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【ハロウィン】夜を往くもの
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【謀り】
街外れの森の中、ひっそりと佇む屋敷とて、ハンターが見落とし通り過ぎることはありません。
「おや。来客かな」
ノックもなく乱暴に開かれた扉を、穏やかな瞳で眺めた少女。使用人然としたその装いにも惑わされず、狩人は相手が求める獲物であると確信し、剣を抜き放ちました。
それでも。
「いらっしゃい。紅茶でもどうかね?」
ロザリオ
は、意にも介さず。不躾な侵入者へと、手にしたトレイを掲げて見せながら、
「チョコもあるよ。チェス盤を模ってみたんだ、面白いだろう? もちろん、味にも自信が……」
まだ若い狩人は踏み込み、少女へと詰め寄り、喉元へと突き付けます。銀の長剣を。
「ふむ。お気に召さないかね? 人間は好みにうるさくていけない。ならクッキーはどうかね、なかなかに上物だよ」
鋭く。一閃。
有無を言わせず、振り下ろされた剣……けれど、空を切り。
はっとした狩人は、悟ったようでした。この屋敷の主と、自身の間を隔てて横たわる、覆しようも無い力の差を。
無数の蝙蝠と変じたロザリオは、いつの間にやら卓に着いた姿で現出し、カップを手に取り立ち昇る香りを堪能しながらに、
「悪いが、君の要求には応じられないよ。バトルがお好みなら、街へ行けばいい。伯爵の屋敷へ向かうのなら、街を挟んで反対方向だ。君も彼に、その剣を振るってみるかね? 彼とその眷属をいくらかでも滅ぼしてくれるなら、街の人間も喜ぶだろうさ」
狩人は、気付いたようでした。街中に蔓延る伯爵の眷族たちと、彼女はどうにも、その趣が異なることに。
敵意も、殺意も。微塵の衝動すらも、彼女は感じさせないのです。
それに……彼女の発した言葉の、ちりと日の光が翳るような違和感にも。
街から届く鋭い剣戟の音、悲鳴や怒号に耳を傾けて、悠々と紅茶を呑みながらに。ロザリオは、
「私はね、この森の中で、静かに暮らしていたいだけなのだよ。分かるかね? 私はあまり血を好まないし、眷族を必要ともしていない。時折人里へ下りて、彼らと触れ合ったり、他愛も無い会話に花を咲かせたり。彼らの持ち込む突飛な娯楽に興じてみたり。時に彼らへと、森に隠遁する賢者など気取りながら、永い時の中で得た知識をいくらか授けてやったり。そうして彼らの行く末を、静かに見つめていたい……それだけなのだよ。だから」
紅色の瞳が、瞬いて。狩人は、取り落としそうになった剣を慌てて、手に握り直しました。
「思慮の浅い同族たちに、あまり街を荒らされても困るわけだ。たびたび、忠告はしていたんだがね……」
目の前の吸血鬼は、確かに、異端の存在ではありました。けれどやはり、それでも。
彼女とて、夜を往くもの。
「どうにも伯爵は、力を付けすぎた。ここらで少々、痛い目を見てもらおう……とね。仮にそのさなかで彼が滅ぼされたとしても、私にとってさしたる意味は持たない。お分かりいただけたかな?」
もはや十分に、狩人には、理解が及んだようでした。その証に、彼はゆっくりと剣を鞘へ収め、一歩、また一歩と、少女からじりじりと後ずさり、開け放たれた扉へと近づいていきます。
かの名高い家名を背負う、狩人。ヘルシングの名を持つ彼女へと、狩るべき者の存在を知らしめたのは……今夜に広がる災禍の発端となったのは、一体、誰であったのか?
「……おや、お帰りかね? 賢明だ、君は長生きするだろう。ああ、扉は閉めずとも構わないよ、心地良い夜風をもう少し感じていたいのでね」
狩人は、逃げるように去って行きました。
つまりは。ハンターたちへともたらされた情報は、ロザリオの思惑通りに彼らを突き動かし、今や大火となって、街を余さず覆い尽くさんとしています。
もっとも……たとえそこに、彼女の思惑が介在していたとしても。
カヅキ
には、そうした経緯で得た情報、即ち吸血鬼と化して自分の元を去った、他ならぬ兄の所在を知ることが出来たことには、感謝はすれど恨みなど無いでしょう。
キリト
も、また。
「感謝してやらんことも無い。あの気まぐれな女にはな……おかげでこうして、俺はお前と、戯れることができるのだから」
飛来する銀閃。ひとつ。ふたつ。みっつ……最後のナイフを避けそこない、頬へと走った赤い筋を、キリトは親指ですくい、伸ばした舌で舐め取り。その素晴らしい味わいに、内から湧く昂揚を感じます。
弟を見据える視線は、氷のように冷たいままに。
「……っ、惑わされるな……あれは、あれはきり兄じゃない。その姿を騙る、ただの……化け物!」
カヅキの身のこなしは、キリトの目から見ても確かに、熟達したハンターのそれです。向けられた殺意もまた本物で、少しばかり手を抜いたなら、すかさず銀の刃が胸を穿つでしょう。
けれどキリトは、当然にして、見過ごしたりはしません。
自身の投じた刃が兄の顔を傷付けたことに、カヅキが動揺を隠せないことを。
「どうした? 俺の血を抜くんじゃなかったのか。俺を人間に戻すんじゃなかったのか? 優しかった、かつてのお前の兄の姿へと……なあ、カヅキ?」
「う……うるさいっ!」
やみくもに乱れ飛ぶナイフ。服のそこらじゅうに隠し持つ刃を、間髪入れず、逃げ場も無いほどにカヅキは投擲し、その内のいくつかは確かにキリトの身体をかすめ、刻んでいきます。
キリトが戯れに、そうすることを許したので。
「……だが。ぬるいな」
「ッ!? あ……がっ!?」
いかにハンターといえど、カヅキの目には追えなかったでしょう。後頭部へ叩き付けられたのが、背にした壁であったことに、一瞬にしてそこへと押し付けられていたことに気付いたのは、眼前にキリトの顔、首筋にその呼気を感じてからでした。
咄嗟に振るった刃を……渾身の力を込めたであろうそれを、キリトはあっさりと素手で掴みあげ、
「そ、んな……」
「こんなもので、俺を殺そうと思ったのか? 人間が、この俺を?」
かつん。手も無く床へ落ちた、最後のナイフ。
「い……いや、離してっ!」
キリトは、刃に裂けて赤い雫の滴る指をおもむろに、呆然と開かれたカヅキの口へと突き入れ。唾液がすっかりぬめる血液を吸い取るまで、飽きるまで。あたたかい口内を、蹂躙し。
「どうだ? これが、俺の血だ。お味はいかがかな」
「う、ェ……っ、こんなの……ただの、鉄の味しか、しないもん……っ」
「そうか? だが、心配するな。すぐにお前も、血の虜になる」
「俺が、教えてやる……」
「あ、やッ……」
もはや、阻むものはありません。
血と唾液に塗れた指先を引き抜き、カヅキのほっそりとした身体へと這わせて。胸の隙間にするりと忍び入れ、あっさりとボタンを弾くと、滑らかな肌を露出させ。撫で上げ、その反応を楽しみます。うっすらと上気していく肌を。熱くなっていく吐息を。
そうしてたっぷりと、楽しんだ後に。
「……や、やだ…………あッ!?」
つぷ、ん。ゆっくりと、ピンク色の肉をかき分け、入り込みます。首筋へ。
「あ、あっ、あ! あ、やだ……あッ、あッ、あ」
啜ります。思う様、たっぷりと。
……あの突き上げるような吸血衝動が収まる頃には、カヅキは……弟の瞳は既に、蕩けて。涙に濡れながら、微笑みすら浮かべ、キリトへと向ける感情は紛れも無く、
「きり……兄……」
「ああ。これでお前も、俺と同じ。衝動からは逃れられない……俺からも。永遠にな」
「…………嬉しい。これからは、ずっと……一緒なんだね。もう、僕のこと……ひとりに、しないでね……? ずっと、ずっと……一緒にいて、ね?」
そしてキリトは、願います。弛緩した弟の身体を、優しく抱き寄せながら。静かに煌々と輝く、月を見上げながら。
(いつか……俺を、殺してくれ。お前の手で、俺を……お前に吸い尽くされ、果てるのなら、俺は……)
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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