ネコ島復興記～リバイバルターン～｜リアクション

ネコ島復興記～リバイバルターン～

●基地内　part1
担当：後木真央、曖浜瑠樹、鬼崎未月

「基地内のお掃除なのだお前ら邪魔なのだ～！」
　釘バットをを振り回し、ゾンマをぼこすか叩きのめしていくのは真央だった。リッカルドに群がったゾンマの掃討だ。
　いつの間にやら黒メイド服に着替えた彼女には三毛猫耳がついており、尻尾のついたミニスカがゾンビを屠るたび大きく翻る。
　そんな動きをしていると、当然ながら見え……見え、ないッ！
「絶対領域だと！？　使徒もやはりもっていたか！」
　訳の分からないことを言いつつ、リッカルドが立ち上がる。服も体も傷一つない上、スペア眼鏡を取り出して完全復活を果たす。
「回復に感謝しますよ」
「まていおじさんもお疲れ様ー♪」
　杖を手に、瑠樹が笑った。無意識のろっこんと連動した癒しの術が真央や未月の疲労を消し去っていく。
「これで終わりなの！」
　ぺしん、とシャベルを響かせて、未月がシャベルで戦いを締める。
　静かになった基地には、筆舌に尽くし難い光景と臭いが広がっていた。
「掃除ですね」
「掃除だねぇ」
「掃除なの！」
「掃除なのだ！！」
　叫んだ真央の体に闇属性の波動が集まる。にゃにゃがおーとろっこんを発動すれば、出てきたのはデブ三毛猫、がおーである。
「ゾンマの死体や血で基地が汚れたままなの嫌なのだ、がおー必殺技なのだ！」
　鳴いたがおーの周囲に、自律掃除を行うモップが大量に召喚される。
　これぞ必殺、がおーの呼び声。
「わぁ」
　黒猫型のモップに顔を和ませる瑠樹。
「猫神さまと司令のマリアージュ的な黒猫モップなのだ。可愛さメロメロなのだ」
「ぐふぅ」
　トラウマスイッチでも入ったのか、床に倒れ伏す暗黒司令。
「結婚生活の幸せなんて、最初だけ……あとは地獄ですよ」
「それよりシャベルが欲しいの！」
　大人のじじょーよりも、未月にはシャベルである。黒猫モップがゾンマを掃除――黒猫が咥えて亜空間に消えていく――している中、三人は猫神さまのシャベルを渡された。
「すごいの……これならいくらでも穴掘りできるの！」
　取っ手に猫の像がある以外は普通のシャベル。しかし未月は早くも目を輝かせていた。
「使ったらどうなるんだろ……わっ」
　瑠樹が壁にそれを当てると、水面に入れるかのように根元まで埋まる。引き抜けば大量の土が瑠樹に雪崩うつ……こともなく、土塊は光に包まれて別の物体へと変わった。
「わぁ、サンマさん像ができたぁ！」
「文字通りイメージを掘り起こすシャベル……どうです中々すごいでしょう？」
　鼻を膨らませるリッカルド。なお壊れたら猫神から（彼が）しばかれるそうだ。どこまでも立場が低い。
「面白そうなのだ。掃除が終われば真央ちゃんもいろいろ作るのだ！」
「なにを作ろうかなぁ……眠るところや、お風呂は欲しいよねぇ」
　召喚モップと共に掃除するメイド真央に、想像を巡らせる瑠樹。未月が言った。
「お部屋に、電磁砲も作って、たくさん改造するの。町長のおじさんにも協力してもらうの！」
「ふむ。構いませんが、電機製品は変電所の攻略次第ですね」
　おっさんはそう言い、肩をすくめた。

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