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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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「えへへ♪ かそうコンテストっていうんだよね? たのしいなあ」
三夜太陽はなんとも上機嫌だった。太陽もまた、サンマさんに指名を受けてこの場所に来たのだ。
このとき太陽はサンマさんにエスコートされて舞台に上がっている。要するに、彼と手をつないで登場したということである。
「サンマさん大きい―!」
と、つくづくとサンマさんを見上げて太陽は言ったが、審査員席に、これまた大きな姿を見出していた。
「うわ、大きいカボチャ!?」
「私はかぼちゃさんよー♪ よ・ろ・し・く」
腕のない巨大なカボチャ着ぐるみが、ゆらゆらと左右に揺れて挨拶する。
「では、頑張ってくれ」
サンマさんが審査員席に戻ると、太陽のステージが始まった。
ちゃんと子どもサイズに位置を下げられたマイクスタンドに歩み寄って、
「えーと! ぼくは三夜太陽っていいます! 小学一年生です! よろしくおねがいします!」
彼は大きな声で挨拶をしたのだ。ぺこりと頭を下げるのも忘れない。
太陽は黒い犬のようなパーカーを着て尻尾をつけている。自分の衣装を示して言う。
「このかっこうはペットの覇王号なんだ! 覇王号はね、小さくてかわいいけど、すっごくつよくてかっこいいいんだ! うん、ぼく覇王号のことだいすき!」
言いながら、そっとお尻を振って尻尾が揺れているように見せてみた。なかなか芸達者な小学一年生である。
「ぱふぉーまんす?えーと、じゃあおどります!」
と可愛く踊りながら、太陽は客席に兄の三夜暗の姿を見つけていた。
暗い表情で腕組みし、険しい顔で、それでも温かい目でこちらを見つめている暗だった、学ラン姿の兄……彼は一体、どんな仮装をしていたのだろう?
「あっ、あん兄ちゃん!」
暗は腕組みしたままウム、と言うようにうなずいた。
がんばろう――太陽は思った。
兄ちゃんにいいところ、いっぱい見せなくちゃ!
元気な子ども枠が続く。
今度は小学三年生、曖浜瑠樹の登場だ。
「かぼちゃさん……思った以上にかわいいな!」
と、ステージに上がってさっそく瑠樹が言ったものだから、巨大な緑色カボチャに丸い目と三角形の口がついただけのかぼちゃさんは、
「いやん恥ずかしい。でも、ありがと♪」
身をくねらせながら言うのである。見ようによってはちょっと色っぽいかもしれない。一応中身は女性のようだし。
さて瑠樹はパフォーマンスとして、自由にポーズをとることにした。
「がおー! お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞー!」
と言って、左に向かって、がおー。
右に向かって、がおー。
そして中央に、がおー。
凄んでいるのだが本人が本人だけに、そしてまた、狼男の仮装も愛嬌あるものであるために、あまり凶悪なインパクトは与えない。けれどもかぼちゃさんはいたく気に入ったらしく。
「おめでとう。きみに審査員特別賞として、『かぼちゃさん賞』をあげちゃうわ!」
とその場で宣言してくれたのである。
曖浜瑠樹さん、かぼちゃさん賞(審査員特別賞)、受賞おめでとう!
「寝子島は楽しい所だよぉ。これからもずっと楽しいといいなぁ」
そう言って瑠樹は、ステージを降りてかぼちゃさんに軽くハグして帰ったのである。
檜扇唱華の登場を飾る音楽は、荘厳な聖歌だった。
これはたまたま、運営事務所のCD棚にあったものにすぎない。だから計画したものでもなんでもないのだが、結果としてはイメージにぴったりだった。偶然の僥倖といえよう。
この聖歌に迎えられるようにして、しず、しず、と聖女姿の唱華は歩み出る。
顔は伏せ気味、ゆっくりと進んだ。
そうして客席を向くと彼女は、その容(かんばせ)を上げたのである。
唱華の表情は……謎めいた笑顔だった。
笑みではある。それも、優しげな笑顔である。
けれどもその口元がほころんでいる理由はわからない。
それが歓喜か、親しみの表現か、それとも別のものなのかも当然わからない。
アルカイックスマイル、と呼ばれる種類の笑みである。有名なモナリザの微笑や、弥勒菩薩像、もっと時代をさかのぼってギリシャ彫刻などに見られる微笑だ。
そうして彼女は突然、スカートをつまんでくるりと回転した。スカートがふわりと舞う、いわゆるメイドターンだ。それも、完璧なまでの。
このとき教会の鐘がBGMに混じって聞こえた。
かくしてまた彼女は、謎めいた微笑とともに去って行ったのである。
不思議なひとときだった。
さて屋敷野梢の登場である。
「いきなりパフォーマンスをしろと言われても困りますよねー。うーん、アメリカの名曲のゾンビダンス……は、著作権的にまずいのでボツで!」
あまりスリリングなことを言うのは勘弁してほしいわけだが、結局梢は、その登場そのものをパフォーマンスとして昇華することにした。
つまり、ステージにハリボテの墓場を複数用意し、その一つの下から、ずもっ、と出現したのである。
「ミイラ取りがミイラになりましたー!」
驚く観客にそう一声残し、梢はさっとステージから降りていった。
ネミッサ・ネモローサだって、コンテストに出る予定はまったくなかった。
それなのに彼女が、仮装コンテストのステージ袖で待機しているのはなぜなのか?
ここでヒント、『サンマさん』。
……もう、おわかりであろう。
「バンシーはご存知?」
出演順を待ちながら、ネミッサは庚に話しかけていた。庚もサンマさんには誘われたのだが、「ん……コンテストだぁ? ……俺ぁやめとく」と固辞して出なかったのである。そのかわり、こうやってネミッサに付き添っている。
「なんか妖精だったっけか?」
「ええ。英国の昔話にでてくる死を告げる妖精……実はね、今日の私のゴシックドレスはバンシーをイメージしたものなの」
と謎めいた言葉を残すと、「後でね」と言ってネミッサはステージに向かった。
「ああ……ま、客席で見ててやるから行って来い」
軽く首をかしげて、庚は客席に座った。後方のテーブルだ。通りかかった黒いガスマスクの給仕(日下部青)にコーヒーを頼む。
梢のおどろおどろしい、けれどもどこかセクシーな舞台が終わると、やがてネミッサが登場した。
ネミッサのステージに音楽はなかった。
けれども唄はあった。ネミッサ自身によるマザーグース。原詩の英語なので日本人の観客にも意味はわからずとも、その、口ずさみやすいながらもどこか狂ったメロディ、おどろおどろしい単語の響き、とりわけ、それらがリエゾンすることで生じる効果(マザーグースには言葉遊びの側面もある)は、彼らの胸になにか異様な、冷たい炎が迫ってくるような戦慄を抱かせるに十分なものであった。
みずからの唄に乗せてネミッサは踊る。
いつしか舞台には偽の月、それも、青白く昏い月が昇っていた。ネミッサの唄を聴き踊りを見、そしてこの月に照らされていると、なにやら得体の知れないものに冷笑されているような、煽らているような、それでいて哀れまれているような、狂気(The Dark Side of the Moon)に近い錯綜した感覚が胸に押し寄せるかのようだ。
ネミッサの心は、過去の演劇フェスに飛んでいた。
――あの時はパパと会えなかったけど…そうね、会えなくてよかったかも……ほんとのネミッサを知ったらパパは……。
彼女はその考えを封じ込めた。封じ込めて、楽しいことだけ考えて踊りと唄を続けようとした。
けれどもいつしかネミッサの頬は、冷たい涙に濡れているのだった。
――まるでほんとのバンシーみたい……。
慌てて勘定を払うと、庚はコーヒーに手をつけぬまま席を後にし、ステージ裏へ駆けていた。
間もなくして、目を真っ赤に泣きはらしたネミッサが下がってくる。
戸惑ったような、それでも胸を打たれたような、静かで長い拍手が聞こえていた。
庚は言葉を口にせず、そっと彼女を胸に抱きしめた。
――これから俺はこいつとどう接するべきか……俺が何もかもを知ってしまったら、多分、こいつはもう笑わなくなるだろう。
昼間のこともある。もうそろそろ、庚も自分たちの状況を見つめるべき時期だと悟っていた。けれど、
――それでも、いつか知らなきゃならないときがくる……。
庚は誓っていた。そうなったらそのときは、決して目をそらすまいと。
向き合おう、真っ直ぐに。
庚は運営事務局に向かい、結果発表を待たずして(つまりエントリー辞退して)ネミッサを教会に送っていくと告げた。
帰宅するまでずっと。ネミッサは黙ったままだった。黙ったまま、ずっと庚にしがみついていた。ただ別れる前に一度だけ、
「今宵のネミッサって……」
ぽつりと言ったのである。
「まるでほんとのバンシーみたい」
と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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