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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
真夜中は異世界の扉
公園内の人が目に見えて増加した。殺人鬼の方はいませんか、と勧誘する者も少なくない。
「のんびりしてられないな、これは」
獣皮をなめしたような服装に身を包んだ十条寺 達磨は眼鏡の奥の目を細めた。周囲を素早く見回して盗賊のような身軽さで音もなく走った。
「時音と書いてトネッチと俺が呼ぶ！」
「な、なんですか、突然に？」
驚きの言葉で哀坂 零葉が振り返る。長い黒髪が白い僧衣の上で波打つように膨らんだ。
「俺はショートカットが大好きで、黒髪ロングも捨て難いと思っている、ただの陽気な盗賊だ」
「これは、丁寧な紹介をどうも。私は時音と言いまして僧侶をしています」
「戦いにおいて、回復役は絶対に必要だ。トネッチ、今日からボルサリーノの一員だよ、おめでとう！」
達磨は笑顔で手を差し出した。視線が泳ぐ中、零葉はおずおずと手を上げる。
「ありがとう、だるま君。私もボルサリーノの一員として、それなりにがんばりまーす」
淡い新緑のチュニックを着込んだ屋敷野 梢が横手から笑顔で言った。達磨の手を両手で握り、熱烈な握手を交わす。帽子の側面に刺さっていた羽飾りがユラユラと動いた。その隣りには手を中途半端に上げた零葉が呆然と立っている。
「あの、誰だっけ？」
達磨は握手をしたまま、梢に尋ねた。訊かれた当人は手を離して笑顔で自分の頭上を指差した。
「こずだからコズッチ！ いや、だから誰よ」
「なにを隠そう、いえ、隠さないんだけど。火力はロマンです、を地でいく太ももがセクシーな通りすがりの魔術師なのです」
梢は手の中に古めかしい短銃を出現させて構える。それらしく手首を返して撃つ真似をした。
「職業にガンマンってあったか？」
「話を振ってくれてありがとう。これはですねー、魔力を弾丸として射出するタイプの魔法銃設定の単なる物理攻撃なのです！ 時音さんもよろしくね」
「あ、はい、よろしく？」
梢は零葉の手を握り、片方で達磨とも手を繋いだ。
「じゃあ、余った手で今度こそ、ちゃんとした握手な」
「順番がおかしくなりましたが、よろしくお願いします」
零葉は達磨と手を握る。三人は輪になって笑顔を見せ合った。
「あの、私はゲームの初心者なのでよく分からないのですが、装備品は露店で買わなくても用意できるのですか？」
「私は設定で魔法銃をカスタマイズしましたよー」
「俺は盗賊だからな。もちろんエモノは短剣だぜ」
達磨は両方の手に同時に短剣を出現させた。手の中で器用に回して最後は刃を上に両手を突き出した。
「通常の攻撃の半分の威力だけど、二回攻撃が可能になった。ダガー二刀流だ」
「皆さん、すごいですね。私はゲーム自体が初心者なので、なにも考えていませんでした」
「時音さん、心配はいらないですよ。装備品は雑貨屋で買えると思います。私も魔法水を買いに行くつもりですから」
「俺はピッキングで集めた物を売りにいく。敵とも戦って三千ニャオンを貯めて、高確率でクリティカルになる『アサシンダガー』をゲットする！」
梢の頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
「そんな都合のいい物が売られていますかねー。それに三千って貯まりますか？」
「売っていることを祈る。三千は根性でなんとか。レベルも上がるだろうから、上位ジョブの『忍者』を目指す！」
零葉は遠慮がちに手を上げた。
「……その場合も上位ジョブがあると信じての話なのですよね」
達磨は親指を立てて笑った。
「そこまで設定が可能だったのか」
三人の立ち話の内容に衝撃を受けたのか。漆黒のマントを羽織った八神 修が地面に手を付いて四つん這いの姿になった。服装は魔術師を思わせる。しかし、覗いた両腕は逞しく、腕力に長けているようにも見えた。
達磨は素早く近づいて声を掛ける。
「ヤムーも来いよ」
「……わかった、俺も参加しよう」
「これで私を入れて魔術師が二人になったねー。それにしても良い体格をしていますね」
「確か魔法も腕力が基準になっているのだろう？」
質問で返されて梢は少し間を置いた。
「魔法の威力はランダムみたいですが、下限と上限は決まっていましたよ。もしかして腕力にポイントを入れました？」
「……俺の腕力は十一だ」
またしても修は倒れ込んだ。初期の十ポイントを全て腕力に入れていた。その場にいた全員が労わるような表情を作った。
そこに薄紫の品の良いワンピースを着こなしたエレノアが近づいてきた。
「私も皆さんのパーティーに加えていただけませんか。華奢に思われるかもしれませんが、防御力には自信があります」
「ようこそ、ボルサリーノへ。それで職業は？」
達磨の問いにエレノアはしなやかな手に緋刃のナイフを握る。鮮血が滴りそうな刀身を胸元に掲げて、殺人鬼です、と答えて微笑むのだった。
「のんびりしてられないな、これは」
獣皮をなめしたような服装に身を包んだ十条寺 達磨は眼鏡の奥の目を細めた。周囲を素早く見回して盗賊のような身軽さで音もなく走った。
「時音と書いてトネッチと俺が呼ぶ！」
「な、なんですか、突然に？」
驚きの言葉で哀坂 零葉が振り返る。長い黒髪が白い僧衣の上で波打つように膨らんだ。
「俺はショートカットが大好きで、黒髪ロングも捨て難いと思っている、ただの陽気な盗賊だ」
「これは、丁寧な紹介をどうも。私は時音と言いまして僧侶をしています」
「戦いにおいて、回復役は絶対に必要だ。トネッチ、今日からボルサリーノの一員だよ、おめでとう！」
達磨は笑顔で手を差し出した。視線が泳ぐ中、零葉はおずおずと手を上げる。
「ありがとう、だるま君。私もボルサリーノの一員として、それなりにがんばりまーす」
淡い新緑のチュニックを着込んだ屋敷野 梢が横手から笑顔で言った。達磨の手を両手で握り、熱烈な握手を交わす。帽子の側面に刺さっていた羽飾りがユラユラと動いた。その隣りには手を中途半端に上げた零葉が呆然と立っている。
「あの、誰だっけ？」
達磨は握手をしたまま、梢に尋ねた。訊かれた当人は手を離して笑顔で自分の頭上を指差した。
「こずだからコズッチ！ いや、だから誰よ」
「なにを隠そう、いえ、隠さないんだけど。火力はロマンです、を地でいく太ももがセクシーな通りすがりの魔術師なのです」
梢は手の中に古めかしい短銃を出現させて構える。それらしく手首を返して撃つ真似をした。
「職業にガンマンってあったか？」
「話を振ってくれてありがとう。これはですねー、魔力を弾丸として射出するタイプの魔法銃設定の単なる物理攻撃なのです！ 時音さんもよろしくね」
「あ、はい、よろしく？」
梢は零葉の手を握り、片方で達磨とも手を繋いだ。
「じゃあ、余った手で今度こそ、ちゃんとした握手な」
「順番がおかしくなりましたが、よろしくお願いします」
零葉は達磨と手を握る。三人は輪になって笑顔を見せ合った。
「あの、私はゲームの初心者なのでよく分からないのですが、装備品は露店で買わなくても用意できるのですか？」
「私は設定で魔法銃をカスタマイズしましたよー」
「俺は盗賊だからな。もちろんエモノは短剣だぜ」
達磨は両方の手に同時に短剣を出現させた。手の中で器用に回して最後は刃を上に両手を突き出した。
「通常の攻撃の半分の威力だけど、二回攻撃が可能になった。ダガー二刀流だ」
「皆さん、すごいですね。私はゲーム自体が初心者なので、なにも考えていませんでした」
「時音さん、心配はいらないですよ。装備品は雑貨屋で買えると思います。私も魔法水を買いに行くつもりですから」
「俺はピッキングで集めた物を売りにいく。敵とも戦って三千ニャオンを貯めて、高確率でクリティカルになる『アサシンダガー』をゲットする！」
梢の頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
「そんな都合のいい物が売られていますかねー。それに三千って貯まりますか？」
「売っていることを祈る。三千は根性でなんとか。レベルも上がるだろうから、上位ジョブの『忍者』を目指す！」
零葉は遠慮がちに手を上げた。
「……その場合も上位ジョブがあると信じての話なのですよね」
達磨は親指を立てて笑った。
「そこまで設定が可能だったのか」
三人の立ち話の内容に衝撃を受けたのか。漆黒のマントを羽織った八神 修が地面に手を付いて四つん這いの姿になった。服装は魔術師を思わせる。しかし、覗いた両腕は逞しく、腕力に長けているようにも見えた。
達磨は素早く近づいて声を掛ける。
「ヤムーも来いよ」
「……わかった、俺も参加しよう」
「これで私を入れて魔術師が二人になったねー。それにしても良い体格をしていますね」
「確か魔法も腕力が基準になっているのだろう？」
質問で返されて梢は少し間を置いた。
「魔法の威力はランダムみたいですが、下限と上限は決まっていましたよ。もしかして腕力にポイントを入れました？」
「……俺の腕力は十一だ」
またしても修は倒れ込んだ。初期の十ポイントを全て腕力に入れていた。その場にいた全員が労わるような表情を作った。
そこに薄紫の品の良いワンピースを着こなしたエレノアが近づいてきた。
「私も皆さんのパーティーに加えていただけませんか。華奢に思われるかもしれませんが、防御力には自信があります」
「ようこそ、ボルサリーノへ。それで職業は？」
達磨の問いにエレノアはしなやかな手に緋刃のナイフを握る。鮮血が滴りそうな刀身を胸元に掲げて、殺人鬼です、と答えて微笑むのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年03月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年03月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年03月25日 11時00分
