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【ハロウィン】夜を往くもの
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【相容れぬものたち】
今や、街中に灯り始めたかがり火。
リュカ=レッドグローブ
は思います。この揺れる炎のうち幾つが、父の灯したものであるのだろうかと。
「……逃げて」
愛しい人を振り返り、再度。強く願います。
「お父様は、貴方を決して許さない……すぐにここへも、ハンターたちがやってくる。殺されちゃう……」
リュカは街の名士のひとりの娘であり、言わばご令嬢です。愛情深い父、箱入りだと思っていたその愛娘が、とある青年と幾度も逢瀬を重ねていたと知った時。あまつさえ、その青年が汚らわしい、夜の住人であったのだと知った時。
父の浮かべた見たことも無い表情を思い返すだけで、リュカの身は震えます。
父の雇ったハンターたちは、あの高名な狩人を筆頭とした街の浄化に加わりながら、今も本当の標的を探しているのでしょう。彼らの剣先や銃口が向く先がどこにあるのかを、彼とて理解しているはずです。
けれど、彼は。リュカの愛しい青年、
カーゲル=T・ラフウェル
は、未だ迷いに囚われているように見えました。
「僕に……君を、置いていけと?」
「でも、ここにいたら、殺されちゃう! 私には……耐えられないよ。貴方が死んじゃったら……私、生きていけない」
「しかし……」
迷う彼は、夜の住人にしては穏やかで、優しくて。リュカの首筋へと牙を立てるでもなく、血を啜るでもなく……人間としての彼女を、真っ直ぐに愛してくれます。彼もまた、異端の吸血鬼ではありました。
だからこそ、ふたりは惹かれ合い、互いを求めるようになり……けれど今、そんな優しさこそが、不死であるはずの彼の命を脅かそうとしているのです。
「……貴方だけでも、逃げて。会えなくなるのは、お別れするのは、辛いよ……でも、それでも。貴方が、死んでしまうよりは……」
「僕だって!」
リュカの両肩を掴む手。強く、痛いくらいに。けれどその痛みすらも、彼から伝わる想いの証のように思えます。
「僕にだって……耐えられません。君と離れるなんて。ここで別れたなら、もう二度と、君と僕は出会えない。巡り合えない……そんな気がするから」
まっすぐに覗き込む瞳。視線を絡めて、はっきりと。
「君を、置いてはいきません」
「っ……それなら!」
リュカの令嬢らしからぬ行動力を、彼も知ってはいました。
頭を傾け、捧げるように差し出されたのは、白い、白い……。
「私の血を、吸って。貴方の仲間にして! そうすれば、ずっと一緒にいられる。貴方と、ずっと一緒に。永久に……」
白い首筋へ、引き寄せられるように近づく、彼の顔。震える肩。吐息が触れれば、リュカの身体は抑えきれず、ぴくんと跳ねました。
もとより、覚悟は出来ています。彼に全て捧げて、彼と同じ夜の住人へ堕ちると思えば、悦びさえも感じました。
抱き寄せられて。牙が……首筋へと。
「あ……ッ」
……けれど。
つぷりと牙の入り込む少しばかりの痛みも、想像を絶すると聞く吸血に伴う快楽も、リュカを満たすことは無く。
代わりに耳元へと寄せられたのは、いつもの彼の、静かな声。彼女を満たす、優しい囁き。
「……逃げましょう。一緒に。誰にも見つからない、静かなところへ……君と、ふたりで」
街を捨て、家族を捨て。それでも人の身のままで、リュカはその夜に、逃亡者となることを心に決めました。吸血鬼の伴侶として。
ふたりは揺れるかがり火の合間を縫って街を抜け出し、程なく闇に消えていきました。
人も。吸血鬼も。時として、荒波のようにうねる運命の迸りに翻弄されるのは、変わりが無いようにも見えました。
したたかにそんな流れへと抗おうとする人間が、あるいは吸血鬼ハンターと呼ばれる人々であるなら、
カヅキ
とてそのひとりではあるのです。
けれど今、その手に握り締めた銀のナイフは、その刃先は、頼りなげに揺れています。
「……きり兄……」
「良い月だ。久しぶりだな、カヅキ」
踏み込んだ洋館は、かつては病院であったのだと聞きました。彼がここを居城に選んだのは、少なからず人であった時の自身の生業を覚えているからだと。未だそこへ執着があるからだと、カヅキにとってはそれが、淡い希望でもありました。
けれど。目の前にした彼は……兄は。
キリト
の双眸は、煌々と紅く灯り、冷たく弟を見据えています。
ナイフを、きつく握り込んで。乾いた喉から、言葉を搾り出して。
「街の、神父さんに……聞いたんだ」
「ほう?」
「吸血鬼の血を身体から全部抜き取れば、人間に戻れる、って」
あえて口にしたのは、なぜだったのでしょう。答えが欲しかったのか、あるいは無碍に否定されてしまいたいのか。荒唐無稽に過ぎないと。
縋るほどの価値など無いのだと。断じられたかったのでしょうか。
「そんな詭弁に踊らされて、お前はここへ来たのか? 俺を、戻す? そんな方法は無い……永劫を生きるか。消滅するか。ふたつにひとつだ。神父とやらには、俺やこの街へ潜む数多の同族たちをお前が滅ぼしてくれるなら、関わりの無いことだったろうがな」
「……分かってる! 分かってるんだ、それでも……!」
縋るしか、ありません。今のカヅキには。
彼は……キリトは、兄なのです。大切な。狂おしいほどに愛しい、今はもう人間ではない……カヅキの、大切な。
だから。
「それで。どうする? 俺の血を抜くか? 無駄だと分かっているのに。俺に向かってくるのか? なあ、カヅキ」
「……誰かに……他の誰かに、させるなんて。許せない。許さない」
街中に散った狩人たちは、いずれここにも訪れるでしょう。彼らに先んじて、他ならぬ兄の所在を知ることが出来た幸運に、カヅキは感謝しながら。刃を。
ざくりと。手首へ、沈み込ませます。
腕を伝い、肘から滴って、床へと形作られてゆく、鮮やかに赤い真円。
兄の口元が、ついと吊り上がり。覗く怜悧な牙のぎらつきが、ことのほか目に付いて。
「ああ……実に、そそるな。カヅキ。昂ぶりを感じるよ」
「そう? 僕の血が欲しいなら、来なよ。タダではあげないけどね……吸血鬼が夜を統べるなら、僕は夜に抗う」
カヅキは彼の弟であり、そして……狩人でもあるのです。
刃先の揺れはとうに止まり、兄の形をした仇敵へと、告げました。
「『吸血鬼のきり兄』は……僕が、殺すッ!!」
ハートエッジ=ダークロード
が渡ってきた夜は、数知れず。彼は幾度も、幾度も繰り返される、無数の夜を見つめてきました。
そこに生きる人々や同族たちの邂逅、触れ合いに別れ、対立。おぞましく醜い、目を背けたくなるような争いも。
彼自身とて、そんな流れに翻弄され、絶望した苦い過去は身に染みて、未だ夜毎、胸を苛みます。
夜の闇へと消えていく、恋人たち。洋館で対峙する、肉親同士。今夜もまた、抗う彼らを見つめて、心は軋みます。
(どれだけ惹かれ合おうとも……たとえ血の繋がりがあろうとも。やはり……人と吸血鬼は、相容れないもの)
気付けば、瞬く間に彼を取り囲む、狩人たち。
振るわれた剣を、黒霧と化して避け。携えた長槍を振るい銃弾を弾き落とすと、ひとりの喉を貫き。もうひとりを翻した鞭で打ち据え、絡め取り引き寄せ……貫き手で、胸を。
指先にぬめる感触、頬にあたたかい飛沫を浴びながら、次々と迫る銀の脅威を眺め、彼はつぶやきます。
「だが……本当に、そうなのか? 分かり合えないのか……?」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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