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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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このときなにか気配を察知したのか、
「!」
キッ、とサンマさんは振り返った。
「おや?」
リッカルド町長も釣られたように振り向く。かぼちゃさんもだ。
「こんばんはー」
彼ら三人の視線を一点に集めたその少女は、ご存じ『いつのまにか後ろにいる白い少女』ことゼロ・シーアールシーだった。気がつくと、審査員席の真後ろにいて微笑んでいたのである。
「せっかくですのでご挨拶にきたのですー」
と微笑するゼロに、迷わずサンマさんは言ったのである。
「気に入った! それもパフォーマンスとして認めるぜ!」
「え? ゼロも出演者になるのですー?」
「そうとも! 俺の背後を取るとはなかなかだ。むしろ俺が取りたい側なんでな……よしっ、今のパフォーマンスには、俺の審査員特別賞こと『サンマさん賞』を進呈しよう!」
即決!
ゼロ・シーアールシーさん、サンマさん賞(審査員特別賞)受賞おめでとう!
「素敵ですね。コンプリメンティ!(おめでとう!)」
コメントをお願いします、と言われたゼロは、ほんのわずかはにかんだ様子で、
「えっとね、ゼロはゼロなのですー」
と、言った。
旅鴉月詠は、ひたすらに絵を描いていく。
「……メイド姉は楽しんで仕事してるようで、よし。丁寧でケチつけようがない仕事は私の従者として誇りとするところだ」
ふと口を突いて出た感想である。
檜扇唱華と檜扇舞華はもちろんのこと、霧谷朧のジャグリングも三夜太陽のはじけた感じも、ネミッサ・ネモローサの哀しげな独唱も、印象に残ったパフォーマーについて、月詠はすべてスケッチブックに残すようにした。他にも気になった演技者、とりわけその衣装は、瞬間的にみせる鮮やかさもとらえてできるだけ、絵の世界に落とし込んでいった。
鉛筆の進みは早いが、それでも、短い時間でガシガシ描いてるだけだからとても荒く、なんとか特徴が見られるような仕上がりになることも少なくない。それは月詠はわかっているので、合間合間に描いたものに手直しを加えていった。直すなら、なるべく記憶が新鮮なうちがいい。ちょうど今は、墓場から出てくるミイラガール(屋敷野梢)の包帯に細かな直しをいれているところだ。
ガスマスクをつけた給仕が、ふと足を止めて月詠のスケッチブックに目を落とした。
「手すさびだが……気になるかな?」
月詠は見上げて、ガスマスクの内側にあるであろう彼の目をとらえる。
「いや失礼……のぞき見する気は、なかったのだけどね」
「見られても構わないよ」
現在ステージでは、ゼロとサンマさんたちがやりとりをしており、しばらくお休みのようだ。舞台では忙しく作業が行われてもいる。大がかりな舞台装置でも設定されるのだろうか。
「ラフスケッチだと思うけど……とても上手だね。特徴がよく出ている。このミイラの彼女なんて、包帯の質感まで伝わってくるじゃないか」
「こういうのを描いている」
月詠にしては珍しいことだが、彼女はガスマスクの青年に、自分のスケッチブックをぱらぱらとめくって描いてきたものを見せた。彼が、単なる好奇心で足を止めたのではないと思ったからだ。
一通り鑑賞して、青は笑みを感じさせる柔らかな口調で言った。
「とても魅力的な絵だ。どれも、衣装中心で描いているね」
正面から誉められて多少照れたのか、月詠は軽く咳払いして語った。
「なぜこんなに衣装を描くのか。それは、良いデザインを取り込んで利用したり、新しいデザインを生み出す糧となるからだ。人を見てその人に合った衣装を短い時間で割り出すとかそんなのは大袈裟だが……まあ、私の経験値稼ぎだよ、うん」
簡単に名乗って、月詠は青年をもう一度見上げた。
彼も名乗った。名を日下部青というのだそうだ。華奢だが美しい手をしている。全体的に繊細な印象があるだけに、重厚なガスマスクの特異さが際立っていた。
……だが、描きたくなる魅力もあった。
「いまは舞台転換中のようだ。よければ日下部さん、その仮装も描かせてもらっていいだろうか。描き上げたら進呈しよう」
「仮装……うん、仮装だね。ありがとう、願ってもない話だ」
それなら、と青は、風のない月夜のように静かに言葉を紡いだ。
「旅鴉さん、そのたくさんの鉛筆を削るよ。せめてもの、お礼だ」
……鉛筆をナイフで削るガスマスクの青年が月詠のスケッチブックに描かれていく。
ステージが一新された。
いや実際にはそれほど極端な変化はなかったのだが、上手く大道具によるセットがしつらえられ、シャンデリアまでツルされて、ゼロの出現前と後では、少なくとも違うものになっていたのは確かだ。
貴族の邸宅、その内部の一室らしきものが舞台にできあがっている。
舞台袖から現れたのは、この邸宅の主らしき二人、八神修と椿美咲紀だ。
「さて出番だ」
小さく呟いて修は一歩を踏み出す。
その彼とぴったり、腕を組んで美咲紀は従った。情熱をたたえた目で、彼を見上げながら。
「シュー君、格好いいのです♪」
「ありがとう。美咲紀も綺麗だ。今日のその服装は、ちょっとした犯罪だな」
「罪状はハート泥棒、ですか?」
「また上手いことを言って……」
修は思わず苦笑した。今宵だけは、彼と美咲紀は恋人同士という設定だ。実際、仲は良いのだけれど。それはこの二人の間では、友情という段階である。
さてこのとき客席の最前列で、そんな二人を目にして目を潤ませている少年があった。
「うう、お二人とも素敵なのです……」
遠矢護だ。なんというか今日の護の目からすると、今の二人は雲の上の住人のようである。ずっと見ていたい。ここ客席で感涙にむせび、ハンカチを噛みしめるクマちゃん(護の仮装)であろうとも、十分幸せだとすら思う。
ところが護も新聞部員だ。部長の修から大役を仰せつかっている今、ただ涙と幸福感に溺れていてはいけない、と護は自分を叱った。
「いけない。新聞部の活動をしなくちゃですね」
今日はずっとカメラマンとして、ハロウィンに沸き返る店や街並みを撮り続けた護なのだ。コンテストの舞台だって、きっちりそしてうるわしく記録に残したい。
このとき、凛々しい顔をした修が、護のカメラに飛び込んで来た。舞台俳優のよう、抜群のシャッターチャンスを見事護はものにしている。
このとき修はこう告げた。客席を冷ややかに見回して、尊大にしかし気品を持って、地獄の爵位を感じさせるように。
「我、地獄の大公がこの人間界をわざわざ訪れてやったのには理由がある。世界を真に支配している者が何であるかを、知らしめようという目的である。感謝したまえ」
すると美咲紀がうふふと色っぽく応じる。
「大公様、そのような力づく、わたくしの好みではありませんことよ」
「さて、さすればそなたの好みとは?」
「いわば北風と太陽、この季節、いよいよ北風強まりますけれども、やはり民草が従うのは太陽というもの。支配を印象づけんとするにも、恐怖や威圧より優雅さと憧れを、与えるが良と存じます」
いつの間にか護は、自分の頬が赤らんでいることに気がついていた。なんだろう、普段の彼女とは違って、まさしく優しき奥方様といった雰囲気ではないか。
「さすればなにが必要か?」
「さてたとえば、ダンスはいかが? ここに集いし人々に、披露してさしあげましょうぞ」
このとき滑り込むようにして、ワルツが舞台に流れ込んだ。
修は美咲紀に手を伸ばし、彼女は彼のその手を握って、かくて始まる、短いワルツ。
激しい舞台に慣れた観衆たちには、ちょうどいい和みとなったのではないか。
「さあ、では憧れをもたらしましょう。人々が憧れるもの……それは美しさ! 華です!」
美咲紀が高らかに宣言すると、修もよかろうとうなずいて、突然、袖に隠していた真っ赤な薔薇を振り撒いた。それもひとつやふたつではない。次々と無限のように出てくる。マントの裏にも胸ポケットにも薔薇はあった。美咲紀も同じだ。無数の薔薇、それも鮮やかに紅い花だけを振り撒く。
舞台セットにも薔薇は隠されておりこれが勢いよく飛びだし、やがて舞台は薔薇に埋め尽くされてしまったのである。
「八神さん! すごいです!」
手を振りたい欲求にかられたものの、護はジャーナリスト魂でこらえた。
かわりに修、美咲紀に手を振るのは観客たちだ。あるいは、手を伸ばして花をつかもうとする。そうすることで、この夢のような舞台が、現実であると感じられるとでもいうかのように。
頃合いを見て、
「では諸君、また会おう」
修が告げると舞台照明による雷光、そして雷鳴が轟き、一段と大きな閃光が現れたかと思いきや、ふたりは舞台から姿を消したのである。
「ブラボー! ブラボー! 私は好きです!」
リッカルド町長が、一段と大きな拍手を送っていた。
その結果……彼らのパフォーマンスはリッカルド町長による審査員特別賞に輝いたのだった!
八神修さん、椿美咲紀さん、リッカルド町長賞(審査員特別賞)受賞、おめでとう!
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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