this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島百物語
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
「さて、」
細い腰を覆うほどの白い髪と黄昏色の瞳に蝋燭の炎影を映し、
旅鴉 月詠
は静まる座敷に声を響かせる。
「怖い話か」
恬淡として動じぬ瞳を瞬かせ、あどけない手紙で人々をこの場に集めたと思しき人形を見据える。
「とある女は生物好きで、家に入ってきた野良の仔猫と遊んでいたのだが」
蝋燭の光を横顔に受け、物静かな、仄かな笑みすら孕んだ口調で続ける。
「ふと、」
――このくらいなら非力な私でも殺せるかな
「思い立ち、水入りバケツに猫を入れた」
今の今まで一緒に遊んでいた女に何の疑いもなく抱かれた仔猫は、次の瞬間水の中に放り込まれ、必死に暴れた。水を蹴立て、バケツの縁に小さな全身でしがみつき、命からがら水の外に這い出て、そうしてまた女の手に掴まえられた。再び水に投げ込まれ、
「蓋をして、音がしなくなってからバケツから引き上げた」
こうやって、と月詠はぐったりと動かぬ仔猫の首根っこを掴む仕草をする。
「覗き込んだら、急に息を吹き返したのか女を引っ掻いて逃げ出した」
幻の猫に引っ掛かれた手を揃えた膝に戻し、月詠は淡々と続ける。
声も上げず、水の跡を転々と残して逃げ去る仔猫の背に、震えて曲げた尻尾に、
――復讐されるかも
理屈ではなくそう思った。だから、
「掴まえて縄で首を絞めた。それでも動くから何度も地面に叩きつけた」
明るい日差しの下に響く、猫の悲鳴。言葉も発さず一心不乱に小さなものの命を奪おうとする女の瞳。
「それでも弱々しくも逃げようとする猫の諦めの悪さが気味悪くなって、とうとう逃してしまった」
クスリ、月詠は嘲る。
「怖くなって布団被って泣き出し、吐き気で飯が喉を通らなかったそうな」
嗤ったのは命奪おうとした女の詰めの甘さか。命奪おうとしたものに怯える女の弱さか。
「それ以来猫が嫌いだという」
凄まじいほどに惨い人間の話に張り詰める場の空気にも構わず、月詠は得意げに胸を張る。
「幽霊よりも怖い人間の話。変化球を投げてみたが、……さて、幽霊的にはどうだろう?」
それどころか好奇心に輝く瞳を人形に向ける。
「是非感想を聞いてみたいものだ」
人形の応えをしばらく待つ。僅かの反応も得られぬことに大した失望も見せず、堂々と周囲の人間を見渡す。十六の少女とも思えぬ達観した態度で話を締める。
「猫は祟る。猫だけでなくどんな生物も祟る。命の大切さを学び無益な殺生をしないことだ」
「その女はどうなりやした」
暗闇から投げかけられた艶のある女の声に、月詠は黄昏の瞳に狡猾な笑みを滲ませる。
「祟りも受けず、自由を謳歌しているよ」
今はね、と小さく呟き、蝋燭の光をひとつ絶つ。ひとつ光が消える度に暗く沈んでゆく座敷に、今のところ確かな怪異は見出せていないが、
(怖い話だけでなく明るい話を聞いて成仏してもらいたいね)
「ほいほい、怪談噺とな」
足音ひとつ立てず、数本の蝋燭の光残る座敷の中央、緋色の髪の女が立つ。先ほど声を掛けた白い髪の少女に軽く手を振る。
「僕も伊達にウン十年生きてないんでね、ネタならいくらでも」
瓢けた口振りで言いつつ、
神狩 カフカ
は中学生に見える恐ろしいほどの童顔を蝋燭の光に近づける。唇に挟んだ火のついていない煙草に炎を移そうとして、
「おっと、こりゃ失礼」
悪びれぬ動作で煙草を仕舞う。煙草の代わりに取り出した棒付き飴を口に含み、その場に腰を落ち着ける。好きな落語家を真似て、コスプレじみて纏った学生服の襟を正し、手品のように引き出した手拭いと扇子を揃えた膝の前に置く。
「僕の知り合いの話ですがね」
蝋燭の光宿して蜂蜜色に輝く瞳を楽しげに煌めかせる。
「今は京都の寺で坊さんやってるジジイの小さい頃の話でさァ」
名前はT君とでもしておきますかね、とカフカは悪戯っぽく笑う。
「ええー、じゃ、お姉さん本当はいくつ?」
「カフカちゃんとお呼びなせぇ、少年」
暗がりから明るい茶色の髪に隠れた顔をひょいと出して食えない態度を見せる
霧谷 朧
を口調に反した鋭い眼光で喝破して、カフカは朧よりも食えぬ笑みを浮かべる。
「見た目そのまま、十四歳でさァ」
さて話を続けやしょう、カフカは静まり返る座敷に張りのある声を響かせる。
そのT君ってのは寺生まれで大層霊感が強い子でしてね。
おまけに良くないものを惹きつける体質だったんでさァ。霊媒体質つうんですかい。
そんなもんで頻繁に危ない思いをしててな。
狐狸妖怪、生霊死霊、よってたかってT君に悪さをしィやがる。それでも大事に至らなかったのは幼馴染のR君が事あるごとに守ってくれたからなんでィ。
――ごめんね、R君
――気にするなって。友達だろ
そんな風な会話も交わしたってもんでございやしょう。R君は何時だって前に立って守ってくれました。憑き物つきってェことで忌み嫌われがちだったT君の手をほんのちっとも怖がらずに握ってくれた。
いつまでも迷惑かけちゃいけねぇって思ったんでしょうねェ。T君、寺の修行を死ぬ気で頑張ったんでさァ。
さァて、そんなこんなでT君とR君が友情を育みつつウン年経った、とある日。
血も滲まんばかりの修行の成果が大分出てきた。
――これ念を込めた眼鏡なんだけど
満面笑顔のT君、R君に一見何の変哲もない眼鏡を差し出して見せる。
――かけると霊も見えなくなるし寄ってこれなくなるんだ
とね。眼鏡をかけて見せて、吃驚仰天。目の前から突然R君が消えちまったじゃねぇですかィ。
驚くT君の耳に聞こえたは、R君の笑い声。
どこからともなく聴こえてきたR君の声はこう言いやした。
――もう俺がお前のこと守ってやる必要もねぇみたいだな
これからは一人で頑張れよ、ともね。
この日以来、T君はR君を見ることがなくなりやした。眼鏡を掛けても、外しても、もう二度と。
――こんなことなら怖い思いも我慢したのに
T君は泣いて後悔したそうな。どれだけ怖くとも、R君と一緒にいたかった、と……
それでも、どれだけ泣こうが後悔しようが月日は流れやす。
ある日実家の古いアルバムを漁っていたT君、古い写真を見つけやした。そこにね、なんとR君が写っているじゃありませんか。
大切な友人の顔を間違える訳も御座いません、これは誰かと親に聴いてみたところ、
――あんたが生まれてすぐ亡くなった祖父の若い頃だ
と、こうきたもんだ。
「おじいちゃん」
いつだったかに酒宴の際に聞いた寺の御坊の呟きを真似て見せて、カフカは嫣然と微笑む。
「何時の世も化けて出るほど親は子が大事なんでさァね」
さァて、と腰を浮かせ、蝋燭をフッと吹き消す。
「お後がよろしいようで」
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島百物語
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月06日
参加申し込みの期限
2015年07月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!