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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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三夜暗はステージに立った。
マイクスタンドが一本、それ以外には何もないステージに。
前ページにも書いたが、彼はまったく仮装はしていない。普段着、普段の登校時の服装、そのまま! 学ラン、以上!
しかし暗には絶対的な自信があったのである。
――常に仮初の姿しか見せていない俺は、何もしなくても仮装していると言えるはずだ。優勝を狙うぞ……
マイクを握った彼は、数時間前に三夜虹司が耳にした、あの台詞をそっくりそのまま繰り返したのである。
「人は皆、仮面を被って生きている……ある時は学生、ある時は弟、或いは兄……だが、人の本性はそのうちのどれだろう?」
演説の草稿だったのだ。暗は独り言を放っていたのではなく、リハーサルをしていたのである。
「俺は常に人としての姿を模している。俺は生まれてからこの方、常に『人』を装い続けているのだ……今日一日限りではなく……な」
ここまでスラスラと言い終えて、暗は口を閉ざし客席の反応を見た。
………………無反応、だった。
ぽかんと口を開けている人がいればまだいいほうで、トイレに立ったり、退屈してお喋りに興じたりしている人のほうがはるかに多い。帰ろうとしている人まである。
これで焦るのが、普通の人。
これでますます勝ち誇るのが、やがて悲しき中二病、というやつである。
暗は後者だ。
「ふ……愚か者共には、俺の言葉の真意はわかるまい。実のところ俺の様々な研究によると、俺こそはこの世の神なのだ。世の中には……」
「なあ、おい」
客席から、ぽつんと投げかけられた声があった。
暗はあからさまに不快な顔をして、声の主を探す。聞き覚えのある声だ。
見つかった。それは、ベリーショートにした髪を桃色に染め、カラーつきのサングラスをかけた姿だった。両耳にたくさん下がったピアスもあって、一見、暗とはまるで住む世界の違う人間のように見える。
だが住む世界が違っているわけではない。むしろそれどころではなかった。
その人物こそ、暗の兄、三夜雷一だったのである。
「それ、どこが仮装なのか教えてくれないか? いつもどおりじゃねーか?」
「何を聞いていたんだ。人は皆、仮面を……」
「いやその長ったらしい言い回しはいいって、一言でお願いしまーす」
雷一の軽い口調を聞いて思わず、暗はこめかみに血管を浮き立たせそうになったのだが、それでは、と辛抱強くいった。
「俺はすでに演技者、存在そのものがな。ゆえにこの『普段の姿』こそが、すでに仮装だと言いたいのだ」
「……あーはいはいなるほど わかったそゆこと」
本当にわかったのか? というように睨む弟に、肩をすくめて雷一は言う。
「『ここにいる僕は本当の自分じゃない』、って言いたいわけね」
なんだか頭に来る言い方のように暗は思ったが、冷静を装って言う。
「ところで俺は、神だ」
「は?」
「そうでなければ説明のつかないことが多すぎるのだからな」
なんという自信! たちまち雷一は、弟と問答する気が失せてしまった。
「だめだこいつ、はやくなんとかしないと……」
と、口では言いながら、ステージ上の弟の姿を一枚携帯で撮影すると、そっとステージに背を向けたのであった。
暗の演説は再開していた。
「神が人に姿を窶すなど、この上ない仮装ではないか……もっとも常人に過ぎない審査員は、そんな簡単な事すら気付くまい。俺が優勝でない事も致し方ない……。けれども考えたら、少々調子に乗りすぎたかもしれないな。この中に俺の力を狙う『組織』の奴がいないとも限らないというのに、自ら正体を仄めかしてしまった……」
などと言いながらもう、マイクに顔を向けるのも忘れて、暗は腕組みしてブツブツ思案の言葉を口にしているのである。
「……無論、俺が真の力を呼び戻しさえすればそのような輩どうにでもできるのだが、卑劣漢どもに家族を人質に取ったりされると嫌だからな……」
早々に退散すべく、雷一は首をすくめて逃げていく。
間一髪だった。
弟の晴れ姿を見てやろうと思ったのがそもそもの間違いだった。彼と実の兄弟だなんてバレたら、世の中から疎外されかねない。(雷一の言葉で言い換えれば、『ハブられかねない』)
逃げて正解だろう。まあ、写真だけは家族に見せて――と、思っていたら、雷一はいきなり、肩口を手でつかまれていた。
「……おい糞兄、なぜさっき逃げた」
暗だった。どうやらステージを追い出されるようにして下ろされて、追ってきたものらしい。
「え? いやあ、逃げたわけじゃ」
とは言うものの雷一の目は泳いでいる。
フンと鼻を鳴らした暗であったが、顎をついっと上げて『上から目線の図』をわざわざ作ると、こう言ったのである。
「まあいい、今日の俺は機嫌がいいから、今夜の兄貴の『収穫』で許してやるさ」
「収穫……? 女の子でもナンパしてお前の相手をさせればいいのか?」
するとたちまち暗は飛び上がらんばかりにして怒鳴った。
「ち……違う! 下劣なことをさらりと言うな! お菓子だ! お菓子!」
ちょっと顔が赤いかもしれない。雷一は苦笑するばかりだ。
「ああまあそんなとこだろうと思ってはいたよ……」
やれやれ――雷一は思った。
――やっぱり痛い弟だ……まあ、ちょっとは可愛いところも、ないではないのだが。
暗が降りたステージには現在、三宅葉月の姿があった。
サンマさんにスカウトされてなんとなく、ステージに上がる羽目になった彼女だが、もちろんなにかパフォーマンスを、あらかじめ用意していたわけではない。
道具もなければアイデアもない。気の利いた小話だって、あるはずもないのだ。
けれども葉月には歌があった。
「……イメージは、形として見えないこともあるの。そして時に、形よりもなにかを強く物語るものよ」
そう告げて葉月は、伴奏はもちろんマイクすらないままに、アカペラで歌い始めたのだ。
伝えたいのは、自分の胸にあるイメージ。それだけでいい。
これといってレパートリーも広くないので、彼女はただ、なんとなく思いついた曲を歌うのである。
有名曲であった。けれども技巧的には難易度Sとして知られる曲でもあった。
だが、葉月はこれを堂々と歌いきってしまった。
曲が終わると、彼女から得たイメージの反映か、冴え冴えとして美しい拍手が、さざ波のように広がっていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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