this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島百物語
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
8
つぎへ >>
元居た位置に戻された人形の頭に傍らから手を伸ばす。
怪談会が始まる前に梳いて整えた黒髪をひと撫でして、
桜庭 円
は座敷のあちこちに座す人々を見渡した。
「えーっと、怖くない話だけども」
話を始めようとする人が居ないことを緋色の瞳に確かめ、
「寝子島とは少し関係があるかな」
僅かの緊張も見せずにあどけない微笑みを見せて話し始めるのは、円の地元、神奈川の鉱山街での出来事。
祖父の代まで潤っていた街は、けれど近年山が閉鎖されて後は過疎化の一途を辿った。だから円が知るあの街は、ひどく寂しく、どこか虚しい。
「友達が、フェンスの破れてる場所見つけちゃって」
閉鎖された鉱山と街とを隔てる、有刺鉄線つきのフェンス。その向こうに続く広い草原と、その更に向こうに広がる錆び付いた機械の山や廃坑に続く赤錆びた線路は、小学生だった円やその友人たちにとっては見る度に幼い冒険心を掻き立てる絶好の場所だった。
――秘密基地、作ろうよ!
夏休みに入ったばかりの昼下がりに、そう言い出したのは誰だっただろう。
――オトナにはナイショでさ
仲の良かった友達五人ばかりで囁き交わした時のわくわく感は、今も忘れていない。
皆してリュックにお菓子や懐中電灯を詰め込んだ。大人の目を盗むため、花火大会の夜にわざわざ暗い廃坑へ忍び込んだ。そこまでは順調だった。楽しかった。
「一人の女の子の様子が可笑しくなってね」
高く低く、陽気な声で歌いだした。その場に居る誰ひとりとして聞いたことのない、古い童謡を。
数本の懐中電灯の光があるばかりの真っ暗闇に響き渡る、朗らかな声で歌われる物悲しい旋律に、こっちへおいでと白い掌を振る友人であるはずの少女に、
――こっちで遊ぼう
楽しげに誘う少女の様子に、幼い円は怯えた。混乱した視線を惑わせ、今しも崩れそうな古びた木材で支えられた坑道の奥、
「……最初は玩具だと思ったんだ」
腐り果てて散らばるお供えの花葉と白陶器の花瓶、横倒しに転がる神棚と、砕けた鏡。
そこまで話して、円は首を横に振る。
「なんかやばいなって思って」
――今日は帰ろう
異論は上がらなかった。皆、救いを得たような表情をしていた。
ただ一人、あの女の子だけが、見たことがないほどに不機嫌な顔をして倒れた神棚の前に立って動かなかった。
――またねー
口ずさむ童謡と同じ抑揚で言う友人を置いて帰り、恐怖に引きつる喉で祖父に相談した。途端、いつも穏かだった祖父の表情が一変した。悲鳴に近い声で母を呼びつけ、誰かに連絡を取れと命じた。
「次の日、」
円は些かも怖じぬ声で事の顛末を告げる。
「お母さんの知り合いの三十代ぐらいの男の人が来て、女の子を連れて行っちゃった」
昼日中でも暗く口を開ける廃坑から、恐ろしく疲れ果てた男に手を引かれて出て来た虚ろな瞳した友人の顔は今もまざまざと瞼に浮かべられる。
あれから何年と経た今でも、あの友人とは再会出来ていない。
「あとでお母さんに聞いた話では」
円は不思議そうに首を傾げる。
「あの人は、そういうのを保管出来るんだって」
そこまでを話し、手近い蝋燭を吹き消しかけて、
「で、個人で調べたんだけど」
付け出す。
開坑当初は事故が続いていたこと。
生活の為に口減らしが行われていたこと。
皆で入り込んだ鉱山に人柱が立てられたこと。
「たぶん、あの神棚がそう」
おそらくは、鉱山仕事の役に立たぬとされた年端もゆかぬ少女が、――あの頃の円や友人と同じ年頃の少女が、生きたまま埋められた。
蝋燭の炎を吹き消して後、円は小さく続ける。
「で、ここから寝子島のお話。その男の人を旧市街で見たのさ」
声をかけるのを躊躇い、確認までは取れなかったけれど、確かにあの男の人だった。
(お母さんは寝子島の出だし)
「もしかしたらこっちに住んでて、」
暗闇に沈みながら、円は囁く。暗闇に浮かび上がる人形の白い顔を真直ぐに見つめて。
「あの妙なものも、もしかしたら寝子島に居るのかも?」
――またねー
あの日聞いた友人のやけに朗らかな別れの声が今も耳に残って、消えない。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島百物語
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月06日
参加申し込みの期限
2015年07月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!