それは、寝子島のあちこちがハロウィンに染まっていたある日のこと。
市場で売られていた、ハロウィン用の小さめのカボチャがまるっと行方不明になる事件が発生しました。
ハロウィン用のカボチャはあまり美味しくなく、食用としても寝子島のハロウィン自体にも、あまり影響はなさそうでしたが、ちょっとした新聞に載るくらいには騒ぎになりました。
そして、ちょうど同時期。
人々の間で、とある噂が、携帯ツールを通して瞬時に知れ渡りました。
──エノコロ岬に、突然謎の大岩が出現したらしい。
――ネコとイヌがその岩に集まっているらしい。
――その大岩に触れた時に運が良いと、そのまま『犬と猫しかいないハロウィン』にお呼ばれされてしまうらしい。
思えば、過去にも似たようなことがありました。
それを知った
恵御納 夏朝は、1匹の猫の跡をつけて、噂がやはり本当である事を知ったのです。
「今はハロウィンの季節──消えた猫達がお祭りをしているかも知れない……!」
今回消えた中にはイヌもいるのですが、それはまあ置いといて──
勇気を出して、夏朝がエノコロ岬の謎の大岩に触れたところ──そこには、岩なんかないと言わんばかりに、すってんころりんと、真っ暗な中を転がり落ちていったのです……
気が付いたら、夏朝は順番待ちの列に並んでいました。
手には、しっかりとくり抜かれた、ハロウィン用のカボチャを持って。
「つぎっ。準備よーし、かぶりよーし、スッポリ度よーし! よしっ、つぎっ」
どうやら夏朝の番のようです。ハロウィンカボチャを被った衛兵さんらしきモノが、監査をしているようです。
「準備よー……──ここで準備しないってことは外の世界からの客人かい?
今日は『いぬとねこの中立共存を目指す土地/どこでもない広場』で、ハロウィンのお祭りをやっているんだ。
「……どこでもない広場?」
夏朝は首を傾げます。
「そうっ。今日だけは、カボチャの被り物をして、いつもは不可侵条約を結んでいる、いぬもねこも正体を明かさずにハロウィンのお祭りをするんだよ。
それで、いつもの語尾のような言葉づかいをしちゃいけないんだ。これが不便なんだ。
尻尾や毛並みで、お互いの種族が分かっても聞くのは野暮なのさ。
なぜなら、今日はハロウィンだからね」
夏朝が見れば、自分のその手も、その顔も、しっかりと動物のものになっていました。
「盛大なお祭りが開かれるよ。
きみもカボチャをかぶって参加するといい。きっと楽しいよ。
毎年見つけられないけれども、『猫の王さま』も『犬のしょうぐん』も遊びに来てるっていわれてる、とても伝統的な行事なんだ」
話に聞けば、ハロウィンの夜には、豪華な花火大会を行うらしい。
ハロウィン祭の屋台で沢山物を買い占めるもよし、夜に皆で盛大な花火を見るも良し。
さあさ、今日はとってもめでたい祭の祝日。
囲んでいるのは犬猫ばかり。
はじめまして、こんにちは。この度MSを勤めさせて頂きます冬眠と申します。
この度は、「~にゃんこ西暦222年~ ねこネコ王国祭!!」と世界観が繋がっております。ご一読頂けますと、何となく世界観が掴めますが、全く知らない状態でもお楽しみ頂けます。
まずは、この特殊な状況からご説明させて頂きます。
【状況】
○犬と猫が喧嘩している世界があります。
普段は姿を見せませんが、神魂影響により祭の日などは、エノコロ岬に大岩らしきものが出現し、世界が繋がってしまいます。
今回のハロウィン祭は、中立小規模NGO団体的な組合『いぬとねこの中立共存を目指す会』が初めて獲得した土地『どこでも無い広場』で行われます。
今の季節は、一面に枯れ草の混じった風情ある光景が、どこまでも広がっています。
○犬と猫達は、祭に合わせて人間界から色々なものを調達してきました。
被害にあったお店や市場には残念ですが、お陰で今年も盛大にハロウィンが出来そうです。
○参加PC様がいらっしゃる今日は、まさにハロウィン祭の真っ只中です。
◎ハロウィン祭では、2本足の『いぬ』と『ねこ』が、カボチャをくり抜いた帽子を被り、一緒にお祭を楽しむのがしきたりです。
尻尾や体つきから、どちらか判明しても差別や指摘をしてはならない事になっています。
その為、語尾にもワンやニャが付きません。
◎ここに来た瞬間、2本足の犬か猫のどちらかになっています。どちらかをアクションにご記載下さい。
(今回は4本足にはなれません)
◎今回は、お祭のしきたりで、カボチャ帽子を脱いではいけない事になっています。守らないと追い出されてしまいますので注意してください。
【何が出来るの?/この現象はいつ終わるの?】
祭に関わる事でしたら、ご自由に、何でも出来ます。
神魂影響は、祭完全終了直後までとなります(自動的に元の人間の姿で追い出されます)
【行動例】
○屋台を見て回る。
○買い物をする。
(一番偉い『いぬ』と『ねこ』が共同出資して、無料交換出来る花を配っています。
最初からも、既に何輪か持っており、それを品物と交換出来ます)
○屋台を手伝う。
○祭開催日の夜に祭を見る。
(祭の夜にはグランドフィナーレで花火((人間界から持ってきた一級品))が打ち上げられます。一番の見所です)
など等……
【状況/PC様が事前情報として、簡単に入手出来る情報】
○一番偉い猫として『猫の王さま』、一番偉い犬として『犬のしょうぐん』がこっそり一般犬猫に混ざって、
参加しています。
・猫の王さま
→「~にゃんこ西暦222年~ ねこネコ王国祭!!」「こんな綺麗な空の下」に出てきた、
金茶の毛並みを持つ、賢しい短毛種です。
・犬のしょうぐん
→黒中心に顔周りから足に掛けて白の体毛をした体躯の良い大型犬で、猪突猛進型です。
※お互い、顔を隠しても、分かってしまうくらいに仲が悪いですが、この日ばかりは会っても気づかないフリをするつもりのようです。
【注意事項】
○『カボチャ帽子を取る』『相手の種族を指摘したり自ら種族を明かす』『同族異種族を問わず喧嘩する』
この3点はNGです。どれかが守れないと、この世界から叩き出されてしまいます。
○今回は活動場所が多い事もあり、行動が非常に薄くなってしまう可能性が御座いますので、
たくさん移動するよりは、ピンポイントもしくは2~3箇所での行動位が安全です。
それでは、ハッピーハロウィン!!