ネコ島にはどす黒い暗雲がたちこめていた。
「クックック、アーハッハッハ!」
九夜山は頂上展望台。そこで上がった哄笑に応じるかのごとく、巨大な雷がネコ島に落ちた。ひとつではない。幾つもの雷は次々とネコ島に突き立ち、街を壊し、大地を裂いていく。空が破壊の咆哮をあげる度、海が荒れ、山は絶え間なく鳴動した。
まさにそれは、ネコ島の終末を告げるかのような光景。
そしてその様に楽しげに両手を広げ、嗤っているのは――
「リッカルド、町長……!」
そう、『寝子島』にいる者であれば誰もが知る人物。中沢リッカルド町長その人に相違なかった。
しかし厳密には、違う。
神魂による超常現象――
この『世界』は生み出されたもの。そしてこの世界は、呼び出した者にある程度必要な情報を与えてくれる。
この島はネコ島。猫の神である猫神様のおわす、神聖な島。
そしてネコ島に災厄をもたらした目の前の男は……
「口を慎みたまえ。君たちは闇に君臨する帝王の前にいるのですよ?」
暗黒魔帝・リッカルド!!
「長い日々だった。あれは今から三十七万……いや、昔の事はいいでしょう。猫神との戦いに敗れ、私は三夜湖に封じられた。精神のみで矮小なるニンゲンに憑依した私は、封印を解き猫神に復讐すべくせせこましく活動するしかなかったのです。姿を変え名前を変え、ね。最初の名はなんだったかな……ああそう、タナカリッカルドでした」
その後イタリアリッカルドやドイツリッカルドなど、様々な名前のリッカルドとそれにまつわる『辛い日々エピソード』が語られていく……
が。
カット。
長いので全てカットである。
「――そしてついにこの日が来た。暗黒魔帝本体の復活、その呪文が完成するまであとわずか……いくら君たちが猫神の祝福を受け超常なる力をその身に宿そうとも、もはや終わりなのですよ」
体よく本題の説明を終えた暗黒魔帝が指を鳴らす。現れたのは黒い鎧に包まれた騎士の集団。暗黒魔帝に忠誠を誓う暗黒騎士団だった。
「とはいえ、君たちに指を咥えて見ていなさいといっても無駄でしょう。せいぜいあがき、魔帝復活をその目に刻み――死ぬといいでしょう」
そして復活の詠唱を始めるリッカルド。彼を守るように暗黒騎士団が立ちはだかり、武器を構える。
どうやら、いきなりクライマックスかつ戦うしかないようだった。
こんにちは、叶エイジャです。
本物のリッカルド町長に見た目は似ていますが、敵はまったく別のナニカです。
でも猫電スタジアムは故意か偶然か、島を襲う未曽有の危機にまったくの無傷という噂が。
さておき、今回は軽めの戦闘シナリオとなります。長いマスコメすみません。
●目標
復活の儀式を阻止し、暗黒魔帝リッカルドに勝利する。
※あくまでこの『世界』で与えられた目標です。敗北、全滅した場合でもこの世界は消失し、元いた場所に戻ります。
●主人公サイド
・あなた
この世界に突如来てしまった存在。神魂の被害者。
猫神という存在の加護を授かっているらしく、今回の戦闘を行うのに必要な超人的な武術、魔法の才能を持っている、ようだ。
戦闘向けのろっこんはもとより、そうでないろっこんも戦闘に利用できるかも(後述、「できること ろっこん」にて)
●敵
・暗黒魔帝リッカルド
かつて猫神という存在に封印された闇の帝王。ネコ島の町長として長らく活躍していたが、それを隠れ蓑にして封印解除の準備を進めていた……という設定。
彼の復活の儀式が終わると、敗北です。
詳細設定は寝子島町・町長、中沢 リッカルド氏とほぼ同じです。
ただしネコ島への愛は……ない!
首領として体術、魔術の達人というオプションが付いています。
・暗黒騎士団員たち
暗黒魔帝に忠誠を誓う悪い騎士団。
参加者様の数と同じ数だけ出現し、リッカルドの障害を排除すべく剣などの武器で襲いかかってくる。
そこそこ強く、個人戦闘力は主人公ひとりひとりに伯仲します。彼らを倒し暗黒魔帝を追い詰めたとしても、各自大小の傷を負っているでしょう。
大まかな流れは各自(または二対二などのチーム戦などで)騎士団員撃破→魔帝との戦闘となるでしょう。
●できること
猫神様の加護により、割と好きな武器を使え、魔法っぽい攻撃、治療もできるとします。
(あまり大規模な破壊ものは、適宜マスタリングします)
規模は白兵戦レベルを想定しています。
近接戦闘主体か、遠距離戦闘主体か、遠近を卒なく使い分けるのか。武器などはどうするのか。どう戦っていくのか。
全ては参加者様の創造力次第です。
・ろっこん
戦闘向きのろっこんは、そのまま戦いに使えます。
戦闘向きでないろっこんも、以下のような考え方でアレンジが可能です。
例えばテオことテオドロス・バルツァならば、かみさまクリエイションの猫パンチの「ついでに」強烈な衝撃で攻撃したり、真空波で切り裂くよ、という感じです。
※イメージとしては、ろっこんに連動して「この世界で創作した魔法」が発動してる、と思ってください。この場合テオは猫パンチをしただけ、すかさず衝撃波(または真空波)の攻撃魔法を放った、という意味です。
ろっこんは元のろっこんのままです。見た目をそれっぽく見せているだけ。攻撃、回復、補助など、このシナリオ内限定でいろいろできます。
もちろん、戦闘向きろっこんをお持ちの方もカスタマイズができます。
繰り返しますが
※ろっこんに連動して「この世界で創作した魔法の効果」が発動してる。あるいは、
※ろっこん発動に近い条件・動作に付随して「この世界で創作した魔法の効果」が発動してるだけ。
ろっこんそのものに変化はなし、でお願いします。
・敵の詠唱の邪魔
直接魔帝リッカルド氏を攻撃するか、会話で中断を狙えます。
親の仇とか、一族によくも呪いをかけたなとか、因縁・言い掛かりどんと来いな精神で応対してくれます。
●そのほか
軽めの、バトルものの予定です。結末が訪れれば元の場所に帰還し、怪我なども治ってる、一瞬の夢のようなもの。
戦ってる最中の怪我はあります。
死亡はなく、これは戦闘不能扱い。誰かから蘇生処置をしてもらわなければ幽霊みたいな状態のまま戦線復帰できません。
でも、戦闘不能状態でもリッカルド氏と会話し、詠唱の邪魔は可能とします。
(今際の際の会話か、直接脳に念を送っての会話かは自由で!)
なお相手側に寝返った場合……猫神様の加護が切れてしまうでしょう。
※寝子島に実在する人物(リッカルド町長)・団体とはなんら関係ありません。