに、別のお客が手に取っており、諦めざるを得なかったのです。
けれどどうやら、その後もどうにか売れてしまうことは無かったようで、棚の端っこの目立たないところでひっそりと、本は変わらず葉月を待っていてくれました。
葉月は、ほっとひとつ安堵。取り出した本を大切そうに胸へ抱えながらに席へ戻り、
「お待ちどうさま。紅茶に、ハムと卵と野菜のサンドイッチだよ。ごゆっくりどうぞ」
「ええ、ありがとう。いただきます」
直治へお礼を言ってから、カップを手に取り、紅茶をひと口。その香りの余韻を楽しみつつ、さっそく本を開きました。
素朴な装丁に包まれた『流れ星になった子猫』は、もう100年近くも前に書かれた童話集で、表題作を含めて6篇のお話が収められていて、これはその貴重な初版本のようです。先日この本を目にしてから、葉月はずっと読んでみたいと思っていました。
本のタイトルにもなっているお話は、文字通り一匹の子猫が主人公。ある時子猫は、母親猫を亡くしてひとりぼっちになってしまい、夜空を見上げながら悲しみの鳴き声を上げます。死んでしまう前、母猫は子猫へと語っていたのです……お母さんは、お星様になるのよ。いつでもお前を、あの空から見守っているからね。だから安心して、強く生きていくのよ。
けれど、母猫のそんな言葉を前向きに受け止めるには、子猫はまだまだ小さくて。大好きだった母猫のいない寂しさに耐え切れず、もう一度母に出会いたい一心で、子猫はいつしか、自分もお星様になることを願うようになり……。
子猫の物語も、その他の一遍一遍も、ごく短いものです。にも関わらず、読み進めるたびに脳裏へ花開いていく、イマジネーションの世界……洗練された文体は、現代に生きる葉月にとっても時代を感じさせず、自由な想像の広がりを助け、葉月を大いにのめり込ませてくれます。
ひと息に読み切ってしまっては、もったいないような気がして。葉月はゆっくりと、ページを繰るたびに生まれるイメージの波へと身を浸し、ゆったりゆらゆらと揺られながら、物語へと没入していきました。
「……はっ!?」
がば、と机から身を起こした
日暮 ねむる
は、あたりを見回します。『思ひ出』店内の様子はさほど変わらずとも、時計を見れば、随分と時間が経っていることに気付きました。どうやら、ぐっすりと眠ってしまっていたようです。
「堪能させてもらったわ。また来るわね」
「うん。ありがとうございました、またどうぞ」
目尻をこしこしと擦りつつ、見れば葉月がゆったりとしたゴシック調の服をふわりと翻し、退店していくところ。去ってゆく彼女の顔は、お気に入りの本を堪能することができたからでしょうか? どこか満足そうに見えました。
帰り支度をしていた
八神 修
が、
「起きたのか、日暮。もうそろそろ、閉店時間だそうだぞ」
「ふわぁぁ……そうみたいだね、すっかり寝入っちゃったよ。『寝子島流活法整体術』の真髄を少し掴みかけたような気が……津島くん、何見てるの?」
と、会計を済ませた修の隣で、直治が何やら嬉しそうな顔を浮かべつつ、一枚の紙を眺めているのに目を止めて、ねむるは尋ねます。
「ああ、これは……さっきのお客さん、三宅さんが、お礼にって。くれたんだ」
「ふぅん、どれどれ?」
覗き込んで、ねむるは、直治の表情の意味を知りました。自然とねむる自身の顔にも、笑みが浮かんでくるようです。
「……すごいな、これ。良い絵だねぇ」
「うん、本当に」
それは、一枚の絵。お店をいたく気に入ってくれたらしい葉月が、素晴らしい本との出会いへのお礼にと、プレゼントしてくれたもの。
見事に描かれた『思ひ出』の店内は、しっとりとあたたかい照明が棚に並んだ本たちを優しく照らしていて、まさしく見る者の思い出として残るような、そんな素敵な色に満ちていて。
「ああ。見事だな」
修もそう感嘆の言葉を述べると、彼らはしばしそこから目を離せず、ただ微笑むままにじっと見入りました。
引っ張り出してきた額へと丁寧に絵を収め、壁に飾ってみると、直治の胸には何だか、誇らしい気分が満ちてきたりもするのです。
閉店後の『思ひ出』は、営業時間中の穏やかな空気にも増して、ひっそりと静まり返っております。店主である叔父も、後片付けを甥っ子に丸投げし、早々に奥の住居へ引っ込んでしまいました。
(まったく、叔父さんは……とはいえ、居候させてもらっている身ですしね)
どうにも気後れしてしまう実家から飛び出して、こうして安寧に満ちた空間へと身を置かせてくれている叔父には、彼とてもちろん感謝しています。いささか自由人に過ぎるところはあるにしろ、少しばかりのお手伝いなどというちっぽけな対価を要求するくらいで、直治の心休まる場所を提供してくれているのですから。
それに、
(叔父さんの集めてくる本は、節操が無いですけど……こういう掘り出し物も、たまにはありますし)
カウンターの裏にキープしていた、読みかけの小説。ひと通りの片づけを手際良く済ませてしまった後に、再び直治はカウンターへと腰を落ち着け、
(……さて、と)
ページを開きます。
後は夜がふけるまで、思う存分浸るだけ……直治は、そんな贅沢が許されている今の暮らしに、それを許してくれる叔父さんに、改めて感謝の念を抱きつつ。
目の前に広がる本の世界へと、心置きなく旅立っていきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『本とあなたの物語』のリアクションをお届けいたします~。
もう随分と昔ながら、関東圏にいた頃、神田神保町に足繁く通っていたことがあります。数あるお店の中へ適当に踏み込み、比較的状態の良い本から、崩れ落ちそうに古い本まで片っ端に引っ張り出しては、これはと思う一冊を日がな一日探していたりしました。
古書との出会いというのは、何故だか真新しい新書と比べても別格のように思われて、そこで見つけた本の中には、今でも印象に残っていたり、今の自分にも影響を与えてくれたようなものがたくさんありました。何だか、独特の感動のようなものがあるんですよね。不思議なものです。
皆さんにも、そういった経験や思い出の一冊など、ありますでしょうか?
最近は、某新古書店のチェーン店などがそこら中にあったり、スマホで本が読めたり、気軽に色んな本に出会える機会があるのはとてもありがたいなぁとは思いつつ、昔ながらの古書店を覗き込んだ時のあのわくわく感みたいなものは、出来ることなら残っていけばいいなぁ、なんて思っております。
近所のそういったお店はもう軒並み潰れてしまったもので、ちょっぴり寂寥感。
それでは今回も、ご参加いただきましてありがとうございました!
またの機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月03日
参加申し込みの期限
2015年07月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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