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【ハロウィン】夜を往くもの
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【そして再び夜を往く】
「友を失った痛みはある……が」
屋敷のあちこちへと
シュウ・ド・モリヤ
が仕掛けていた爆薬へ、彼の手になる蝙蝠たちが火をつけ回っていたことに狩人たちが気付けなかったのは、伯爵を打ち倒した末の気の緩みだったかもしれません。
「闇の世紀は続くのだよ」
彼が怜悧な笑みを浮かべた瞬間に、爆裂音。吹き飛び崩れゆく壁。一気に噴出した火勢が、瞬く間に全てを包み込み始めます。
「さあ、往こうか、ユエ。諸君、またお会いしよう」
ユエ=トゥルーダーク
の頬へ唇を寄せてから、シュウは彼女とともに収束する無数の蝙蝠たちへと姿を隠し、消え失せ……程なく遠くに、遠ざかっていく蒸気自動車の駆動音。
高く嗤う声……炎に包まれる屋敷から、彼はハンターの追撃を見事な手管で逃れ、まだ暗がりの落ちる道を走り去って行きました。
ともかくも。この夜を経て、多大なる犠牲を払いながらも狩人たちは伯爵を滅ぼし、蔓延る吸血鬼たちを打ち倒し、街へ眠れる夜を取り戻しました。
けれど当然にして、彼らが足を止めることはありません。
彼らは、吸血鬼ハンター。滅ぼすべき悪鬼は、世に尽きないのですから。
オーシャン伯爵の討伐に端を発した災禍の火は、ヘルシングの末裔の死をもってやがて恐るべき炎となり、各地へ広がっていくこととなりました。
後。幾つかの夜が明けた頃のこと。
唇をそっと、名残惜しそうに引き離しながらに。
リュカ=レッドグローブ
と
カーゲル=T・ラフウェル
は見つめ合い、寄り添い合って、互いの温もりを確かめ合います。
「このまま……ふたりで静かに、暮らしていけたらいいのにね」
「ええ……あなたと、ふたりで」
人間。夜の住人。何もかも違うふたりが共に暮らすことに、不便は多くありました。異なる時間を生きるふたりは、それでも……互いに触れ合う肌の温もりが、それこそがふたりにとっての真実なのだと、そう信じて。
あの街から逃げ去ってより、過ごした数日間。それはふたりの、短くも幸せな時間でした。
けれど。
そんな日々が遠からず終わってしまうことを、ふたりも……ふたりであるからこそ、どこか分かっていたのかもしれません。
ハンター。ふたりを探し当てた彼女が、リュカの父が雇ったひとりであったのかどうかは、事ここに至っては定かではありません。
「……リュカッ!!」
恋人を庇い、身を投げ出したリュカの胸を貫いた剣に、彼女の明確な死とこの幸せな時間の終焉、それ以上の意味など、何も無いのですから。
「アハハ。人外と人間が、共存できるわけが無いだろう? この、薄汚い化け物どもが……!」
凄絶な笑み。
ナキ
は剣を振りかざし鮮血を払い、ふたりを嘲りました。
「恋人同士? 反吐が出る。混血として生まれた子が、一体どんな人生を歩むことになるか……君たちは少しだって、考えたことがあるのかい?」
彼女自身こそがそうであろうなどとは、おびただしく赤い奔流を溢れさせる彼女を見つめたカーゲルには、考えも及びません。
「だから……そう。僕の両親のような、こんなおぞましい過ちは……正さないと、ね! この僕の手で! ハハハッ、アハハハハ……」
「……あやま、ち?」
笑うハンターの、耳障りな声も。自身の左胸をも貫いた、刀身の冷たい感触すらも、彼は、顧みず。
恋した人。リュカ。その死に何らかの原因を求めるならば、当然のこと、彼自身にこそそれはあり。それこそが、彼女を愛したことそれ自体が、そもそもの過ちであったのだと……。
「……後悔、なんて……してない、よ……」
こぽ、と赤い雫を、口元へ溢れさせながらも。
リュカは……膝を折った恋人を、儚げに見つめて。
「少しの……間、だったけど……あなたと、暮らせて……本当に。とても、とても……幸せだった」
本当に。とっても、とっても、幸せだったよ。
私の人生の中で……いちばん!
「……リュ……カ」
泣き濡れた笑顔のまま、それでも幸福に包まれて逝った彼女へ。もうあまり動かない身体を懸命に動かして、手を伸ばします。
せめてそっと、重ね合わせます。手のひらを。まだほんのりと残る、温もりへと。
「……リュカ。僕は……」
消えていく心の中で、謝罪の言葉を紡ぎかけて……けれど、彼が最後に浮かべた表情は、愛した人と同じ。
幸福な微笑みでした。
「長い……あまりにも、永い、夜の……終わりに……あなたと、共に、過ごした……限りある、時間……それこそが、僕にとっての……」
それでも、彼らは。時に反目しながら、時に寄り添いながら。
どうしようもなく永い夜を、往くのです。
そして……そびえ立つビル街に煌々と瞬くネオンサインが眩しい、ある夜に。
オープンカフェで優雅に紅茶を楽しむ
ロザリオ
の元を、懐かしい顔が尋ねました。
「やあ、君か。調子はどうかね?」
「悪くは無いな。悩むことが無いというのは、存外気分のいいものだ」
ハートエッジ=ダークロード
はごきりと首を鳴らして、古馴染みを見下ろします。
「お前は未だ、傍観者か。気楽だな」
「君に比べれば随分とね。噂は聞いているよ、ハンターにも、同族にも恐れを抱かれる、真なる闇の王と。どちらをも相手にするのは、骨が折れるだろう?」
「そうでも無いさ」
彼が心を決めてから、はや数百年。
天敵たる狩人たちにも。同胞たる吸血鬼たちにも。彼は組することなく、あえて両者を敵と見据えて戦うことで、ハートエッジの名を彼らの共通の敵とすることで、彼は争いの矛先を纏め上げ……罪無き者がいたずらに命を散らすことを、抑えているのです。
険しい道を選んだものだと、彼自身も思います。けれど胸に煌く、未だ色褪せないアメジストの輝きを通して、それが思い出の中であったとしても……彼女が少しでも、微笑むのなら。
ロザリオは、そんな彼へと肩をすくめて、
「ご苦労なことだ。だが、心するといい。懐かしきオーシャンやヘルシングの名こそ途絶えても……例えば、ミツルギの血脈。代々受け継がれる、アンヘルの銘。エインズワース家の研究の粋など、今や容易く我々を滅する域に達していると聞くよ」
「ああ、分かっているさ。それにこのところは、懐かしい顔も、俺へと刃を向けるようになったよ。混血、矢萩奈鬼の消えない怨嗟に、ハウスフィールドの殺意……やつはあの夜に同胞となったのだったか。その技は吸血鬼となり冴え渡るばかり……」
「モリヤとトゥルーダーク、それにあの、ミッシェル夫人も。だろう?」
「……それはともかく」
彼は、ふい、と目を反らして。
「俺はもう、迷わない。ではまたな、お前も狩人には気をつけるといい。連中は……どこからでもやってくるぞ」
「ご忠告どうも。良い夜を、ダークロード」
影すら残さずに消え失せた彼を見送ってから。ロザリオは心地の良い夜風に目を細め、紅茶をひと口。
月の下、喧騒に覆われた繁華街を歩けば、あるいは。銃の形をした痣を胸に抱く、悲しげな瞳の青年の姿を見かけることが出来たかもしれません。
あるいは、腕を引く弟と薄笑いを浮かべた兄。仲睦まじい、彼らの姿も。
「きり兄、はやくはやく!」
「そう急かすな。夜は長い……」
あるいは、別のふたり。未だ終わらない、彼らの歪な依存関係。暗がりに潜み首筋へ牙を立てて、甘美な恍惚を貪る姿も。
「ああ、良い月だ。シュウト。こんな夜に味わう、貴方の味は……なんて、素晴らしい」
「……にいさん……」
あるいは。
路地裏を駆け抜ける、あのふたりの姿も。
追い縋るハンターたちの脅威は、彼らには有って無きものに等しく。傍らに、彼がいるのなら。彼女さえいるのなら。
「やれやれ。無粋な連中だぜ」
「ねえ、早く終わらせて。今夜も、ふたりっきりで……楽しみましょう?」
「ああ、ふたりきりで。蕩けるほどに」
とこしえに。明けることの無い、この夜を。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『夜を往くもの』のリアクションを、お届けいたします~。
吸血鬼。良いですよね。その響きだけでぞくぞくしてしまいます。
広く好まれるジャンルだけあって、皆さんのアクションを拝見しますと、それぞれに違ったイメージが見えてきて、とても興味深かったです。
しっとりしてどこか背徳的で淫靡な吸血鬼像も、派手に激しいバトルアクションなイメージも、墨谷はどちらも好きなもので、どれもノリノリで執筆させていただきましたー。
今回はIFのお話ということで、古めかしかったり気取った言い回しなども含めまして、割と自由に書かせていただきました。
PCの皆さんには、こう……神魂か何かが見せた、一夜の夢。とかなんとか、そんな感じにでも受け止めておいていただければ。
普段とは違った世界やキャラクターをお楽しみいただけましたら、幸いです。
それでは、今回もご参加いただき、ありがとうございました!
またの機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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