【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【名前】

　その頃、入り口への列では八神修にとって非常に喜ばしいことが起こりました。

　噂を聞きつけ、護衛にカーキーという大切な犬の家族を連れて、修はエノコロ岬の大岩に足を踏み入れて。
　辿り着いた先は、いぬもねこもごっちゃになったこの世界。共通事項は“みんな二本足”それはカーキーも例外ではありませんでした。
　立派に立った二本足。同じく犬の修を見て、カーキーは感動のあまり瞳を潤ませています。

「ご主人様！　俺、嬉しいです！」
「カーキーも喋れるようになったのか！
　ご主人様も、堅苦しい挨拶もなしにしよう。名前なんか呼び捨てでいい。俺たちは家族なんだから」
「じゃ、じゃあ、修で……！」
　カーキーの涙で潤みます。
「こんな事無かったら、二度と話が出来ないに違いない！　ありがとう、修！」
「カーキー……！」
　そしてカボチャを一旦脇においての熱い抱擁。

「あー……他の世界のお客さんなら、説明しなくちゃならないんだが、もういいか？」
「あ、ああ！　すまない！」
　いつ順番が回ってきていたのでしょう。声を掛けた『いぬとねこの中立共存を目指す会』の衛兵さんの声に、２匹は我に返った様子で恥ずかしそうにバッと離れました。

「まあ──という訳だ」
「なるほど。
　ところで、その禁止理由に呼び名が入っていないが──名前で誰かを呼ぶ分には構わないのか？」
「ああ、名前とかの固有名詞はＯＫだ。
　ただ、これが毎年いるんだよ『猫の王さま』と『犬のしょうぐん・いぬ皇さま…』に一度会いたいと、思わずその名前で呼んでしまういぬねこが。これは猫と犬って付いているからアウトなんだ」
「ああ、そういう基準か。
　──ところで、犬のトップだけ名前が何個もあるのはどうしてなんだ？」

「それが、国が分断されてから、皆で一番偉いいぬ様を『犬のしょうぐん』や『いぬ皇』ってとにかく尊敬を表す名前で呼んで、それを犬のしょうぐんが訂正しないから、いぬの国では、固定でこれって名前がなくなってしまったんだ」

　修はそれを妙に納得した様子で聞くと、早速カボチャを被って祭の広場内へと入って行きました。

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