this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ハロウィン】夜を往くもの
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
【闇を食む】
流れ押し寄せる大水のように、月明りを浴びる街へと入り込み、染み入っていくハンターたち。その剛健な肉体を突き動かす理由は似通っているようで、実のところその根底にあるものは、千差万別です。
エレナの呼びかけに呼応し、街を覆う伯爵の支配を退け滅ぼさんとする、ある種の純粋な者もあったでしょう。
あるいは、そこに支払われる対価の魅力に惹かれ、安くは無い生命と天秤にかけることを決めた者も。
あるいはもっと根源的な、彼ら夜の住人たちへの憎悪、復讐心、嫌悪感を打ち払い、心を満たす安寧こそを求める者も。
けれど……ならば、
エレノア・エインズワース
。彼女のようなハンターを、なんと形容すべきでしょうか?
先の、夜の始まりに。街の外れに建つ簡素な宿の一室で装備の確認を行うさなかに、協力を仰ぐため尋ねたハンターのひとりへ、エレノアは嘲りのような笑みを浮かべて言ったのです。
「……魔術。錬金術。そんなものについて理解を深めれば深めるほど、彼らは興味深く私の目に映るのですよ。神秘に属する生物には、目が無いものでしてね」
噂を元に流れ着き、かといって狩人たちと行動を共にはせず。彼女の目的は、他のハンターたちの誰とも異なる、相容れないものでした。むしろ彼らの無軌道な暴動にも似た粛清の嵐は、彼女の目的を遂げるための、素晴らしい陽動に過ぎません。
かくしてエレノアは、たったひとりで、街外れのとある古城へと向かいます。夜風に翻すのは、いたるところに十字の意匠をあしらった外套。武器は強靭な弦を張ったクロスボウに、銀のナイフを一振り。
噂によれば、この古城もまた、この地に根付く強力な夜の住人が住まう場所。その領域へと踏み込もうというのに、エレノアは涼しげに笑み、心躍らせているようにも見えました。
かすかに空へ残っていた夕日の残滓がすっかりと消え失せ、完全なる夜が訪れたのを確認してから、エレノアは古城へと足を踏み入れます。主が留守であることは確認済み、人気を感じない薄ら寒い石造りの建造物の中を、エレノアは我が物顔で散策し、探索します。
豪奢な陶器が並ぶ食堂。見せ掛けだけの寝室。どこかの貴婦人が描かれた肖像画の脇を通り抜け、地下へと下りたところで、
「ああ……見つけました。なるほど、寝心地が良さそうですね」
重厚にして、絢爛。金縁で彩られた黒塗りの棺を見つけるなり、エレノアはその重い蓋を押してずらすと、中へと自ら潜り込み……身を横たえ。そこら中に反響する軋みの音にも構わずに、蓋を閉じました。
そして彼女は、待つのです。じっと静かに。
獲物を。
今夜もどうやら、徒労であったようです。
(やはり……無理なのか)
街外れの古城へと帰還した
ハートエッジ=ダークロード
は、光を映さない視界の半分、失った片目のまぶたへそっと手を添え、窓から月明りを仰ぎます。
そして、振り返ります。肖像画に描かれた、美しい女性の姿を。
ぼんやりと、考えます。彼女と共にこの月を見上げたのは、一体どれほど昔のことだっただろうかと。二百年? 三百年? 首元にいつもかけているペンダントを、そこへはめ込まれた、彼女の遺したアメジストの輝きを見下ろしながら。
物思いに耽っても、浮かんでくるのは、失ったものを未だ心の奥底から追いやることの出来ない、未練。絶望的な記憶。そんなものばかり。
不死のはずの肉体に蓄積する疲労の命ずるまま、彼は眠りにつくべく、地下へと向かいます。傍観者でいるのも、疲れ果てたところです。やがて日が沈み、再び月が昇るまで……それまでは、泥のように眠っていたい。
棺で眠るのは、彼が人とは袂を分かつことを決めた、その決意を表すもののひとつではありました。いつものように、棺の蓋へ手をかけ……ふと。
彼は、その手を止めました。
深いため息を、ひとつ。
(人と吸血鬼は……相容れない。今さら、何を苦悩する? もう、決めたはずなのに)
蓋を、開きます。思い切り、腕を振るって。
彼の持つ人ならぬ腕力による衝撃に晒されて、砕け散りながら弾け飛んだ重々しい蓋の、破片の合間を縫うように……飛翔する、鉄の閃き。棺の中から射出された矢を、けれど彼はその手に握り込み、心の臓を前にぴたりと受け止めてみせました。
「あら、外れですか……いえ、むしろこれは、当たりでしょうか?」
クロスボウを構えた少女は、人間の狩人は棺から身を起こし、仇敵たる吸血鬼を前にして、ゆったりとした仕草で次の矢を装填します。
微笑みながら。
「有象無象を苦も無く仕留めるのも、味気ないものですしね。むしろ貴方のような、力ある吸血鬼の肉体にこそ価値が……」
「ダンピールだ」
楽しげな少女を遮り、彼は告げます。
「俺は、人と吸血鬼の混ざり物……半端者なんだ」
「……それは、それは。素晴らしい。希少価値がある、というわけですね」
闇に潜む同族たちと比べてもなお、目の前の少女の邪まな嘲笑に、確信は深まります。
やはり……結局のところ。相容れないもの。
「言っておく……俺は、オーシャン伯とヘルシングの争いになど、興味は無い」
「気が合いますね、私もですよ」
「……俺が傍観者たることを、どうあっても邪魔するというのなら」
失ったはずの片目が、時として煌き瞬くのは、
「誰であろうと。ハンターも、人も、同胞も。全て……消す」
目の前に立ち塞がる何者かへと、殺意を覚えた時。
「たったひとり。数百年の中で、たったひとりだ」
吸血鬼の膂力は、たやすく古城の壁を破り、床や天井を形作る石を貫き、単なる瓦礫へと変えていきます。
「半端者、混血である俺は同胞からも疎まれ、当然のこと、人間からも恐れられ。化け物と罵られ……そんな中、たったひとりだけ。彼女をおかげで……数年の僅かな間だけ、俺は人として生きることができた」
一足で数メートルをも踏み込み、壁も天井も足場としながら……首元で煌くアメジストの軌跡を引きながら、彼は少女を、エレノアを攻め立てます。
「……事故だった。とても不幸な……だが彼女は死に、そして不自然に生き延びた俺を見て、人々は再び俺を罵った。俺こそが恐るべき災いだと、手のひらを返すように……俺を追い立て、殺そうとした」
槍の穂先が抉り、鞭がしなり肌を引き裂き、紅色の飛沫が散り。滴って。
それでも少女は、笑みを崩しはしません。
「気付いた時には、あたりは血の海に沈んでいた……残ったのは、彼女がくれた、このアメジストだけ」
銀の閃き。少女のナイフが鋭く、彼の手首を半ばほど切り裂き、床へ落ちた槍の鳴らす乾いた音が響き。
瞬く間に修復されていく手首の傷を、諦観の滲む瞳で眺めて。取り止めの無い独白を締めくくるように、つぶやきました。
「……以来、俺は……人としての半面を捨て去り、吸血鬼として生きることを決めた」
「なるほど、怪物と称される貴方たちにも、まるで人並みの人生があるかのような。ええ、とても興味深いお話ですね」
「ならば、お前は……何なんだ?」
元通りになった手首をひとつごきりと鳴らし、貫き手を構えて、問います。狩人へ。
捉えどころの無い少女の、嘲りへ。
「お前たちハンターの持つ吸血鬼狩りの技もまた、異能だ。全ての同胞を駆逐しようと、次に人間たちが疎み、蔑み迫害するのは、お前たち自身に他ならない。ならばお前は……何のために、俺を討つ?」
狩人を突き動かす根源は、千差万別ではありました。彼もそれを、幾つもの夜を渡ってきた中で熟知しています。
けれど、彼女は……どこか、そのいずれとも違うように見えました。
やがて、エレノアは。裂けるように、開いた口で。
「……牙。眼球。血液……」
彼を、嗤いました
「腕。足。指先。耳、鼻、髪も。肺、胃、腸。心臓!」
「貴方を捕らえ、その生態を調べたなら、大いに研究は捗ることでしょうね。どうにも、目が無いのですよ。神秘の生き物というものにはね」
実験体。サンプル。そう、呼びました。彼を。
今この夜を、それでもあがいて生きている、彼を。
「お前は……ここで、消す」
ああ、やはり。人間というものは。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ハロウィン】夜を往くもの
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!