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カレーが辛い件
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「ありがとーございまーしたー」
という声を背に浴びて、ジェレミアが店から出てくる。
その背を見送ってふうむと腕を組んだのは、
天神平 庵
なのである。
――なんだかあの男性、随分と顔を上気させていたね……まるで、媚薬でも服用したように。
それだけ、艶やかな目をしているジェレミアだったのだ。
何気なく通り過ぎようとしていた店なのに、足を止めて庵は看板を見上げていた。いつの間にこんな店ができていたのか、見落としていた。
ちょっとした買い物の帰り道、胸ポケットから懐中時計を取り出すと、そろそろランチタイムである。
カレー、それについて考えても、すぐに庵の思考や漢方薬へと向かう。
カレーといえばスパイス、そのスパイスには漢方薬の材料が多いのは周知の事実だ。
たとえば、クローブが丁字、カレーの黄色を出すターメリックは鬱金(うこん)、シナモンは桂皮とか……。
――松の実もカレーに添える事があるけど、松の実の漢方薬としての名前は「海松子」だしね。
なお海松子の主な効能は、消化機能の改善と美容全般である。血流を良くして体を温める作用もあるという。
などと漢方薬について思考を整理しつつも、庵は店そのものにも惹かれていた。さきほどの客の様子からして、なかなか豊かなインド料理店だと思われたからだ。立て看板のところに用意してあるチラシを一枚手に取ると、これを持って行けばワンドリンクサービスだというではないか。
スパイスに思いを馳せながら、カレーを楽しむというのもたまにはよかろう。
庵の姿が店に吸い込まれた直後、
「ありました」
立て看板に手を乗せて、嬉しげに笑んだのは
加藤 鳳紅
だった。
とても辛くて美味しいカレーがあると噂を聞き食べに来た、それが鳳紅がここを訪れた理由だが、なかなかどうして、ここまでの道のりは平易ではなかった。うろ覚えの情報で探したゆえか、道に迷ったり同じあたりをうろうろしたり、おまけに店名を当初『グレート・ガンダーラ』と勘違いしていたということもあって、なんだか全然見当違いの場所を探していたりした。
まあそれもすべて好意的にとらえよう。いい運動になった、と。
おかげで鳳紅は今、すっごくお腹がすいているから!
なお鳳紅は、カレーについては正確な情報を入手していた。すなわちそれが、
怒濤の辛さ
であるということを。
――楽しみですねぇ……とっても辛いと評判で。一度たべてみたいと思っていたんですよねぇ。
クールな彼の目がきらっと輝く。
ホットドッグにはチリソースを山とふりかけ、寿司であろうとわさび大盛りは通常運転という鳳紅なのである。
辛さどんと来い、来ないというならこっちから行く、そんな心境だ。
「いらっしゃいまーせー」
はい、いらっしゃいました。
入り口そばの席に、大きな眼鏡をかけた知的美女(庵)を鳳紅は見かけた。正直言って大変に好みのタイプで、普段ならついナンパをこころみたかもしれないのだが、本日の彼は美女ではなく辛さを求めて来たのである。あえてスルーして奥の席に陣取った。
「本日のランチセットを。ドリンクはコーヒーをいただきます。あ、ホットで。はい、食後で。カレーのほうは、うーんと辛くしていただけるとうれしいですねぇ」
――むむっ。
ぴーん、と鳳紅のアンテナがまたまた美少女をとらえた。
「だーかーらー、オレはママじゃないって。ええと、ここにパパがいるのか?」
自動ドアをスッと開けるより、彼女には重い鎧戸をガラッと開けるほうが似合うだろう。(※実際は自動ドアだが)
そんな雰囲気の、勇ましい少女が入ってきた。三歳くらいの小さな子どもの手を引いている。
――どうもこの店は、美しい女性を引き寄せるのかもしれませんねぇ。
辛いカレーは美容にも良いといいますらか、などと考えて鳳紅はふふっと微笑んだ。
その少女というのが、
奈良橋 博美
なのだった。竹刀の袋を肩にさげ、ジーンズにキャップというボーイッシュな服装、化粧っ気などまるでないが、審美眼に長けた鳳紅は彼女の美しさを見抜いていた。
博美は男の子をハイイドに案内した。
「この子、ここの家の子かい?」
「あ、それ私の息子ね。すいません。ごめんね。ありがーとう」
コック帽を被ったハイイドが、出てきて頭を下げる。
「ジロー、どこ言ってたか? タローにハナコは?」
と日本語で話しかけたが、途中ですぐに、博美には聞き取れない言葉に切り替えた。どうやらタミル語のようである。
日本語ではきょとんとしていたジローであるが、タミル語はよくわかるらしく、ときおり日本語をごっちゃ混ぜにしながらもハキハキと答えていた。
事情を察したようで、ハイイドはまたぺこりと博美に頭を下げてきた。
「……私、店が忙しくてなかなか子どもの面倒みれないね。この子、兄弟と外で遊んでたはずだったのに、ご迷惑、おかけしました」
「いや、別に迷惑ってほどじゃなかったけどさ……」
そこまで告げて、言いにくそうに博美はつけ加える。
「たださ、その子、オレのことを『ママ』って……」
「おー! またジロー、それ言ったですか!」
ハイイドはしゃがみこんで、ジローに厳しい口調でなにか言いきかせた。
「ごーめんなさい、うち……奥さんいないよ。この子たち、母親恋しくて日本の女の人にすぐ『ママ』て呼びかける」
ハイイドは悄然としていた。頭のコック帽も垂れてしまっている。慌てて博美は手を振った。
「いやいやいや、怒ってるわけじゃないから。ママ扱いは……こんなオレでも今後母親になるのかと、むしろ感慨深かったし。まあ、まだ先の話だろうけど」
ははは、と笑って博美は店の奥に進んだ。
「せっかくだし、オレも昼食にするよ。ランチセットってのがあるんだろう? ちょうど腹減ってたし、一人前な」
ひょいと席に座って笑いかけた。
「おお、ありがとね。まいどあーりね」
腕組みして博美はジローを見る。父親の足元でオモチャを手にして遊んでいた。
まさかあの子が客引きしてるんじゃないだろうな――と一瞬思ったが、三歳くらいでそこまで知恵が働くかは博美にはわからないし、さらに店主のあの悲しげな顔を見て、そんな邪念を抱くのも悪い気がしたので、そんな考えは捨ててカレーを楽しみにすることにした。
そういえば、本格的インド料理店というのは初めてだ。辛いのだろうか?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月30日
参加申し込みの期限
2015年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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