【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【友好を目指して】

　もう、すっかり神魂の影響に慣れ、何が起こっても殆どの事には驚かなくなった桜庭円と御剣刀は、のんびりとカボチャ帽子を被って、噴水の縁に腰掛けながら、人混みならぬカボチャ混みを眺めていました。

「いぬねこのお祭も悪くないよね。皆カボチャに見えてくる不思議」
　黒ねこになった円が、試しに広場を一周してみた感想を漏らします。

「にゃーくんも似合っているぞ」
「刀おにーさん、ありがとうーっ」

　カボチャ帽子をすっぽり被った二本足という、普段では味わえない感覚にえっへんと胸を張るにゃーくんに、刀が可愛らしさに声を掛けて頭を撫でてあげます。
「にゃーくんまで二歩足で言葉が話せるとか凄いなぁ……」
　しみじみと、円が感銘を込めて呟きました。そんな時、

「これは前のご主人様。こんにちはでござ……るは、いけないんだ。こんにちは」
　円に話し掛けてきたのは、肉質良くすらっとした見覚えのあるボルゾイ犬「べるさる」でした。
「あ…！べるさるだっ。お久しぶりー、元気だった？」
「はい。拙者、お陰さまで向こうでも元気にやっております」
　円が駆け寄りながら嬉しそうに目を細めます。今日は顔も分からず鎧こそ着ていないですが、そうでなくとも見覚えのある、筋肉質とも細身とも違う、べるさるのバランスの取れた素晴らしい体つきに、にゃーくんも嬉しそうに早速その上によじ登ろうとします。

「今日は、いぬもねこも皆カボチャなんだねぇ」
「今日は中立団体企画のお祭なので、喧嘩には厳戒態勢が引かれているでござ…ごほんっ！」
「『いぬ』も大変だな……」
　刀がしみじみと呟きました。

「犬猫が仲良くする日って、素敵だよねぇ。
　どっちもいい動物なのにね」

　黒ねこカボチャの円が、ふと思いついたかのように刀に話し掛けます。
「トップ同志の仲が悪いって聞いてたから、こういう祭があると素直に凄いよな」
「最後に花火があるらしいって聞いたけど。そこに両国の王さまを集めて一緒に花火が見れたら、もっと国同士の距離も縮まるんじゃないかな。
　もしそうなら、是非実行してみたい」

　刀はしばらく思考を逡巡させながら、結果思った事をそのまま答えます。
「気持ちは分からなくもないけれど、それ既にこのお祭りを開いている犬猫さんたちがやってないか？」
「『遊びに来てるっていわれてる』という事は、会の人にも気づかれていないのかもしれない。
　少し……捜してみたいかなー」
　円の言葉に刀も少し考えます。

「……そうだな、まあ、俺たちがやったら多少は結果が変わるかもしれないし、やる前から駄目っていうのは良くないな。
　二手に分かれて捜してみよう」

「じゃあ、ボクは猫の王さま」
「それじゃ、いぬ皇を捜してみるか」
「それじゃあ、べるさる。ボクちょっと行って来るよ」
「行ってらっしゃい、ご主人様。それでは拙者、屋台の手伝いがある為、ここで失礼するでござ……ごほんっ！」

　こうして、３匹のカボチャたちは２匹と１匹に分かれて、それぞれ分かれて各国のトップの居場所を探して、会場内を駆け巡ることとなったのです。