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【ハロウィン】夜を往くもの
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【束の間、夜明け】
振りかぶり、叩きつけられる吸血鬼の膂力が、
アンヘル
を打ち据え。弾き飛ばし、骨を折り。けれどいくら身を砕かれようとも、手にした刀身の半ばが欠けようとも、彼女が止まることはありません。
「刀は折れ、弾は切れ。ならばどうするかね」
ぎり、と喉元へ食い込む手のひら。オーシャン伯爵は片手で軽々と彼女を掴み上げ、薄く細めた瞳で見据えながらに問います。
返答は単純で、効果的でした。
「こうする……までだ!」
捕らえられ、図らずも肉薄した距離。一瞬の油断。
「……ぐ!?」
アンヘルは弾の尽きたマスケット銃をくるりと反転させ、銃身を握り込み、銃床を伯爵の頭部へと、渾身の力を込めて叩き付けました。砕けて使い物にならなくなるのも構わずに、銀製の、それを。
殴打の衝撃と、聖銀のもたらす浄化を同時に浴び、苦悶の叫びを上げた伯爵へ。アンヘルは折れた刀を拾い上げ、思い切り振りかぶり、肩口から袈裟斬りにそれをめり込ませると、
「トドメはくれてやる。さっさと仕留めろ」
「……任せろ!」
一瞬の隙を逃す
カタナ・ミツルギ
ではありません……全てを決したのは、彼でした。
脳裏に描くのは、撃鉄ががちりと落ちるイメージ。瞬間、加速した肉体はカタナを伯爵の死角へと運び……一閃。斬撃を滑らせ動きを止め、
「これで……終わりだッ!!」
大砲の砲口にも似た、杭打ち機の先端を左胸へと叩き付け、放ちます。
吸血鬼を屠るため、正しくふさわしい一撃を。白木の杭を。
……奇しくもそれは、夜が白み始めた頃のこと。
貫かれ、ぶすぶすと煙を吐いて崩壊を始めた伯爵の身体が、揺らぎ。傾いて……ゆっくりと倒れた、その先に。
金色の。巻き毛の。
「……長い、夜だったな。長い……あまりにも、永い……」
彼がどこか救われたような目を浮かべ、その亡骸を見つめていたのは、狩人たちの気のせいだったのでしょうか。
「ああ………………夜が、明ける」
伯爵の身体はやがて炎に包まれ、どこかへ還っていきました。
気付けば屋敷の外、夜風に囁く芝生の上。
永劫にも似た一夜を彼と共に過ごす中で、
ヒョウカ
は当然のこと、気付いてはいたのです。
彼がもはや見間違いようもないほど、吸血鬼然とした異能を持って自分を葬ろうとしているにも関わらず……そこには、塵ほどの殺意も込められてはいないことを。
タツキ
。彼の痩身を銀の剣で刻むたび。拳銃から放つ銀の弾で穿つたび。逆にヒョウカ自身が引き千切られ、裂かれていくような。
吸血鬼を狩ることそのものに、彼女とて迷いはありません。狩るべき理由がありました……かのヘルシング家と並ぶ、狩人の家名が自身を追い立て、そうしろと叫ぶので。
けれど。彼は。そんな自分の殺意に身をさらしながらも、目の前の彼は。
「……っ、どうして……!」
抑え切れず、言葉は迸り。同時に銀の銃弾が、彼の肩口を抉ります。
それでも、彼は。
笑うのです。
思えば、幾たび夜の街ですれ違おうと、互いに身の上を語ろうとはしなかったのも、当然のこと。秘密の肩書きをひた隠し、彼女は明かせない思いだけを、胸の内に押し込めて来ました。
ああ、と、ヒョウカは苦悩にまみれて。
迷いのままに振るった剣が、彼の胸元を浅く切り裂き、少しばかりバランスを崩したところへ、頭部を鋭く足刀で一撃。
蹴り倒し、緑の上へ横たわった彼の胸元へ、強くのしかかり。銀の剣は彼の頭の脇、芝生の上へ深々と突き刺して。刃にちりと裂けた頬からこぼれた赤い雫……けれどすぐに切り傷は塞がり、頬を伝った赤は緑に吸い込まれ、消えていきました。
額へ、銃口を突きつけながら。
「……何か。言い残したことは……ありますか?」
ふと口をつき、漏れた言葉。一体、何を?
狩人としての使命を思うなら、すぐにも引き金を引いてしまえばいい。なぜ自分は、そうしないのだろう。
彼の口から……何を、聞きたいのだろう?
見えない彼の殺意に、ヒョウカも胸の奥、淡い期待を抱いていたのかもしれません。ややあって、タツキは口を開きました。静かに、彼女を見上げながら。
「せめて……この手で、あなたを殺したいと思った。そうするべきだと。衝動のままあなたの血を吸い、眷属へ堕とすなんてもってのほかだ。でなければ……あなたの手にかかって死ねるなら、それもいい」
「なぜ……なぜですか。貴方は……」
思えば……ずっと以前から、通じ合っていたのかもしれません。
まっすぐに、見つめ合って。
「好きだから。ヒョウカさん……あなたが、好きです。愛しています……」
狩人として受けたどの傷よりも深く、その言葉が、ヒョウカの胸を貫きました。
彼女にとって、それは……幸せで、そして絶望的な、告白でした。
「……タツキ……さん」
背負う家名の持つ力を、そこへがんじがらめに縛られた自身の心を、誰よりも理解しているのは、ヒョウカなのです。
自分はハンター。彼は吸血鬼。狩るべき仇敵。
結ばれるはずもありません。
(私は……狂ってる)
その身に帯びた使命より、胸中に抱く思いを優先させてしまいたいというその欲求が、彼女を追い詰めました。
彼を追い詰めたはずが……気付けば追い詰められているのは、自分のほう。
ふと、彼が笑って、
「これでもう、悔いはありません。あなたの手で最後を迎えるなら、本望です……さあ。終わらせてください」
ああ、なんて。なんて素敵に、彼は、笑うのだろう。
自分は、そんな風には笑えない。せめて、笑顔を見せてあげられたなら。気持ちを伝えられたなら。
「ごめんなさい。タツキさん……」
「……ヒョウカさん?」
彼の最後の笑顔を胸に刻みつけ、それがもうこの世には無いのだと、二度と見ることは叶わないと突きつけられながら、これからを生きていくなんて。
「私には……耐えられません」
「ヒョウカさん、何を……」
銃口は彼の額を外れて、ゆっくりと、上へ。
自身の、こめかみへと。
「吸血鬼である貴方に、私が付けられる、きっとこれがただひとつの傷……貴方の中で、私という人間が消えてしまわないように。ごめんなさい、タツキさん」
指が、引き金へと。
「貴方の心に……傷を、つけますね」
愛して、いましたよ。
告げられることの無かった言葉を、胸に抱いて。ヒョウカは瞳を伏せ、引き金を引きました。
ぱ、と彼女のこめかみに咲いた赤い華を、タツキはまるで、氷のようだと。そんな風に思いながら、見つめていました。
「……ヒョウカ、さん……?」
彼女の身体を抱き寄せて、冷たくなっていく頬へと、そっと手を添えて。
タツキは彼女がもう二度と、自らその瞼を開かないことを知りました。夜の街でふとすれ違い、交わした他愛の無い会話のあたたかさは、もう二度と。
「…………はは」
ぽっかりと、胸に穴を穿たれたような、この空虚。確かに彼女は、最後に彼へと、大きな傷を残していきました。
浮かんだ笑みは、自虐の色に満ちて。
「ひどいなぁ……あなたに殺されるなら、俺はそれで本望だったのに……」
タツキは、彼女を貫いた銀の拳銃を、彼女の手に包まれたままのそれを……自身の胸へと、押し当てます。
そうすれば、聖銀が肌を焼く痛みがより一層、胸の中へと刻み込まれた彼女の存在を、鮮明に際立たせてくれました。
徐々に、白み始めた夜空を見上げて。
「でも……そんなあなただからこそ、惚れたんだ。叶うなら来世には、あなたと共に……生きてゆきたい……」
頬を伝った、ひとしずく。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
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ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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